おき(特急)とは (オキとは) [単語記事]

おきとは、鳥取駅・米子駅～新山口駅間を結んでいる特急列車である。
現在は「スーパーおき」として運用されている。

歴史

「おき」の名称が登場するのは1965年に大阪駅～大社駅間の夜行急行列車「しまね」を改称したのが最初である。この際の運転区間は下りが大阪駅～大社駅（出雲市駅～大社駅間は普通列車）、上りが出雲市駅～大阪駅であった。

1968年の「ヨン・サン・トオ」改正により前述の福知山線経由の夜行列車の名称が「だいせん」となり、「おき」は京都駅～出雲市駅・大社駅間を結ぶ伯備線経由の急行へと変更された。
1971年に新大阪駅～出雲市駅間の特急に格上げされ引き続き伯備線を経由する事となったが、これは翌1972年に登場する「やくも」の慣らしも兼ねていた。
1972年 3月の「やくも」運転開始により当時の「おき」は廃止されている。

その後、1975年 3月のダイヤ改正にて小郡駅（現：新山口駅）が山陽新幹線停車駅となった為、それまでの陰陽連絡急行「さんべ」「しんじ」「あきよし」を置き換える形で鳥取駅・米子駅～小郡駅間に陰陽連絡特急「おき」、江津駅・浜田駅～小郡駅間に急行「つわの」が新設された。当初使用列車はキハ80系だったが翌1976年 10月に「つばさ」電化により余剰となったキハ181系へ変更された。当時は6両での運転となっていたが輸送力が過剰だったため徐々に減車され、最終的にキハ181系が最短で組める3両に落ち着いた。また、小郡機関区担当列車も存在したが、機関区廃止により米子と（「まつかぜ」運用との兼ね合いで）向日町に集約。その後全列車米子担当となり民営化を迎えた。
設定から5年後の1980年に急行「つわの」を吸収。「つわの」停車駅救済のために湯田温泉駅・三谷駅・徳佐駅・日原駅が「おき」全便停車駅となった。

民営化後の1989年には上り1本が下関駅発へ変更されたが、1997年に下関駅発は廃止された。この間、1994年に多客期のグリーン車を廃止している。グリーン車連結は1982年の伯備線電化に際して多客期以外を廃止していたため、ここでグリーン車連結は全廃となった。
2001年 7月7日にはそのキハ181系の老朽化に対応する為、振り子機構搭載のキハ187系に置き換えられ、名称も「スーパーおき」へと変更された。

なお、2009年 6月1日からは全車禁煙となっている為、喫煙者の方へはご迷惑をお掛けしますがご理解とご協力をお願い致します。

鳥取駅発着便（3・4・5号）は走行距離378.1kmと国内の気動車特急としては宗谷に次ぐ距離を誇り（＝長時間運行）、鳥取駅発着便では米子駅で運転士の交代がある。なお、2025年 3月15日のダイヤ改正より鳥取駅～米子駅間はワンマン運転へと変更された。
また、ダイヤの乱れや車両不具合などで遅れが見込まれる場合は米子駅から特発が出る（キハ187系かキハ126系かは神のみぞ知る）。その場合、本来の列車は米子駅打ち切りとなり基地へ収容され、後続列車の利用を案内されるが、後続列車がすぐあるとは限らない。

一方、最近では激甚化する豪雨災害の影響で運転区間の一部が不通となることも増えている。特に出雲市駅以西で多い傾向で、山口線不通時は益田駅折り返し、2024年 11月の豪雨では浜田駅～益田駅間が約1ヶ月不通となり山陰本線内運休となった（この際、山陰エリア⇔新山口駅の代替経路として「やくも」＋山陽新幹線が案内された）。

1975年に「おき」が運行開始となるまで山口線経由で陰陽連絡を担っていた列車で、1960年 3月に準急列車として運行を開始。この時の運転区間は山口駅～博多駅。
その後、1963年には美祢線経由便も追加されると、1964年に浜田駅・益田駅～博多駅間に区間延長。九州側発着駅も博多駅から東唐津駅や日田彦山線経由の天ヶ瀬駅・日田駅発着便が設定され、1966年に急行に昇格した。また、「さんべ」同様に益田駅～厚狭駅間で分割・併結する運用も存在した。