くしゃがらとは、禁止用語である。
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あなた・・・『覚悟して来てる人』・・・・・・ ですよね。 この記事を読むって事は、逆に「ネタバレ」を見せられるかもしれないという危険を、 常に『覚悟して来ている人』ってわけですよね・・・ |
漫画『ジョジョの奇妙な冒険』のスピンオフ作品『岸辺露伴は動かない』のノベライズ作品、その第1作。
『ウルトラジャンプ』2017年8月号に付録として収録されたが、後に2018年6月に発売した「岸辺露伴は叫ばない」にて収録、一般発売となった。作者は北國ばらっど。
2020年12月には、NHKで実写化してテレビドラマも放映された。翌年1月5日に再放送。
岸辺露伴は高橋一生が、志士十五は森山未來が演じる。特に森山は、2015年に『死刑執行中脱獄進行中』の舞台公演でも出演しており、ジョジョ関係の実写作品への参加は2作目となる。
カフェ・ドゥ・マゴで紅茶を飲みながら新作のネタを考案していた露伴。そこへ、同じ集英社で仕事をしている漫画家の志士十五(しし じゅうご)が相席してくる。
一方的なフレンドリーさを見せながら話しをまくし立てる十五に露伴も段々イライラしていくが、十五が露伴に話したのは彼の編集担当に渡された禁止用語リストの中に載っていた「くしゃがら」という謎の言葉に関する相談だった。
辞書にも載っておらず、スマホでググっても詳細が何も出てこない。
どこで誰が作った単語なのか?どのような意味を持つのか?
何かのオノマトペか?それともどこかの地方でのみ限定して使われる方言だろうか?
そして、この言葉はなぜ禁止用語なのか?
まったく詳細がわからないだけに、十五は寝ても覚めても気になって仕方がなく、露伴に「くしゃがら」という言葉をどこかで聞いた事はないか、尋ねてきたのであった。
十五の話や態度にイラつきながらも、言葉の詳細と「この言葉を使ってはいけない理由」を話さない彼の編集担当の態度から好奇心を刺激された露伴は、十五に協力を申し出ると「くしゃがら」なる言葉に興味を引かれていく。
そして十五も、何かに取り憑かれたかのように、この謎の言葉をさらに調査していくのだが、その好奇心の果てに二人が出くわした奇妙な出来事とは・・・
以下ネタバレ。
それからほぼ一月後、露伴と十五は古本屋で再会するが、十五はくしゃがらの事をずっと調べ続けた結果、精神は消耗しすっかり憔悴しきった容姿へと変貌していた。
くしゃがらに関する文献や情報はないのかと古本屋の主人に掴みかかるなど、様子も明らかにおかしかった為、露伴は十五を止めると一緒に店を後にするが、「もう気にしない方がいいのでは」と露伴が提案した瞬間十五は激怒して禁止用語(くしゃがらではない言葉)を口走ったので、露伴は十五を殴り飛ばす。
もはや「一つの事にのめりこんでいて周りが何も見えない」どころではなく、十五は心身共におかしい。と疑念を強める露伴だが、その疑念はすぐに確信へ変わる。
十五の喋る言葉に、「くしゃがら」のワードが明らかに不自然なタイミングで無作為に挿入されているのである。しゃっくりが止まらないように、もしくは何か喋るたびに発作のようにくしゃがらが割り込んでくる。
そして十五は、その事実を自覚していない。そのためくしゃがらが自分の会話に割り込む事もわかっていなかった。
なぜか?それは十五の口の中、もとい喉の奥から「なにか」が声を発していたからで、これこそがさっきから聞こえるくしゃがらの声の正体であった。
危険を感じた露伴はヘブンズ・ドアーで十五を本にして彼の身になにが起こったのかを調べようとするが、彼の記憶を読んでいくうちに今まで見た事がないものを見つける。
そこには、週刊誌や雑誌に付録として出てくるような「袋とじ」が十五の中に存在した。
ページとページの端がくっついており、くしゃがらと言葉を発する「なにか」が袋とじの内側で蠢いていて、袋とじの外側には「なにか」の手形が、ページが真っ黒く見えるほどにびっしりとくっついている。そしてその「なにか」は、袋とじを内側から少しずつ自力で開こうとしていた。
露伴は急いで、十五の記憶からくしゃがらを忘れさせようとするが、ペンのインクが瞬時に乾いてしまうようにくしゃがらというワードを書き込む事ができない。露伴ほどの執筆速度でも書いても書いてもすぐに消えてしまい、線を引く事さえできず露伴は驚愕するが、これこそがくしゃがらという言葉がどこの辞書や文献にも見つからない理由でもあった。
この世の禁止用語だから、使う事も書く事もできない、というシンプルな理屈。
だがそうこうしている間にも、どんどん袋とじは開いていき「なにか」は十五を内側から食い破っていく。
ヘブンズ・ドアーをもってしてもくしゃがらの言葉が書けない以上、別の方法で今すぐに事態を収めなくては十五はくしゃがらに完全に支配されてしまう。決死の叫びと共に露伴が書き込んだ命令、は・・・
結果、露伴が最後の手段として書き込んだ「一か月間の記憶をすべて忘れる」の命令によって十五は、実生活に多少の不便を被りながらも無事で済んだのだった。
だが話の始まりのきっかけとなった「十五の編集者」は、十五も一か月もの間電話で話しただけで直接会っていない事が分かった上に「禁止用語リスト」自体、編集側では作っていなかった。
これらの事から、露伴は『この「くしゃがら」という言葉自体には何も意味はなく、言葉を伝播させる事で好奇心を媒介に、病原菌や生物の如く繁殖するものなのではないか』と仮説を立てるが、その仮説は露伴が古本屋へ再び立ち寄っていったところ、店主も(症状こそ軽いが)十五と同じ有様になっていたのですぐに立証される。露伴は十五と同じ処置を施して店を後にした。
十五はこの一月で、どれだけの人間にこの言葉を伝播させたのか?
この言葉を知った自分の中にも、もしや「袋とじ」ができてしまったのではないか・・・?
そして、この「くしゃがら」をもし最初に知ったのが十五ではなく自分だったら今頃どうなっていたのか・・・?
疑問が次々に沸いて恐怖を覚える露伴だったが、「これ以上の詮索は危険」と考え「くしゃがら」から一切の手を引くのだった。
実はこの小説と、この記事の中に出てきたくしゃがらという単語は嘘だったのである。
露伴や十五たちが作中で出会った禁止用語はくしゃがらではなく別の言葉なのだが、あの「危険な単語」は小説はもちろん、ニコニコ大百科にも使用できないのである。そのため当記事でもくしゃがらという言葉を代用していたのだが、少なくとも小説や当記事を読んだ人が十五たちのようにくしゃがらに伝播・支配される心配はない。
だが、意味のわからない単語に遭遇した時に好奇心に駆られた結果、時には命にかかわる重大な危機へ直面する事もある、という警告及び注意に「好奇心は猫を殺す」という言葉を用いて、このストーリーは締められている。
大筋は原作と同様ながら、実写版のオリジナルシーンが多く追加され、演者の迫真の役作りも相まってくしゃがらの不気味さがより強調されている。
露伴先生よォ~~ ようやく見つけたんだ……『くしゃがら』の手がかりをよォ…
これ これ… これ見てくれよ… なんと……
『 く し ゃ が ら ピ ザ 』だ ッ ッ !!
スゲェッ!スゲェよォ!こんなところにヒントが隠されてるとはよォ!想像もしねぇぜッ!
ようやく見つけた『くしゃがらピザ』だ くしゃがら間違いねェッ!……お前今『くしゃがら』って言ったか?言ったよな~~ッ
くしゃがらアァァアッ! 何隠してんだよ!知ってること俺にくしゃがらッてんじゃねえぞッ!
待てねェんだよ! 俺はくしゃがら知りてェんだよ!
今すぐッ! ただちにッ! 『NOW』だッ! 分かるよなぁぁ―ッ!?
ゴチャゴチャ言ってんじゃねえぞ『くしゃがら』がァァ~~~ッ!
なおスタッフによる原作リスペクトの一端として、学者が怪死した記事が掲載された新聞の中や十五が持っていたチラシ中にジョジョ4部で登場したある人物の名前がチラッ・・・と登場したりしている。
また「調べても調べても正体が掴めない謎の言葉」「奇妙な物語」という共通項なのか、この実写ドラマが放送された直後はズンドコベロンチョがtwitterでトレンド入りしていた。
掲示板
165 ななしのよっしん
2024/09/22(日) 05:58:55 ID: T4aMP6wgfy
他の感染者・・の可能性が高いけど、「くしゃがら」そのものの線もあると思う
166 ななしのよっしん
2024/10/28(月) 16:52:21 ID: L0O+28XSwl
primevideoで実写のを見させてもらったけど
このお話、近年の情報社会での情報中毒への警告にも見えた
実際は別にそんなことなくて、自分がそうなってるからそう映っただけかもしれない
167 ななしのよっしん
2025/01/05(日) 07:43:33 ID: oinWdLGwhQ
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最終更新:2025/03/23(日) 06:00
最終更新:2025/03/23(日) 05:00
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