さけるチーズとは、雪印メグミルクが販売する商品である。
より正確な商品名は「雪印北海道100 さけるチーズ」だが、本記事内では単に「さけるチーズ」とする。
もともとは1979年に地域限定のローカル商品として販売されていたものが原点。当時は山梨県の小淵沢に雪印の研究所と工場があり、「ナチュラルチーズを作る途中で引っ張るとさける物性になる」ということが知られていた。そこでおつまみの「さきいか」のようにチーズがさけたら面白いんじゃないか、という社員の遊び心がこのチーズの開発の発端となる。
消費者にもシコシコキュッキュと独特の弾力がある新食感、なによりチーズがさけるという物珍しさが大うけとなり、小淵沢工場から北海道の大樹工場に生産拠点を移転。量産化体制をとり、翌1980年に「ストリングチーズ」の名前で登場し全国的な商品に発展した。
おつまみはもちろん、小腹がすいた時のおやつにも、アレンジして食材にも使用できるこの商品は、単なるチーズというだけでなく、日本にチーズが普及する立役者となったと言っても過言ではないかもしれない。
さらにコロナ禍に入ってからは内食・宅飲みが増加し、一時的にバター醤油味・ローストガーリック味・ベーコン味を販売休止するなど製造が追いつかないほどの大人気商品となる。2021年に雪印は製造ラインの増設に70億円を投資し、2023年4月に新ラインの稼働を予定している。
パッケージは通常のものの他に、低確率でボンバーさけチーと呼ばれるものが交ざっている。これはパッケージ写真のさけるチーズが細くさかれていて、まるで爆発したようになっているもの。プレーンとスモーク味以外の各種に約6%(1本入りは約3%)の確率で入っている。
量産商品としての詳しい製法は当然トップシークレット。乳食品営業企画グループ課長も「この生産ラインは外部の方はもちろん、社員にも見せません。限定した職務・職責の社員しかこのラインに入ることはできません」[1]としており、雪印によるシェア100%の牙城が築かれている。
かつては大手他社や外国メーカーが類似品を出したことがあったものの、雪印のブランドにはかなわず結局定着していない。今でこそトップバリュや情熱価格などのプライベートブランド商品もあるが、それでも雪印のシェアは圧倒的である。
一方で原理そのものは簡単なため、町の小規模なチーズ工房では手作りで似たようなものを作っていることがある。雪印のウェブサイトにもさけるチーズがなぜさけるか、という理由が実験手順ととも公開されている。家庭でも再現できるので、是非試してみよう。
この「温めて、ひっぱって、冷やす」作業によって、チーズのたんぱく質がきれいに並び、繊維状にさくことができるようになると考えられている。
販売当初は手作りだったため、2.の段階で熱湯に手を突っ込んでチーズを取り出していたらしい。研究所職員の熱意には感服するが、危ないので良い子はマネしないでね(厚手のゴム手袋をすると良い)。
※実験に使ったチーズは塩水につけて、適当な長さに切ってスタッフがおいしくいただくことができます。
基本的にはそのまま食べるものだが、シンプルな商品なので食材としてアレンジすることも容易。雪印メグミルクのサイトにはたくさんのレシピが紹介されているが、これに限らずいくつかアレンジを紹介する。
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最終更新:2024/04/19(金) 22:00
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