つるはしとは (ツルハシとは) [単語記事]

つるはし(鶴嘴; pic kaxe, matt ock)とは、土木作業工具の一種である。

概要

⛏という図号で描かれる通り一般的にはなだらかな錨型をしている工具で、先端の形状によっていくつかの種類に分かれている。また、かつては菱形で黄色を背景に⛏マークが描かれた看板が「工事中」を表す標識(警戒標識B17)として道路上に設置されていた。
先端部分の重量は1.5-2.5kgの物が中心で、柄の長さは1m前後のものがスタンダードとなっている。ホームセンターなどで市販しており、頭部と柄がセットで売られている他、柄無しの頭部のみや交換用の柄のみでの販売も行われている。

名前の「つるはし」とは、漢字表記を見ればわかる通り、その形を鶴の嘴（はし。くちばし）に例えたものである。つるはしは中国語では十字鎬、鶴觜鋤、鶴嘴鎬、翻啄などの呼び名を持っている。

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用途と種類

主に地面を掘削するのに使われている。寒冷地では氷塊を砕くのに便利なため冬季でもよく用いられる。

つるはしと呼ばれるものには次のような種類がある。

両つるはし…左右相称型で、両端が突端型になっているもの。一般的につるはしと言えばこの形を指す事が多い。
片つるはし…片刃になっているもの。もう片側がハンマー状になっているため玄能つるはしとも呼ばれる。
バチつるはし…ブレードの一方が突端に、もう一方が平刃になっているもの。鉄道つるはしとも。

英語圏でつるはしまたはそれに類する道具を表す言葉は多様で、ピックアクスpic kaxe, マトックmatt ockの他、砕氷用のice axeなどがある。先端も形状によって呼び名が異なり、先の尖ったものはピックpick、斧型のものはアクス axe、釿^ちょうな型のものはアッズadzeと呼ばれる。
マトックには片側がアクス、反対側がアッズのタイプ[cutter matt ock]と片側がピック、反対側がアッズのタイプ[pick matt ock]がある。

ドイツ語ではつるはしのことをPickel（ピッケル）と呼ぶ。だが日本語で「ピッケル」と言うと一般的なつるはしではなく、冬季の登山などで使う登山用具（上記英語での「ice axe」）を指すことが多い。これはドイツ語でこの登山用具を指すEispickel（アイスピッケル。すなわち「氷用つるはし」）が略されて「ピッケル」だけが残ってしまった、という経緯がある。

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ゲームにおけるつるはし

◆つるはしはゲームにおいてもしばしば登場する。その役目は掘削である事が多いが、現代では主に岩地やアスファルトなど地面に対して使われるのに対し、ゲームでは壁面にあるオブジェクトに対して使用する場面が多い。また武器としても使用できるアイテムとして登場する作品も少数ながら存在する(『不思議のダンジョン』シリーズなど)

つるはしが登場するゲーム

特に下記4作品ではシステム上重要な位置を占めている。

テラリア…20種類余りのつるはしが登場する。
ドルアーガの塔…3種類のマトック（つるはし）が登場する。
マインクラフト…素材別に5種類のつるはしがある。
Deep Rock Galactic…6箇所のパーツ＋カラーリングの変更が可能。

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漫画・アニメにおけるつるはし

アニメ作品では洞窟など閉暗所に閉じ込められた一行がそこから脱出を図ろうともがく姿を表す演出として、つるはしで壁を掘るという戯画的表現を用いたシーンが折々見受けられる。

ゲームと同様、掘削などが主な目的で、アルバイトや強制労働を課せられた者がヘルメットをつけた状態でつるはしを持ってるシーンがある。また一部のホビーアニメでは、つるはしを持ったモンスター(例：遊戯王/マイン・モール)などが登場することがある。

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その他

スペインの抽象画家ピカソP ic assoの苗字はジェノヴァ方言でつるはしを意味するpicùnに由来するという説がある。
日本のシベリア出兵に対抗して建国された緩衝国家である極東共和国の国章には錨とつるはしが交差する形で描かれている。(錨は漁労者、つるはしは鉱山労働者の象徴)
⛏の記号はUnicodeでコード「U+26CF」、名称「pick」として登録されている。また金槌とつるはしを交差させた形を絵文字にしたもの⚒️はコード「U+2692」、名称「hammer and pick」として登録されている。