すばらしい新世界とは、オルダス・ハクスリーによる1932年のSF小説である。
原題は「Brave New World」。これは、シェイクスピアの戯曲『テンペスト』に登場する娘・ミランダのセリフからの引用である。その他にも作中にはシェイクスピアの引用が数多く見られ、特にジョンと世界統制官との問答のシーンで夥しい。
作中ではシェイクスピアは「旧世界」の知識の象徴として扱われているといえよう。
逆に、新世界の象徴となっているのはフォードである。暦はT型フォードが発売された年を紀元とし、人々はフォードを信仰して十字ではなくT字を切る。
バーナード・マルクス(→バーナード・ショーとマルクス)、レーニナ・クラウン(→レーニン)など、登場人物の名前は社会主義者から取ったものが多い。
戦争が終わり、安定至上主義の世界が成立した。人々は受精卵の段階から選別され、アルファ~イプシロンの階級に分類される。アルファとベータは知識人階級。ガンマ~イプシロンはボカノフスキー法と呼ばれる受精卵を複製する技術を用いて製造されるため同じ容姿の人々が大量に存在する。人々は、自分の階級や環境に満足するよう「睡眠教育(ヒプノペディア)」で刷り込まれており、ストレスは「ソーマ」という薬で解消するなど、不満を持たないよう徹底的にコントロールされている。
家族の存在は否定され(「父親」や「母親」という語は猥語扱いされる)、避妊を前提としたフリーセックスが奨励されている。
アルファ・プラスのバーナード・マルクスは、手違いでガンマ階級の姿で生まれてしまう。唯一の友人であるヘルムホルツ・ワトソンは有能な技術者だが、あまりに有能なため人知れず孤独感を抱えていた。
バーナードはある日、ベータのレーニナ・クラウンとインディアン居住地に向かう。そこで出会ったジョンという少年は新世界出身の母親から新世界の話を聞き、そこに憧れを抱いていた。バーナードはジョンとその母親を新世界に連れ帰る。
念願の新世界にたどり着いたジョンは、思い描いていた理想と現実との食い違いに困惑する。
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最終更新:2025/03/22(土) 23:00
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