けもフレ11話ショックとは (ケモフレジュウイチワショックとは) [単語記事]

けもフレ11話ショックとは、アニメ「けものフレンズ」の11話放映後に起こった反響を指す言葉である。

第一次11話ショック

この項目は、下記にけものフレンズ第11話のネタバレを含んでいます。
未視聴の方はご注意ください。（要スクロール）

かばんちゃん達の前に現れた新たな黒いセルリアンは、火山から放出されるサンドスターローを取り込み、自己修復・巨大化をする凶悪な個体だった。ミライさんの残したメッセージやアライグマ・フェネックの助力もあり、かばんちゃんはサンドスターローの放出を封じ、黒セルリアンの更なる自己修復と巨大化をくい止めることに成功する。

とはいえ、その規格外れの巨大さ・堅牢さは健在であった為、かばんちゃんは正攻法を諦めて一計を案じる。それは、セルリアンの走光性を利用して港にある船まで誘導し、海に沈めるというものだった。光源が少なくなる夜になってから、ジャパリバスのヘッドライトを利用して黒セルリアンの誘導を始めるかばんちゃん達。ラッキービーストの運転技術も相まって、作戦は成功するかに思われた。

しかし、突如として変形した黒セルリアンのボディプレス攻撃によってバスはあっけなく転倒。振り下ろされた黒セルリアンの前肢から、かばんちゃんとラッキービーストを助けたサーバルちゃんが黒セルリアンに飲み込まれてしまう。冷静に作戦の遂行を訴えるヒグマに対し、一度は従う素振りを見せたかばんちゃんだったが、ヒグマが駆けていくのを見送ると身を翻し、黒セルリアンに向かう。かばんちゃんはそのまま、縄を木の幹にくくり付けて腰に巻いたかと思うと、樹上から黒セルリアンの体内に飛び込み、サーバルちゃんを救出した。

視聴者がほっとしたのも束の間、黒セルリアンがかばんちゃんに気付いた上に、助け出されたサーバルちゃんは一向に目覚めない。覚悟を決めたかばんちゃんは松明に火をつけ、再び船の方向に黒セルリアンを誘導し始める。そして、再度黒セルリアンの前肢が振り上げられたのを見届けると、その場で立ち止まり、昏睡するサーバルちゃんに向けて思いを伝える。

「 ありがとう、元気で 」

直後、鈍い音とともに黒セルリアンの前肢が画面を覆い尽くし、暗転。EDが流れ始める。

上記の本編内容だけでも充分に視聴者に衝撃を与えた11話だったが、本編後のEDでは10話までいたフレンズのシルエット(参照→ぼくのフレンド)が全て消え去ってしまう。

更に、おなじみだったPPP予告までも、PPPが消え、ボスの頭部のみが映り、背景のセットが荒廃していた。いつもの賑やかでゆるいやり取りは当然なく、コウテイの簡素なタイトルコールとラッキービーストが発する機械音のみが流れた。

けものフレンズの世界観にどっぷりとハマっている状態でのこの展開に、フレンズ化している視聴者達に激震が走った。　

この11話放映後、ツイッターではワールドワイドトレンドの9位に「かばんちゃん」がランクイン。日本のトレンドにおいては約15時間に渡りトレンド上位を独占し、さらには実況ツイート残留率892%の実況ユーザ数過去最多の記録^[1]を残した。

そして案の定、ニコニコ動画の1話さばんなちほーでは前日と打って変わって視聴者の悲痛な叫び、悲しみに包まれたコメントでごった返し、いつも見かけるコメントアート投稿者、すしざんまいなどの赤字兄貴の元気がなくなり、終いには、しんざきおにいさんやサバンナシマシマオオナメクジに助けを求めるコメントや、セルリアンへの憎悪コメントという、阿鼻叫喚な様がみられるようになった。

ネット上では「どうせみんないなくなる」など悲観的な声も上がっているが、「たつき監督を信じろ」と希望を捨ててない視聴者も多くいる。

なお、本記事が執筆されてしまうほどに11話が話題になったのは、ラストの衝撃的な展開だけが原因ではない。

これまでの細かな描写・伏線が一気に回収され、まさに最終回に近づいていることが体感できる素晴らしい展開になっていたことも重要なファクターだろう。ED「ぼくのフレンド」の歌詞を引用するならば「積み上げてきたものがやけに涙を誘うんだ」ということだ。とりわけ1話では、11話の内容に対応する演出が多く、多くのフレンズの涙を誘っている。

第二次11話ショック

※アニメ本編と直接的な関連はない。

2017年 3月23日の23:00から、けものフレンズ第11話のニコ生上映会が予定されていた。

ところが、その日は運営のネットワーク機器の不調により、ニコニコのサイト全般に障害が発生し、17:00頃から20:30頃までメンテナンスが行われていた。運営は「21:05に復旧を確認した」とのコメントを発表した^[2]が、これに対し多くのフレンズから「上映会は本当に大丈夫なのか」という不安の声が上がっていた。残念ながら、その不安は現実のものとなる。

上映会開場と同時に動画ページに繋がりにくくなる、繋がっても動画読み込みが終わらないという状態が多くの視聴者の間で発生し、プレミアム会員ですら「途中からしか視聴できなかった」、または「全く視聴できなかった」という前代未聞の結果に終わってしまった。17時から発生していた障害との関連は不明だが、事態に対応できなかったニコニコ運営に非があることは間違いないだろう。

この結果、1話では「運営はセルリアン」「運営はのけもの」等の多くの運営批判コメントが書き込まれ、ツイッターのトレンドに「アクセス集中」というワードが上り、最終的にネットニュースに取り上げられるほどの騒動となってしまった^[3]。当然ながら生放送のコメント数も前回(10話上映会)と比較して大幅に減少^[4]し、上映会の最後に行われたアンケート結果も、「1:とても良かった」が89.3%、「5:良くなかった」が6.3%と、それまでの結果に比べて芳しくない数字（下表参考）に終わってしまった（それでも十分高いが）。

	9話	10話	11話
1: とても良かった	97.9%	98.0%	89.3%
2: まあまあ良かった	1.1%	1.1%	2.4%
3: ふつうだった	0.4%	0.3%	0.8%
4: あまり良くなかった	0.2%	0.2%	1.2%
5: 良くなかった	0.4%	0.4%	6.3%

この件に関して（ニコニコ運営の不手際にも関わらず、）ツイッターでけものフレンズの公式アカウントと福原Pが謝罪している^[5]。また、放送直後はニコニコ運営からの謝罪や釈明はなされていなかったが、その後11話生放送上映会と11話再放送上映会の番組説明文にて謝罪文が掲載された。

さらに、騒動の起きた翌日の24日には、福原Pを始めとした関係各者の尽力もあり^[6]、24日23時からの再放送が決定した^[7]。再放送に当たっては、概ねほぼ全ての視聴者が快適に視聴ができ、コメント数も10話を上回った^[8]他、アンケートの結果も「1:とても良かった」が97.2%を記録した。

また今回の件を反省してか、11話までの上映会(一挙除く)では開演10分前に開場だったが、12話上映会では開演30分前に開場時間が変更された。更にその後、3月28日には開場を30分前から開演1時間前に変更すると告知された。

第三次11話ショック

2017年 8月14日の朝 7:30から、けものフレンズの再放送が開始。朝アニメ化に伴い専用OPも付けられ、ファンの間では話題を呼んだ。

さすがに放送初回時には話題になった11話も、殆どの人が先の展開を知っていると言う事もあり、放送日(28日)には騒ぎはあまり起こらなかった。しかし、翌日の最終回の放送日にファン以外でも、驚愕するある重大事件が起こった。

午　前　5　時　5　8　分　　北　朝　鮮　が
ミ　サ　イ　ル　を　日　本　領　空　に　向　け　て　発　射

　ミサイルは幸い領空を通過したのみで本土に被害は無かったが、流石にこの異常事態により各テレビ局は大混乱を起こした。けものフレンズの放送局であるテレビ東京とその系列局も、当然例外では無く、けものフレンズの前番組であるおはスタを中止してまで、ミサイル報道を行う程だった。

これによりファンは11話放送時と同等の錯乱状態に陥り、1話動画は初回放送と同じ様なコメントが殺到するようになった。フレンズの中の人も休止だと思い始める人が出始め、放送数分前のCM 枠まで潰してミサイル報道を行っていた為、多くのファンが絶望した。

しかし、7時30分…

『フレンズのみんなー！あつまれー！！』

その画面に映ったのはミサイルなどでは無く、いつもと変わらないどうぶつビスケッツとPPP達の姿だった。

一部の局ではL字テロップでミサイル報道等が行われる等の措置が行われたが、全ての局で無事にけものフレンズの最終回が予定通りに放送され、再び初回放送時と同じ様に『ありがとう』の嵐で包まれる事になった。この出来事は、テレ東伝説の1つと呼ぶ声もあり、大百科記事『テレ東伝説』の項でも紹介がされている。