お嬢様とは (オジョウサマとは) [単語記事]

貴族や良家の娘、（主従関係における）主人の娘。（未成年の女性主君を指す場合もある）
他人の娘を敬う表現。
世間知らずで苦労知らずな女性。箱入り娘。

ここでは、主に１を扱う。

概要

お嬢様とは、「嬢」という若い女性を意味する言葉に尊敬語の「お」を付けた「お嬢」にさらに尊敬の言葉「様」を付けたもの。主に身分が高い少女・女性に使われやすい。また、身分が高く世間知らずな様子。

類義語に「お嬢ちゃん」「お嬢さん」があげられる。

創作作品におけるお嬢様

漫画やアニメと言った創作作品にはお嬢様は無くてはならないぐらいよく登場している。
創作作品におけるお嬢様は基本的に、良家の娘だったり家が金持ちだったり、学園モノで理事長の娘や孫だったりするヒロインが多い。お嬢様が主人そのものという場合もある。

本来日本語の「お嬢様」といえば江戸時代の姫様のような和風の家の娘にも使われていた単語であるが、漫画やアニメに登場するお嬢様は洋風のオシャレな家の娘が多い。その多くは大富豪の娘だったりする。

性格は「高飛車、我侭、プライドが高い、世間知らず」型と、「おしとやかで上品、天然混じり、おっとり、礼儀正しく常識持ち」型、「好奇心旺盛、我侭、奔放、世間知らず」型に大きく分けることが出来る。またどちらにも属さない若しくは両方の要素を持った登場人物もいるので完全な分類分けは難しい。

「高飛車、我侭、プライドが高い、世間知らず」型のお嬢さまは、超豪邸に住んでいて非常識なほど金遣いが荒かったりするものが多く、周りの庶民的なキャラや貧乏キャラと対比にさせ作品を面白くさせる。世間知らずな様子が物語に生かされる場合もある。こちらはツンデレを伴うことが多く、「金髪、ツインテール」であるのもしばしば見られる。

「おしとやかで上品、天然混じり、おっとり、礼儀正しく常識持ち」型のお嬢さまは、優しくて他の庶民キャラの相談役、憧れの存在、体が華奢（きゃしゃ）、敬語を使う、テニスや馬術やピアノや茶道といった高貴な習い事をしているなどの特徴付けがされることも多い。

「好奇心旺盛、我侭、奔放、世間知らず」型とは、お嬢さまは、所謂箱入り娘であり、その突飛な行動から他の登場人物たちをやきもきさせて作品を面白くさせる。この手のキャラは、自分が特別扱いされるのを嫌がり、周りのキャラクターの影響を受ける場合が多い。このタイプのお嬢さまは、ロリキャラと似通っているためロリ属性を伴う場合がある。

お嬢様キャラの名前は、三文字、～院、～宮、～寺、〜園、といった感じの地名・建物に絡む姓が多く、山田や鈴木のようなどこにでもいるような名字の場合はまずない(例外は「名探偵コナン」の鈴木園子ぐらいか)。これは、公家や武家のように明治以前より苗字を持っていた者に似せ、名家の威厳を持たせるためと思われる。

「好奇心旺盛、我侭、奔放、世間知らず」型と非常に似通っているが、三千院ナギ（ハヤテのごとく！）のようにその強大な力を自分の裁量で動かすことができるキャラもいる。このタイプは前者とは逆にある種の我儘である自分の意志によってその強大な力を動かし、その結果周囲を巻き込んで一騒動巻き起こすという立場になる。このタイプの特殊な例として、神月かりん(ストリートファイターZERO)や東方プロジェクトのラスボスの面々のように、自身が相応の強大な実力を持ち先陣を切ってその力の根源である事業を自ら取り仕切っているという者も存在する。

その他には、主人公に大掛かりな（或いは無茶苦茶な）行動をさせたいが、主人公にはお嬢様属性をつけたくない場合にスポンサーとして主人公チームの一員として配置されている場合もある。この場合、お嬢様を前面に押し出しすぎるとどうしても骨川スネ夫のようになってしまうため、前者二つのお嬢様属性より主人公チームの立ち位置に合った属性が付与され、必要時以外は普通に仲間の一員として行動することになる。

お嬢様の中でも王族・皇族といったロイヤルな方々は「お姫様」「プリンセス」「王女」として区別される。

お嬢さま言葉との関係

お嬢さまことばは、その名の通りお嬢様が使う言葉としての印象が強いが、この言葉が女学生言葉と呼ばれていた明治の頃は乱れた日本語とされ下賎なものとされていた。その後、女子学習院などの上流階級の学習の場において定着することになり、それが現在のお嬢さまことばの印象の元となった。

漫画やアニメにおいては全てのお嬢様キャラクターでこれを使っているわけではなく、より強く“お嬢様”を印象付ける場合などを除いては単なる丁寧語・敬語を使っていることも多い。
また、主人公が執事である場合などお嬢様という設定が性格設定以外の理由でつけられていたり、設定との差を持たせる目的であえて普通の口調であったり、普通より乱暴な語を使う場合もある。