この項目は記事の特性上『蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT』のネタバレが 多数ある点をご了承願う。これより下は自己責任で突っ走っていただきたい。 |
どうせみんないなくなるとは、絶望的な殴り書きである。
それは『蒼穹のファフナー(以下、本編)』の前日譚として本編終了後に制作された『蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT(以下RoL)』での出来事である。
多くの視聴者が知る通り、本編では子供も大人もそれまでの注目度合いすらも問わず次々とキャラクターが死亡し、同化され、倒れていく(いなくなる)。
当然、前日譚にあたるRoLでは本編以上に技術や経験、データなどが不足しており、その致死率は本編の比ではなかった(運用及び実戦データがない、ハード・ソフト共にシステム周りも不完全、性能も心許無い)。
作中ではそんな絶望的状況下の中、パイロットやAlvis職員達が歓談用のスペースの柱に皆を励まし合う落書きを始めた。これが総ての始まりである。
当初こそ「勝利」「ここにいる」「次も頑張ろう」「良くやった」「生きて帰る」などとても前向きな書き込みであったが、作戦時間が長引く中で一人、また一人とパイロット達に同化現象が発露し、砕けては飛び散っていく。
パイロット達の精神も憔悴し始め、次第に件の書き込みの中にも暗い物(「帰りたい」「早く両親に会いたい」など)が増えていく。
それでも主人公である僚や祐未はギリギリまで精神を保っていたのだが、一件の書き込みが全てを台無しにする。
い
な
く
な
み
ん
な
るど
う
せ
壁面全体を覆う「勝利」「まだぁ~?」「生き残る」「お願い 早く」「早く! 早く早く」「お父さん お母さん」「帰りたい」「俺は ここに いる」という書き込みの上から、全てを否定するようにこのような殴り書きが行われたのである。
書いたのはパイロットの村上剛。直後に僚に『馬鹿野郎!なんであんな事書いた! 言え!なんでだ!』と激昂されるも、剛自身も書いたことを非常に後悔しており、詰め寄られて涙を流す(既にこの段階でパイロットは半分の四名にまで減っていた)。
閉鎖環境ゆえの恐怖が次第に狂気に変わっていくのである。そして次の出撃で村上剛は……
ちなみに、本作戦が具体的にどれだけ絶望的だったかと言うと……
なお、あまりの苛烈さと生存率の低さにスケープゴートであったなどと言い表される事もあるが、発案者の生駒博士も作戦を承認した皆城公蔵もあくまで皆の生還を信じてプランを立てていた(最後の脱出用潜水艇の収容人数が参加者と同じ40人だった等)。
どれだけ絶望的であっても当初から特攻などを目的とした作戦ではなかった事も記載しておく。
ネット上ではこのフレーズ(もしくはこれをもじったもの)が出ると、「馬鹿野郎!なんで○○した!言え!なんでだ!」と返すのが様式美となっている。
(例:動画にこのタグが貼られる→「←なんでこんなタグつけた!言え!」というタグが貼られる→「←やめて!もう、やめてよ…」)。
一部、悪ノリなどもあるかもしれないが、彼らだってなにもふざけてやっているだけとは限らないのだ。
最後に……
馬鹿野郎! なんでこんな記事書いた! 言え!
昨今、このタグが多くの作品や動画で叫ばれる事が多くなったが、前述したようにL計画は最初から全員の生存を願って立案され実行されたものである。
絶望の中から生まれた言葉だが、決して無意味に命を散らすためでなく、必死で島を守るため、生き残るため、平和を繋ぐために戦い、いなくなった者たちの声なき叫びから生まれた言葉だ。どうか時にはその生と死の循環の意味を理解して欲しいと筆者は願う。
――以上が、彼らの戦いだ。
この記事を見てくれる奴がいる事を、祈っている。
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最終更新:2024/04/25(木) 02:00
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