なんどめだ
なんどめだナウシカとは、『風の谷のナウシカ』のTV放送のたびに思い浮かぶ言葉である。
もとはといえば、2002年のテレビ朝日系列ドラマ『TRICK2』episode1の冒頭(本編7分40秒頃)に登場した書道作品が「なんどめだナウシカ」である。主人公・山田奈緒子の母・山田里見(野際陽子)が自宅で経営する書道教室で子供たちが書いていた作品のひとつで、里見自身も隣で手本を示しつつ「力強くね……ちょっと怒った感じで!」と指導している。
実はこの回の放送当日たる2002年1月11日夜、まさに日本テレビ系列「金曜ロードショー」(21時00分~)で映画『風の谷のナウシカ』が放送されていた。金曜23時15分~のテレビ朝日系列ナイトドラマ枠たる『TRICK2』からすれば、放送枠上ではたいてい23時24分頃に終了する「金曜ロードショー」での『ナウシカ』とは冒頭が被っているわけで、ぴったりそこに合わせた「裏番組ネタ」であった。
以来『風の谷のナウシカ』がTV放送されるたびに(なんなら各種定番ジブリ作品の放送も含めて)この「なんどめだナウシカ」という直截なツッコミが想起されるようになり、放送から20年以上(当記事作成当時)を経てなおX(旧Twitter)などでしばしば登場するミームとなっている。
念の為、ここで「なんどめだ」の問いにも答えておくと、この時の放送は10どめだった。
実際の所そもそもが小ネタまみれ、中でもトンチキ看板やユニークな地図などといった文字ネタはやたらと多いのが「TRICK」シリーズの伝統にして特徴である。
特に山田里見の書道教室の作品といえば全作を通した鉄板ネタでもあり、毎度、子供たちが書いたオモシロ書作品が次々と紹介される。なにせ同じ回だけでも「セブンスター」「こう丸」「映画化希望」「井川遥」と自由きわまる語句選びの作品が並び、劇場映画の冒頭で「ポップコーン食うな」(『TRICK劇場版』)に至ってはなかなかの攻めぶりである(ポップコーンの利益は大事らしいですよ)。
そして「TRICK」シリーズでは別作品ネタも珍しいことではない。書道ネタでは「紀伊半多」(野際陽子といえば『キイハンター』)、作中番組で「哲!この部屋」(司会は渡辺哲)、それどころか話の舞台まで「六つ墓村」(横溝正史『八つ墓村』より2基少ない)、そして「大成仏マイ・フレンド」(『だいじょうぶマイ・フレンド』じゃなくて)、エトセトラエトセトラ。チャダも映るし暗黒舞踏も出る。
要するに「TRICK」シリーズではこの手の小ネタはいくらでも存在しているのだが、「なんどめだナウシカ」も本来は裏番組イジり程度の小ネタだったろうものが、当時でも放送10回目、記事作成時までに放送20回にも達し完全に「よく金ローで放送される作品」という国民的イメージのある『ナウシカ』TV放送へのシンプルなツッコミということもあって、特に汎用性の高いネタになったといえよう。
ちなみに「TRICK」は「TRICK」のほうで、これ以後も「ナウシ課」(糸節村役場の部署。『TRICK劇場版』)、「名宇鹿」(「慈風李館」の離れのひとつ。『警部補 矢部謙三』)、「名牛風ノ谷」(万練村の地名。『劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル』)などがしれっと登場し、いい加減「なんどめだナウシカ」とツッコミ待ちしてるんじゃないかというくらいには『ナウシカ』を擦りまくっているのであった。
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最終更新:2025/12/10(水) 08:00
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