複数のPの楽曲の作詞を手掛けているが、夏空Pとのコラボレーションが多い。
幼少から音楽と文学(特に現代詩)に親しみ、音楽プロデュースや編曲のバックグラウンドも豊富であるため、多彩な楽曲にもリズムやイントネーション、曲調に合わせてしっくりと詞を対応させることができる。
作風は全作を通じ、リアルな大人の女性に特有のある種の切なさ、孤独感を抒情的に描写したものが多い。また、ボカロ曲特有の中二要素が排除されている点は珍しい。
殆どの作品に短編小説の原作がある点もこゆきの作品ならではの特徴。豊富なボキャブラリを独自の繊細な感性で駆使し、極めて抽象的なフレーズで詞に書き下ろしているため、それが読み手にアーティスティックな想像力を膨らませている。
読書家のファンが多く、楽曲ごとに存在する表設定と裏設定を読み解くのも作品の楽しみ方として認知されている。
尚、歌詞単独で読むと、メロディとは別の独立したリズムがあることに気付かされる。
現在は、夏空Pの活動休止と同時に作詞活動を一時休止している。引退ではないとのことなので、今後の復活が待たれるところである。
センセーショナル過ぎるタイトルが一部の聴き手の物議を醸したが、現代詩を嗜むファンにはおおむね好評である。ファン層は女子に多い。
自らの身を砕き心を破壊された人形となってまで「あなた」を愛した一途な少女の純愛物語。
動画が投稿された時は「般若心経祭り」の最中であったが、なぜか「世界の新着動画」に3回採用されたという奇妙な経歴を持つ作品である。
付き合っている間,一度も「愛してる」と言ってくれなかった。
彼にとっては,たまたま手もとに転がっていたビニールのお人形。
カラオケボックスで拾ったダッチワイフ。
闇と浮力の中で,私は静かに達した。
そしてそのまま息を吐ききり,緑の水中に沈む。
あなたのこと心から愛してる。永遠に。
黄色い満月が蛍光灯より明るくなった頃,
うっすらと緑に染まったダッチワイフがプールに浮かんだ。
「スタンプ」
スローで落ち着いたJAZZ曲。イントロのピアノはこゆき本人の演奏。
「My one and only love」というジャズスタンダードにトリビュートした作品である。
だがここでは「手を伸ばせば届くのに、求めても手に入らない目の前のあなた」と聞こえるのは筆者の主観である。
「スタンプ」は、余白の多い曲だ。語る言葉も少ない。だから、歌う人の人生観とか、場合によっては年代まで丸出しになってしまう。ボーカロイドの枠内で収めてしまうよりも、曲の醸すしっとりとした空気感はむしろ大人の女性ボーカリストに歌っていただいた方がリアリティが増すかも知れない。
こゆき本人が上述するとおりこの曲は、設定の明確な他の作品の中では珍しく、詞を受け取る聴き手それぞれに解釈を大きく委ね、歌われることにより曲の輪郭がオリジナルを離れ、育てられることを前提としている。
作曲はkermit氏。元は某雑誌のコンテストへの応募曲であるが、あらためて全く趣の異なる歌詞でリメイクされたのがこの作品。
無邪気な少女がちょっと勇気を出して、沢山の恋の苦い思い出をもつ年上の男へアタックするという素朴な物語。ところどころに散りばめられた80年代POPSを連想させる情景描写が、作品の優しく温かな空気感を彩っている。
NHKラジオ第1「エレうた!」2012年2月25日放送分で紹介された。また週刊VOCALOIDランキングのED曲にも採用され、何気に経歴の華やかな楽曲である。
和風なイメージの強いがくぽに、あえてアメコミのヒーローのイメージをオーバーラップさせたV系曲。と思いきや、強烈なアイロニーを感じるのは筆者だけか。
W.S.バロウズが頻繁に用いたCut Out技法を意識し、狂気の極彩色の世界に鈍い鉛色の弾丸を撃ち込むように言葉を叩きつける。ビートニクのアンダーグラウンドを想像させる、泥臭さすら漂う作品。
作曲者の「本気でGACKTに歌わせたいと思い、気合いれてつくった」との弁にもあるように、VOCALOIDの枠にはまらない、独特の調声が話題を集めた。
こゆきの後期作品にふんだんに取り入れられた、諧謔的かつ独特のバイアスを通した社会風刺が凝縮された痛快悲喜劇。数ある夏空Pとのコラボレーションの中でも特に独自性を貫いた、異彩を放つ代表作。
誰が作ったかすらわからないマニュアルや攻略本、ネット情報に操られて『ゲーム』をスマート(笑)に進めるのが楽しい?
ロクにポイントすら稼げない癖に、先に進んでいく人たちを陰でヒソヒソ叩くのが面白い?
それともそこのあなた、なーんにも知らない内に、この『ゲーム』に巻き込まれてる、なんてこと、ないw?
一度足を突っ込んだら、簡単には降りられないよw
バレンタインデーの告白で始まった、ピュアでベタで不器用な女の恋。そのはじまりと終わりの物語。
全作の中では珍しく風景描写・心理描写がリアルで、それが読み手を、心が押しつぶされるようなむせ返る高揚感、やがて切なさと孤独の夕闇へといざなう。
毎日好きだよって言った。毎日キスしてた。毎日ごはんを一緒に食べた。
大事に大事にしていた。大事に大事に。
先に年をとってしまうわたし。できるだけ長く一緒にいられるように。
できればずっと一緒にいられるように壊れないように。壊れないように。
好きすぎて、わたしはあなたを守りすぎてしまった。
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最終更新:2025/12/10(水) 07:00
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