左が今見たビデオのもの
そして右がテレビで放映されたもの
よくご覧なさい
左が最新型のステルス翼……
そしてこれも……ごく最近開発されたベクターノズル
そしてここからが本題ですが、
劇場アニメ『機動警察パトレイバー2 the Movie(劇パト2)』における、荒川茂樹のセリフ。
航空自衛隊のF-16J支援戦闘機が関与している疑惑が浮上した横浜ベイブリッジ空爆事件。秘密裏にその真相を調査している防衛庁・陸上幕僚監部調査部第2課別室の荒川は、警視庁警備部・特車2課を訪れ、非公式に捜査への協力を要請した。
荒川は、某ルートから入手した、爆撃を行った「自衛隊機」が撮影された2本のビデオテープを再生する。1本目は都内映像スタジオが制作したベイブリッジの映像テープ。2本目はそのテープの素材映像に偶然映り込んでいた戦闘機をデジタル処理し、地上波のニュース番組で報道された映像との比較検証を行っている作業録画である。
検証の結果、素材映像に移っていた機体は、航空自衛隊の保有機ではないことが分かった。すなわち一連のニュース報道は誤情報、あるいは自衛隊に濡れ衣を着せるための偽リークだったのである。荒川はこの情報をもって、特車二課に真相究明への協力を要請するのだが──
──と、書き出してみると至極真面目なシリアスシーンなのだが、実際のアニメでは何ともしまらないビデオ確認シーンの後、急に真面目さを思い出したように真剣な口調で喋る登場人物たちの落差で、何とも言えないシリアスな笑いがかき立てられている。
名作として名高い劇パト2の中でも名シーン・名台詞の一つに数えられるシーンであり、ネット上でも大喜利的な構文として使用されることが多い。
当初は自動車爆弾と思われたベイブリッジ爆破。ところが、一部のニュース報道で、爆発後に飛び去るF-16戦闘機らしき機影の映像が放映されたことから、事態は混迷を深めていく。
夜間、埋め立て地の特車二課本部をアポなしで訪ねてきた荒川茂樹は、第二小隊隊長の後藤喜一と、課長代理の南雲しのぶに面会を求めてきた。シンプル極まりない荒川の名刺を貰う後藤。
後藤:陸幕調査部別室、の荒川さんねぇ
……住所も電話番号もないんですねぇ荒川:まあ色々不都合がありまして
後:で? ご用件は?
荒:本題に入る前にちょっと見て頂きたいものがありましてね
これなんですが
……お願いできますか?
荒川は背後のビデオデッキを振り向く。一応立場が上の南雲にデッキの操作を目でお願いする後藤と、嫌そうに小さくため息を吐く南雲。
テープが挿入され、カラーバーの後に映像が始まる。
……どう見ても歌謡曲のカラオケビデオである。
音楽が流れる中、しばし無言で見つめる3人(何故か画面の50センチほど手前に詰め掛けている)。
南雲:……このテープでいいんですか?
荒:いいんですこれで
後:この曲俺歌えるわ……
荒:まあこの辺はどうでもいいんですが……歌いますか?
後:マイク無いんだよね
荒:じゃ飛ばします荒:この辺です
後:《惚れて惚れて 泣いて泣いて》?
荒:いえ、その後です。《あゝ 雨に濡れながら》 ここです(一時停止)
ただでさえ近いのにググっと画面に近寄る後藤と、首をかしげる南雲。
後:どこ?
荒:ほら、右上の。この雲の切れ目のとこ
後:ん? うぅん?? うぅ~ん???(さらに画面に寄る)
南:(後藤と荒川が邪魔でさらに首をひねる)どこ? 私には見えないけど
荒:(後藤の頭の真横に頭を持って行く)ここですよここ! この黒い鳥見たいな影!
3人の顔のドアップからようやく構図が変わり、映像の一部を示す荒川の指が映る。最初から指させ。
本当に小さな、黒い塵みたいな影が飛んでいる。
荒川は後藤に向き直る。
荒:(急に真面目に戻って)後藤さんはもうお分かりのハズだ
後:(同じく真面目に戻って)このすぐ後に、ベイブリッジが吹っ飛んだんだ
荒:これを踏まえた上で、もう一本のテープを見ていただきたい
二本目のテープは、カラオケビデオの画像解析工程を録画したものであった(荒:改竄の余地のないよう作業の過程を全て収録してあります)。鮮明化されたF-16を見た後藤と南雲は、ニュース放映されたF-16Jとは、細部の形が違っていることに気付く。
鮮明化されたF-16は左右反転し、映像が縮小。ニュース放映されたF-16Jの比較画像がズームインする。明らかに形が違う。
左が今見たビデオのもの(F-16)
そして右がテレビで放映されたもの(F-16J)
よくご覧なさい
左が最新型のステルス翼……
そしてこれも……ごく最近開発されたベクターノズル
ビデオを一時停止する荒川。一連の空爆は、つまり「何者かが自衛隊機のしわざに見えるように工作した」ということになる。ということは荒川はその工作者──正体不明の戦闘機を動かし、日本の世論をある程度操作できる立場にある人物を追っているのだろう……。
話が一気にきな臭くなってきたことで、後藤は疑問を投げかける。
荒川はデッキからテープを抜き、テレビを消しながら続ける。南雲にやらせたのは一体……。
荒:……それに最悪の事態に備えて、
現場レベルでのパイプを警察との間に確保しておきたい
もちろんその為には我々の入手した情報は全て提供します
南:最悪の事態とは、どういうことかしら?
荒川はヌッと立ち上がる。
どうです。ドライブでもしませんか。近場をぐるっと……
「F-16 “ファイティング・ファルコン”」は米国のジェネラル・ダイナミクス社製ベストセラー戦闘機だが、現実の日本国自衛隊では採用されていない。よって劇中で幻の空爆を行ったとされる「F-16J」もまた、実在しない。
映画の制作当時は、自衛隊のF-1支援戦闘機の後継機として「次期支援戦闘機(FS-X)」の採用が検討され、F-16をベースにした新型機(後のF-2)を日米共同開発することが決定していた。ここから制作陣は「F-15戦闘機の日本ライセンス生産型が「F-15J」だから、FS-Xも「F-16J」になるんじゃないか」ということでネーミングを決定したのだろう。
軽いネタバレになるが、実際にベイブリッジを爆撃した機体=カラオケビデオに映りこんでいた機体は、作中世界のアメリカ空軍で配備されている「F-16改 “ナイト・ファルコン”」という設定。こちらも現実には存在しない架空機である(似たような仕様の実験機は作られていたかもしれないが)。
掲示板
14 ななしのよっしん
2026/05/09(土) 11:27:26 ID: k6Zj33KwS9
そしてここからが本題ですが、落ち着いて聞いてください
15 ななしのよっしん
2026/05/09(土) 17:11:24 ID: d1StewscNo
右斜め前にいる乳児も同じやつを見ていて常にネタバレされているので先の状況が全て分かります
そしてここからが本題ですが、自衛隊はこのタイプのF-16を装備していない
16 ななしのよっしん
2026/07/21(火) 19:20:43 ID: Mo4gyQfOly
民間軍事会社アグレッサー部隊のホーカー・ハンターが飛んでいるのを見かけたXポストに、この台詞を使ったリプ付けたひとがいたので急上昇ワードに載ったのか
急上昇ワード改
最終更新:2026/08/17(月) 17:00
最終更新:2026/08/17(月) 17:00
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