なろう系単語

ナロウケイ

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なろう系とは、小説家になろう(以下:なろう)を筆頭とする小説投稿サイトで起きている流行とそこから生まれた作品群を分類する言葉である。

概要

 なろうでは多くの小説投稿されているが、ニコニコ動やpixivなど他の投稿サイト、あるいは商業の場でも同様に、好きな作品の模倣・ヒット作の後追いの連続などから、似通った設定・展開の作品が流行りを形成しやすい(いわゆるテンプレ)。

 それらをとしたテンプレ要素を含む作品をしてなろう系と呼ぶことがあるが、荒れる原因となってしまうため作品の誹謗中傷として使うことは控えよう。

テンプレの例としては

 等が挙げられることが多く、総じて「イージーモードストレスフリーな作品が多い」と言われる。

 ただし、書籍化やアニメ化によってサイト外部に進出するまでのタイムラグの関係もあり、実際の流行りとはズレている場合もある。代表的なものとして、なろうの現在トップジャンル異世界転生ではない

 他のWebサイトと同様に流行は常に流動するため、サイトユーザーとそうでない者がなろう系をる際にギャップが生じやすい一例である。

 また、コミックウォーカーなど一部のサイトでは、メディアミックス原作がなろう投稿作品である場合にこう呼ぶケースも存在する。

 いずれにせよ、字面に具体的な内容が含まれず、使用者によってす対がブレやすい部類の言葉である。作品やその傾向を話題に挙げる場合、サイト内のジャンル(カテゴリ)やキーワード(タグ)を用いた方が難なのは間違いない。

ナーロッパと、共有される世界観・設定

 なろうにおいてはゲームのようなシステムが採用されている中世ヨーロッパ異世界」などの設定が、「いつものアレ」という程度のゆるい形で共有されている事がしばしばある。(同一の世界観ではない為、シェアワールドではない)

 これについて「ファンタジーゲームと深く関わってきたジャンルであり、なろうで始まった事ではない」という摘もあり、詳しい設定などの詳細はナーロッパを参照していただきたい。

 多数の設定と神話生物を擁するクトゥルフしかり、史実をベースにした江戸時代舞台とする時代劇しかり、こういった定が存在する事は、創作として非常に魅がある。なぜなら読者に行わなければならない説明を減らした上で、話の面い所をスムーズに見せられるのだ。

 一例として、人気作の模倣と拡散によって生まれた設定やストーリーなどの『素材』を使って多くの作者が参入して生まれたジャンルBB先輩劇場幻想入りシリーズなどの東方project二次創作群など・biimシステムなど)はここ、ニコニコ動画にも多く存在している。見慣れた定コメントや、多数の作者が使うお決まりの演出を日常的に見かけるだろう。

 なろうにおいても共有されたシチュエーションや設定などを活用して自分なりの作品を書くというのは同じように流行し、多くのものが素材になっていった。

 つまり、テンプレ要素という素材を使った作品だと多くのユーザーが知っている状態になり、素材の使い方で工夫を見せる形で、なろう系というジャンルが固まっていったのである。

 読者側が基本的なノリ把握している体で話が進む作品が既存の商業小説よりも多いとも言え、なろうの作品に触れた事のないユーザー話題性などで初めて近づいた際に、しばしば戸惑いや誤解を与えてしまう要因となっている。

 もちろん、各作品の質には大きな差があり、素材をどの程度、どうやって使うかにも作者毎の差がある。

 基礎部分の理解がなくともサイトの内外を問わず多くのファンを獲得できる作品がある一方で、基礎知識がなければ楽しみにくい作品や、人気作品であっても内容が内輪向けに特化していてなろう系支持者層以外からの評価は得られにくい作品があるのも事実である。

 特にインターネット上では作者読者が双方向で繋がるSNS的な側面がある為に内輪ネタ化しやすく、コンテンツの消費速度い為にジャンルお約束がどんどんと内輪ネタで固まっていき、外部のユーザーには理解の難しい物となっていく事が多々ある。流れてきたネットの奇異なネタを「それはそういうもの」として飲み込めない経験をした方もいるだろう。

 ここまで書いた通り、なろうもまた、ネットにおける人が沢山集まる投稿サイトの一つである。

いつから流行りだしたのか

結論から言えば、インターネット明期からその芽はあった。

 小説家になろうの知名度上昇と規模拡大によって勘違いされがちな事ではあるが、こういった流行はインターネット上で見ればさほどしくなく、娯楽作品としても様々な媒体でヒットしてきたパターンを踏襲している。

 Web小説におけるなろう系と言われる物に近いジャンルスパシンスーパー碇シンジエヴァで使途相手に無双してネルフ論破)やU-1Kanon主人公魔改造した最強キャラにして他原作クロスオーバーなどを筆頭として二次創作世界現在に至るまで存在している。

 これらは90年代後半~2000年代前半で既に「最強キャラ主人公にして原作変する」というジャンルとして確立され、賛否を生んでいた。

 当時は個人サイトや、今とべれば小さな投稿サイトでの活動だったが、
 「トラックに轢かれるなどして常的存在(あるいは)の過去に逆行・転生・転移する」
未来知識・作中で一番強い時の状態・あるいは最初から持っていた事する(空手の達人だった、前世が異世界賢者だった等)などして、原作で苦戦した相手をあっさりと倒す」
 「明らかパワー差がある作品の主人公を転移させるクロスオーバー(例:北斗の拳世界ドラゴンボール孫悟空が転移する、弱体化なし)」
 「一般人主人公チート的なを手に入れて無双
 などの、今に通ずる創作が行われていたのである。

(なお、これらの二次作品の中で質が低いものは『最低系』と呼ばれていた。詳しくはSS用語一覧で確認していただきたい)

 これらはメアリー・スーと呼ばれる事も多いが、面みが分かりやすく、確かに息の長い人気があり、インターネット明期から今に至るまで途切れる事く生まれ続け、読者しまれている。小説の他にも動画ゲームなど、物語性の強い二次創作が行われる場所であれば発生しうる。

 一つの要因として、アマチュア創作である都合上、いくら人気が出ようと長く作り続けられる人はごく少数なので、話の続きを待つ事そのものにリスクが発生するという点が挙げられる。

 主人公が挫折から大きな成長を遂げる…直前で作者が失踪し、一番楽しい所を前にして作品が止まってしまう。動画でも小説でも、シリーズものを最後まで続けられるクリエイターが少ない以上、これは十分に起きうるのだ。

余談

 「なろう系」と呼ばれる作品が批判されるときに、しばしば「連載が冗長過ぎるし、作者読者コメント読みながら話を書き進めているため、矛盾点が多くグダグダ」といったことが言われる。

 しかし、連載が冗長であることは曲亭馬琴の『南総里見八伝』といった、歴史的に重要な小説についても言えることである。また、読者の感想を見ながら連載を進めていくという形式は、昔からある新聞小説などの連載小説の形態と何ら変わりない。そして、現在では文学的に重要な作品と位置付けられている尾崎紅葉の『叉』や徳富の『不如帰』ですら、全体を通して読むと矛盾点や登場人物の一貫性のさが読み取れる(特に『叉』は人気が出たために続編が書き続けられてしまい、問題点が多くなっている)。

 これらのことからもわかる通り、冗長であったり矛盾点があるからといってその作品の価値がくなるというわけではないので、注意が必要である。

 また、「お決まりの展開ばかりでオリジナリティが薄い」という意味合いで、同じくお約束の展開が存在する勧善懲悪モノのテレビ時代劇(特に徴的存在である『水戸黄門』)が引き合いに出される事があるが、それらがかつて誇った盛と長寿番組となった作品の数々を見るに「よく見るお約束の展開+α創意工夫」には需要も魅も存在している。

 何もオリジナリティに拘る事だけが作品の面さの全てではないのだ。全く同じ素材を使っても、やはり違いは出るものである。

 結局、なろう系もまた、過去のあらゆる流行ジャンルがそうであるように書き手の技量次第で駄作にも作にも良作にもなりえる存在であり、スタージョンの法則が示すように駄作が多いからといって良作の価値が貶められるわけではない。

 むしろ、良作とは数多くの討ち死にした作駄作の山から生まれ出でるもの。「〇〇という設定を使ってるからダメ」といった決めつけは避けた方が難だろう。

なろう系の歴史

1990年代~2007年

 小説家になろう2004年に設立。
 この時はまだ単なるサークル運営の1サイトであり、名探偵コナン二次創作小説投稿サイトとしてユーザーを獲得していた。

 一次創作は個人サイトでの発表と専用の検索サイトを通した交流がどであり、テンプレと呼ばれる物の認識はなく、散発的に異世界ものが生まれている状態だった。
 80年代90年代に発生したTRPGリプレイドラゴンクエスト、そこから生まれたアニメライトノベルでの異世界ブームの影がまだまだ残っており、「異世界迷い込み」「異世界召喚」などの、現実から異世界へ行く作品が多く記録されており、小説検索サービスなどを通して一定の読者層を生んでいた。

 これらの中から、なろう系の始祖とも呼べる作品が生まれてはいるが、既存の商業作品にべると影が小さく、サイト自体が個別に存在して分断されている為、大きな流れとはならなかった。

 2007年には小説投稿サイトArcadiaにおいてVRゲームから異世界転移する作品が生まれており、後のジャンル形成の芽が見られる。

 二次創作においてはいわゆるスパシンU-1などのジャンルによって、なろう系に近い作品がどんどん生み出されており一次創作にはないファン同士の交流もあって個人サイト投稿サイトで広まっていた。

2008年~2009年

 小説家になろうの中で「異世界転移最強もの」という存在が多く現れた。

 この頃には小説家になろうサイトリニューアルが行われ、それまでは「投稿作品数と作者数がほぼ同値=ほとんどのユーザー作者」だったのに対して、作品を書かない読み専の読者が増えていった。
 同じ頃、二次創作小説投稿サイトの最大手だったArcadiaにおいても「異世界戦国時代に行って現代知識を武器に戦う」という一次創作が現れ、頭を現すようになる。

 また、世の潮流としてPixivニコニコ動画盛など、イラスト動画などのジャンルでも個人サイトから投稿サイトユーザーが移っていった時期でもあり、小説検索サービスと個人サイトの衰退という背景もあった為、以前から個人サイト間で行われていた異世界物の創作が、一つのサイトに集約された形となる。


 2009年頃には異世界テンプレという存在が認識されており「世界を救う存在として異世界へと召喚される」などの、後に生まれる「召喚されたけど戦わずにスローライフする」等のアレンジが生まれる元となった作品の流行が見られる。(召喚要素自体は聖戦士ダンバインから続く鉄板パターンであり、小説家になろうで独自発展した訳ではない。また、なろう系異世界に強い影を与えたゼロの使い魔2007年前後に一大ブームを巻き起こしていた為、影を受けていた可性がある)

 サイトリニューアル、世間の変化なども含め、実質的に「テンプレ」としてのなろう系元年と言える。

 また、この時点で二次創作小説では後のなろう系と呼ばれる要素の「何かの理由で死んだオリキャラ主人公(基本はオタク)が神様に転生させて貰い、原作という疑似未来知識と転生特典のチート武器無双してハーレム」という流れは定着しており、ゼロの使い魔魔法少女リリカルなのは魔法先生ネギま!などの二次創作で広まっていた。
 小説家になろうにおいては二次創作部門であるにじファンが存在しており、Arcadiaではオリジナル作品の区分があった。同一サイトで展開されていた以上、二次創作で行われていた事が一次創作にも影を与えていた・あるいはその逆もあった物と思われる。

2010年~2011年

 魔法科高校の劣等生ログ・ホライズンの書籍化の話題性もあり、小説家になろうにおいて多くの作者が現れ、既に定着していた異世界テンプレを多くの作者作者へ転向した元読み読者が使い、より一層多くの作品が生まれる様になる。

 既存の異世界物に影を受けた作者が増えていった事により、主人公異世界に行くというのはサイト内では当たり前のとなっていった。

 また、ゲームプレイヤーキャラクターとなって異世界へ転移する作品が定着した。後にこのゲームキャラクター転移の流れが下火になった際、ゲーム的要素が世界観に残り、ステータス画面の展開やレベル制、固有スキルなどの「ゲーム異世界」を構築していった。

 界においてはArcadiaが衰退し始め、にじファン二次創作小説サイトとして最大手となる。(2ちゃんねるを媒体とする二次小説や、女性向け作品はまた別所)
 これにより、一次創作二次創作小説家になろうがプラットフォームとなった為、Web小説小説家になろうの図式が完成する。

 ただし、この時はまだArcadiaにおいてオーバーロードを筆頭としたオリジナル作品も多く投稿されており、小説家になろう全に支配的な勢だった訳ではない。

2012年~2015年

 大手出版社がこぞって後になろう系と呼ばれる作品群の書籍化に乗り出した時期。大手出版社が動き出した事もあって年々書籍化作品が増加し、多くのユーザーを取り込む様になった。
 「異世界最強主人公」の作品は2012年には全にテンプレとなり、そこから生する形で機物転生や料理物、ダンジョン経営、魔王主人公物、スローライフなどの作品が生まれるようになった。
 個人サイト発であるソードアート・オンラインアニメ化によるVRMMO物の流行が起きていた。デスゲームはもちろん、ゲーム世界への転移にも用いられる人気要素となった。

 更に、異世界転生ゲーム世界への転移を土台とした悪役令嬢物は女性向け異世界作品の新たな人気ジャンルとなり、やがて男性向け作品を巻き込んでなろう内で定着していった。

 この時期になると後にアニメ化されている作品が次々投稿されており、後のなろう系のイメージを作っていく事になる。

 サイト内では以前から「テンプレ」や「異世界物」などと呼ばれていたが、メディアミックスから入った層や、それらの読者を狙った出版社によるゾーニング、このなろうでのファンタジー作品をる際に用いる・時に否定的なニュアンスを含む単として「なろう系」という呼称が生まれた。単としてのなろう系元年である。

 また、小説家になろう運営するヒナプロジェクトはにじファン2012年をもって閉鎖する事を決定し、小説家になろうで広く行われていたなろう系に近い二次創作が消滅する事となった。二次創作舞台はこの時にハーメルンを筆頭とした別の投稿サイトへ移動している。
 これにより、にじファン側で行われていた創作が少なからず一次創作である小説家になろうへ流入したと思われる。

2016年~2018年

 メディアミックスが加速しており、小説家になろう発の作品が毎年アニメ化している状態になっている。これにより、なろう内での流行要素はWeb小説からは離れたユーザーにもよく知られるようになっていった。こういったWeb小説とはそれまで縁のなかった層も取り込み、サイトには新規利用者が増え続けている。

 また、小説家になろうでは2016年ジャンル再編が行われており、ランキング内で「異世界転移・転生」とそれ以外のジャンルが分離され、実質上の隔離措置が行われている。
 これによって異世界の現地人が主人公となる異世界作品が大きく躍進する事となり、「なろう系と言えば異世界転生・転移」などの印とは異なり、ランキング内では異世界転移・転生物弱体化が見られる。

 更に、近年では現代社会ハクスラ的なダンジョンを取り入れた「現代ダンジョン」にも流行が広がっている。

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  • 31067ななしのよっしん

    2021/09/19(日) 22:00:06 ID: 7ln5lVzpgA

    >>31064
    そもそも無惨自体がゲス系なろう系っぽいぜ
    まああの作品の自体偶然の貰い物ので強くなってるわけなんだが

  • 31068ななしのよっしん

    2021/09/19(日) 22:09:47 ID: 1Ympyy+//H

    元々ツンデレ自体は心を許す人は少なく高嶺のなのがひょんなことから
    主人公に心を開いてたまに可愛い所を見せてくる、というはずだったのが
    テンプレ像として構築するうちにいつの間にか主人公に厳しく当たるけど
    ほれた後は一気にでれでれになる、というキャラクター像が体になったからなぁ。
    結果投稿小説じゃ流れが一気に読めないために御高くとまった部分だけが多く読まれて
    一時期ほどキャラクターとしての人気が伸び悩んでるからねぇ…

  • 31069ななしのよっしん

    2021/09/20(月) 00:44:46 ID: gSOV2qE3kF

    ギャルゲ全盛期を過ぎたので
    スペックの劣る主人公で高嶺の攻略してやるというモチベが薄くなってるのもある

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最終更新:2021/09/20(月) 06:00

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