かじき座とは (カジキザとは) [単語記事]

かじき座 Dorado
略符	Dor
象徴	the Dolphinfish or the Swordfish
設定者	ペーテル・ケイセルフレデリック・デ・ハウトマン
概略位置：赤経	5
概略位置：赤緯	-65
21時正中	1月15日
広さ	179平方度(72位)
3.0等以上の恒星	0
最輝星	かじき座α 星(3.27等)
メシエ天体数	0
隣接する星座	がか座ちょうこくぐ座とけい座レチクル座みずへび座テーブルさん座とびうお座
星座の一覧

かじき座とは、全天88星座の1つ。

南天にある星座で、青森市より南の地域で一部が観測できる。

概要

小さな星座で明るい恒星は少ないものの、領域内の大マゼラン雲がよく知られている。

「カジキ(旗魚)」の名が付いているが、ラテン名の"Dorado"は「シイラ」を指す。詳しくは後述。

かじき座は比較的新しい星座で、ネーデルラントの航海士ペーテル・ケイセルと、同じく探検家のフレデリック・デ・ハウトマンによる観測に基づいて作られた。

かじき座には固有名を持つ恒星は存在しない。

PGC 17223　棒渦巻銀河
- 別名「大マゼラン雲(LMC)」。距離は約16万光年。銀河系の潮汐力で、形状が大きく乱れている。
  局部銀河群ではアンドロメダ銀河(M31)、銀河系、さんかく座銀河(M33)に次いで4番目に大きく、南天の夜空ではよく目立つ。
NGC 2070　散光星雲
- 大マゼラン雲にある、星形成が活発な散光星雲。星雲ガスの形状から「タランチュラ星雲」と呼ばれる。
  非常に明るい星雲で、オリオン大星雲付近(約1300光年)まで持ってくると夜でも影ができる。

SN 1987A　超新星
- 1987年に大マゼラン雲内で発見された超新星。現在はリング状の星雲が観測できる。
  ここから放出されたニュートリノの観測に成功した小柴昌俊氏は、2002年にノーベル賞(物理学)を受賞した。
HE 0437-5439　超高速度星
- 青白く輝く若い恒星。銀河系の脱出速度(約300km/s)を遥かに上回る723km/sもの速さで銀河系から遠ざかっている。

1595年、ペーテル・ケイセルとフレデリック・デ・ハウトマンは東インド諸島への航海に参加し、マダガスカル島などで天体観測を行った。ネーデルラントの天文学者ペトルス・プランシウスはこの観測結果に基づき、かじき座を含む12の星座を発表した。

当初この星座は、トビウオ(とびうお座)を追いかけるシイラの生態になぞらえ、ラテン語で「Dorado」と名付けられた。元々「Dorado」はスペイン語で金色を表す言葉で、金色に輝くシイラの特徴とも一致する。

ところが、後に発表された星図では「Xi phi as(カジキ)」と名付けられ、特徴的な細長い上顎(口吻)も描かれている。

現在は、星座名として正式に「Dorado」が採用されているが、日本語ではかじき座となっており矛盾している。