こみっくパーティーとは、Leaf(株式会社アクアプラス)より1999年に発売されたWindows専用恋愛アドベンチャーゲーム+恋愛シミュレーションゲームである。
同ゲーム内における同人誌即売会のイベント名でもあり、セルフコラボレート的に開催されたLeaf主催の現実の即売会イベントの名前でもある。
同人誌を書きながら、同じ作家仲間やコスプレイヤーの女の子、イベントスタッフの女性と仲良くなるという、オタクネタメイン作品の増えた現在では割と定番化しているコンセプトの、著名メーカーがおおっぴらにやったという意味での先駆け的作品。公式の略称は「こみパ」。
後に『うたわれるもの』や『ToHeart2』などでその名を轟かせる事になるLeaf東京開発室の記念すべき第1作目にして、代名詞とも言うべき作品である。
18禁PC版での発売後、ドリームキャスト、逆移植PC版、PSP版と3度移植(3本とも全年齢対象)されており、オリジナルPC版のみ18禁指定となっている。
また、2度のTVアニメ化と1度のOVAシリーズ化もされている。
内容は、作品内期間での1年間、毎月1度開催される即売会に向けて、任意のジャンル・ページ数・表紙カラーを設定して執筆を進め、即売会で販売、を基本に、主人公が一般参加者として即売会を体験する4月をプロローグに、サークル参加する5月~3月を本編としてプレイする。
女の子達とは、サークル訪問、サークル合体、協同執筆や、コスプレブース見学といった同人誌即売会らしい行動や、散歩や画材買出し等、様々なアクションによって出会いを繰り返し、親交を深めていく。特に、攻略対象の女の子が作家仲間の場合はサークル合体が攻略の必須条件になる。
執筆システムは、最初に1週間分(土日祝日は除く)のスケジュールを決めて、原稿完成日迄に書き上げると言う物である。執筆フェーズは「絵コンテ(=ネーム・下書き)」「ペン入れ」「仕上げ」「表紙」に分かれており、画力やカラーの能力値により、進捗スピードが変化する。
土日祝日は、午前と午後に分けて行動を選択することができ、原稿を書くか出かける、又はバイトや休息を取る事が出来る。選んだアクションによってはイベント等で強制的に半日~1日潰れる事もある。締切日前1週間を切っても脱稿していない場合、「修羅場モード」になり、大量の体力ゲージと引き替えに執筆速度をアップさせることが出来る。が、それ相応にリスクも高く、途中で体力が尽きれば問答無用でゲームオーバーとなるのでご利用は計画的に。
原稿が既定の締め切り日までに上げることが出来れば、所持金と相談し、売上見込みと来月の印刷代の事を考えながら印刷部数を決定、後は即売会を待つのみとなる。
即売会では始めに新刊の値段設定をして印刷した本を売っていく。称号が駆け出し未満の場合は最安値にしない限りろくすっぽ売れないので、強気設定はもっと大手になってからにしましょう(リアルでもね)。
途中休憩時間で館内移動が数回に渡り出来るようになる。勿論イベントの間ずっとスペースで売り子をしてもいいし、知り合いキャラのスペースへ行ってイベントを進行させるもよし。この時、特定の場所に移動するとイベントが発生する事があり、その結果新しい女の子に会えたりもする。
即売会終了後は、売上冊数に応じた評価が行われ、一定の冊数に達すると「駆け出し同人作家」「ベテラン同人作家」などの称号が得られる。この称号は作家としての知名度のバロメータであり、称号が高ければ高い程、強気の値段設定や大量の冊数でも完売しやすくなる。なお、どれだけランクを上げても即売会1度につき2000部が最大。
原作であるPC版こみっくパーティは256色時代のゲームの中でも最高峰の彩色技術をもって製作され、そのクオリティはその辺の下手なフルカラー作品よりもよっぽど綺麗であった。
ゲームとしてはどうかというと、あるヒロインのルートに入るための必須イベントがランダム発生であったり、また某ヒロインのルートに入るには流しプレイでは達成しにくい膨大な販売部数を捌かなければならなかったりしたため、攻略難易度あるいは作業煩雑度はそのポップな見た目に反してそれなりに高い。
そもそも執筆作業が進む量自体乱数で運任せのため、目的を持ってプレイする場合、目標ページ数が達成できればセーブし、達成できなければロードしてやりなおすというのを何十回どころか何百回と繰り返す忍耐が必要だった。
基本的には(一部のキャラを除けば)同人誌の作成部数は攻略条件としてまったく意味がないので、無理に発行部数を増やす必要はない。少ないページ数、少ない発行部数でクリアできる。
しかし同人作家に成り切ってプレイしていると、発行部数やページ数を増やしたいのが人情である。苦労して執筆した同人誌の全作品がエンディング時に表示されるのを眺めていると感慨深いものがある。
作中の即売会会場で他のサークルの同人誌が購入できるが、それらの同人誌の表紙のイラストは実際の人気同人作家達が描いており、同人誌即売会で同人誌を購入する層の人達には非常に喜ばれた。
後にアミューズメントファンディスク『猪名川でいこう!』も発売され、後のこみパ2次創作やオフィシャル作品(OVA以降)にも多大な影響を与えた。
また、本作を印象的にする要素の一つに、メインヒロインの逸般人化が挙げられる。普通、主人公がオタクの道に入るストーリーの場合、リア充サイドからの引き戻し要員(大抵はメインヒロイン。主人公もオタクコンプレックスを脱却してリア充になってハッピーエンド、というケースが多かった)がいるのが常道で、本作ではメインヒロインである高瀬瑞希がその役割を担っていた……はずだったが、瑞希ルートを中途半端に進めた状態で放置してラストを迎えると、当然攻略失敗でノーマルエンドになるのだが、そこには何ともディープにこみパの空気に染まりきった瑞希がいるのである。中途半端にシリアスな本人のエンディングよりも、こっちの方がよっぽどハッピーエンドではないかと当時は話題になった。
今でこそ漫画やゲームで、オタク主人公と一緒にオタクライフを楽しむメインヒロインも珍しくなくなっているが、その空気を作ったきっかけがこのオタク瑞希であると言っても過言ではあるまい。なお、DC版にて通常攻略中にも魔法少女アニメのDVDやグッズを大人買いしているイベント絵も描き下ろされ、瑞希=有望なオタクの卵というイメージは完全に固定された。
本作の外側、業界的には本作発売(1999年5月28日)の1週間後にKeyの出世作『Kanon』が発売され大きな話題を呼んだことで、残念ながら本作の一人勝ちにはならなかった。
なお、本作の開発主体である東京開発室の中心メンバーは、同人界隈でもトップクラスの人気を誇るシャッター前常連級の人気作家揃いでもあり、同業者からは「お前ら、会社の金で同人ゲーム作っただろ!」とツッコまれまくったとか。
基本的にはPC版と同様。相違点としては新キャラ"御影すばる"ルートシナリオの追加、エロシーンの削除、イベントシーンの追加、同人誌作成パートがコマンド入力式に変更(格ゲーのコマンド入力風に変更)、エンディングでの作成同人誌を振り返る部分がカット、他サークルの同人誌のイラストを描いている同人作家が変更・追加、一部サブキャラのエンディングの追加等。
ドリームキャスト版の初回版はコンシューマ作品にも関わらず、明らかなデバッグ不足によりバグが残っていて、プレイ中に様々な場面でフリーズが頻発した他、全体的にシステムが鈍重で、コンフィグノータッチだと立ち絵のフェードで1~2秒以上かかるという凶悪な仕様、音声圧縮設定をミスったのか、ボイスにはノイズが乗りまくっていた。例えて言うなら「地上波のラジオ番組をライン入力でモノラル録音し、その音声を32kのビットレートでエンコードしたような」音質である。
以上の様々なユーザビリティの欠如の為、作品の内容とは別のところで大きく評価を下げていた。
なお御影すばるルートのシナリオは、既存キャラである"猪名川由宇"と"大場詠美"、双方のシナリオを補完する役割を持っており、PC18禁版未プレイの人は攻略順が逆になると損をする仕様なので注意が必要である。
ドリームキャスト版をPCに逆移植した作品。同人誌作成パートをタイピング方式に変更しただけで、後は基本的にドリームキャスト版と同様の内容であるが、毎分200~300キー程度のブラインドタッチが出来ればもはや難易度などないようなものとなり、締切りに追われるまでもなく容易に最高クオリティで原稿執筆が完了する。やろうと思えば初回からいきなり84ページフルカラー(最大設定)を作成することも可能。そのため原稿制作途中にしか起きない必須フラグイベントを逃しやすくなっているなど、調整不足な点も多い。
絵とシナリオの内容はDC/DCEそのままで、原稿執筆を旧PC版のようなパラメータ依存のランダム進捗形式に戻した。OPが後述のOVA版/TV版第2期のカオスプロジェクト制作による新規アニメーションムービーになっており、主題歌も新作になっている。クリア特典としてPSP版描き下ろしの壁紙がPSP用・Windows用とも用意されている。
原作のPC版は部分ボイスだが、ドリームキャスト版とPSP版はフルボイスとなっている。
本作は、TV版1期→OVA→TV版2期という流れで、都合3度アニメ化している。
和樹と瑞希の2人の成長物語を丁寧に描いた、漫画家スポ根物語。ただ、ファンの間でも評価が大きく分かれる作品でもある。原作レイプと言われる事もあれば、隠れた名作と呼ばれる事もある。原作ゲームを未プレイで本アニメ版を見たという層には概ね評価が高い。絵柄は原作と大きく異なり、丸っこいタッチのデザインで、頭身だけはリアル志向の原作と比べて、ややデフォルメチックに描かれている。
本作は、主人公らの年齢及び舞台設定、性格設定が原作ゲームの設定と大なり小なり異なっている。例として、原作では大学1年生の和樹・瑞希・大志らは高校3年生で、関西在住の由宇が和樹の学校に同級生の転入生として登場したり、千紗(印刷所の娘)が和樹の学校の後輩だったり(原作では千紗は超難関の進学校生)等々や、他の登場人物たちの年齢設定も変更されている。ストーリー上仕方がないとはいえ、原作ではコンセプトそのものを否定していたテンプラ本(表紙だけ豪華な駄本)を刷って大量の不良在庫を抱え、その後数話に渡ってだらだら落ち込み続けたり、大志が主人公に対し、作ったらその場で破り捨てると言い放ったコピー本の発行を手伝うなど、原作好きほど違和感を覚える設定改変が散見される。
ただ、最終回終了直前までBAD END直行した状態をラスト数分で一気に大団円まで持って行ったシナリオは良かったと評価する者も多い。
アクアプラスの公式通販のみという形態で販売されていたもので、タイトルも『こみっくパーティーRevolution』となり、設定・デザインとも前TV版ではなく、原作ゲーム設定を踏襲したものになっている。全4巻が制作・販売された。前後の繋がり無しの1話完結形式で、各巻ごとにヒロインが異なっている。制作期間中、瑞希役の茶山莉子が交通事故で入院した経緯があり、佐久間紅美を代役起用するなどのハプニングもあった。
制作:カオスプロジェクト(1~4話)、RADIX(5~13話)、製作:こみパ準備会
OVA版『こみっくパーティーRevolution』全4話をテレビ用に再編集した物に加え、TV用に新たに描き下ろした話を加えて全13話でテレビシリーズ化したもの。こみっくパーティー原作の本来の持ち味であるスラップスティックコメディ要素がふんだんに盛り込まれている他、プロと同人の狭間で悩むヒロインなど、シリアスで真面目なコンセプトの話もある。どのヒロインにも均等に見せ場はあるが、前TV版で出番が極少だった彩が、まともなヒロイン扱いという意味で心持ち優遇されている。
ちなみに、上記のOVA版再編部分よりも中盤以降の新作部分の方が他アニメの露骨なパロディを多く使ったカオスな作品になっていたりする。(GIRLSブラボー、テニスの王子様、機動戦士ガンダムSEED、グラップラー刃牙等)
2000年4月23日に東京ビックサイトにて、「ゲームの世界を再現しよう」というコンセプトで、Leaf主催の同人誌即売会、『こみっくパーティ』が開催された。当時、Leafの人気が今よりも比べ物にならない程高かった頃で、人気同人サークルが多数参加した事もあり、話題となったが、様々な問題を発生させ、色々な意味で伝説的なイベントとなっている。詳しくは当時の様子をレポートしたサイトがいくつか存在するので、そちらで確認していただきたい。
ゲーム版OP
アニメ版OP
掲示板
54 ななしのよっしん
2021/09/15(水) 19:19:22 ID: 3tXY7vvquJ
春こみ終了しばらくたっての後日談的なPC(18禁版)と、春こみ終了すぐ後展開オチなそれ以外の2種類に分かれてる
55 ななしのよっしん
2024/02/26(月) 00:05:58 ID: SQ9qOAaFfW
あさひは全年齢だとホテルの代わりにもう一波乱あるちゃんとしたシナリオになってるよ
56 ななしのよっしん
2024/09/01(日) 20:33:56 ID: eJsa9trELw
こみっくパンティーという愚にもつかない二次創作のタイトルがあった気がします。
急上昇ワード改
最終更新:2024/09/15(日) 21:00
最終更新:2024/09/15(日) 22:00
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