おまえはそこでかわいてゆけとは、外道に対する慈悲無き宣告である。
漫画『うしおととら』のエピソード「お前は其処で乾いてゆけ」で登場した蒼月潮のセリフ。
秋田から青森にかけての東北地方で妖怪「なまはげ」による少女の殺害事件が相次いでいた。そして潮の宿泊していた青森の宿の娘「詩織」にもなまはげの襲撃予告とされる印がつけられてしまう。
かつては宿の女将「史代」になついていた子ザルだったなまはげは、今では人を襲い喰らう外道の妖怪と化し、更なる獲物を求めて人に擬態しようとしていた。その方法とは、少女の皮をはぎ取り、それをかぶる事。そして、なまはげにぴったりの皮の持ち主こそ詩織だったのである。
可愛がってくれた史代の事は覚えていたものの、今では人の味を覚えてしまったなまはげは詩織をさらい、それを追ってきた潮たちと戦うことになる。潮たちの活躍により詩織は救出されたものの、なまはげは執念深く詩織を追いかけ、自らの皮を脱ぎ捨て皮下組織をむき出しにした状態になり詩織の皮をかぶろうとする。
が、その瞬間に背後から獣の槍がなまはげの胸を貫通し、地面に縫い付ける。槍の石突の上に立つ潮は外道に落ちたなまはげを「人間にはなれない」「なまはげでもない」「猿でもない」と断罪し、皮を無くし「体が乾いちまう」と叫ぶなまはげに対し、最後に「おまえはそこでかわいてゆけ」と無慈悲に言い放つ。
なまはげ、いや、何者でもなくなってしまった妖怪は想像を絶する苦しみの中で、どうして人間になりたかったのかと自らに問いかけつつ、絶命するのであった。
このセリフを発した蒼月潮という人物は、普段は例え妖怪相手だろうとも無駄な戦いは避けようとする人間である。また、たとえ戦った相手であろうともできる限り殺しはしていない。
そんな潮が作中で珍しく相手を外道と断じ、苦しんで死んでいくのを許容するようなセリフを発しているのがこのセリフのシーンである。それだけ潮が怒りを感じていたということでもあり、道を外してしまった存在の哀れさが表現されたシーンでもある。
原作同様に、死にそうな外道な存在が助けを求めるシーンなどに対してこのセリフが書き込まれることがある。
掲示板
急上昇ワード改
最終更新:2025/02/10(月) 23:00
最終更新:2025/02/10(月) 23:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。