これは「試練」だとは、試練と向き合った時の台詞である。
ジョジョの奇妙な冒険Parte5「黄金の風」に登場するディアボロ(ヴィネガー・ドッピオ)の台詞。
ブチャラティ達がローマで会う約束をしていた男とは、かつてディアボロの正体に近づいたジャン・ピエール・ポルナレフだった。数年前にディアボロが直接始末したのだが、再起不能にされながらもポルナレフは生き延び、キング・クリムゾンを打ち破る方法を見つけてこの場にやってきたのだ。
再び、「過去」という恐怖がディアボロに牙を剥く。意を決したディアボロはドッピオの姿をやめその真の姿を露にする。
これは 「試練」だ
人の成長は……………
上記の台詞を言いながら上着のセーターを脱ぎ去ったドッピオの素顔は、もはや少年の顔ではない。「弓と矢」を発掘した元凶であり、パッショーネを牛耳る悪魔の男、ディアボロがそのベールを脱ぎ去る。
これまでのディアボロは、自分自身の正体に近づかれる事を「絶頂」を脅かすこととして避け続けており、たとえ読者であろうとその素顔は影に隠れて見せないようにしていた。今回その素顔を見せたのも、状況的に言えばその素顔をすでに知られているポルナレフと、死人の体で魂のエネルギーしか見ることのできないブチャラティしか付近にいない事から、正体を隠すことを止めたとも言えなくもない。
だがそれ以上に、上着を脱ぎ去る瞬間の顔がドッピオでなくディアボロになっていたという非常にインパクトの高い演出と共に、逃げ続けていた「過去」を「試練」として向き合った台詞は、強大な敵として立ちはだかるディアボロの地位を揺るぎないものにした。もっとも、同じ回でその評価を下げかねない迷言も出てしまったが…。
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最終更新:2024/04/25(木) 17:00
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