ひっぱり餅とは、石川県の銘菓の1つである。
安田屋製菓が製造する能登地方の銘菓の1つ。もともと能登地方の福浦に伝わるひっぱり餅の製法を受け継ぎつつ、現代風にアレンジした製品が安田屋製菓のひっぱり餅で、甘く味付けしてつき上げたお餅に小豆を粒のまま練りこんだ素朴なお菓子となっている。
また、レパートリーはノーマルの白ときなこ味の2種類と、春季限定でさくらが製造される。
ひっぱり餅の名前の由来は諸説あるが、古くは鎌倉時代にまでさかのぼる。
時の将軍源頼朝と対立し、安宅関(小松市)を通って奥州平泉まで逃れてきた源義経と弁慶は、能登地方を訪問していた。(なお、安宅関以降どこへ向かったかは諸説あるが、能登地方を中心に数多くの伝承が残っている。)
その中の能登金剛と呼ばれる海岸に来ていた義経一行は、海難を避けるためにここに48隻の船を隠した。このときに同行した弁慶と一緒に餅をこねて旅の保存食を作ろうとするが、弁慶は杵を使わず、大胆にも自慢の馬鹿力でこねてはひっぱり、こねてはひっぱりと一臼分の餅をこねあげてしまったのである。そこに「不動滝」の水を振りかけてさらにひっぱり、薄くひろげ、乾燥させたものを携えて奥州平泉に向かった・・・これが現在の志賀町福浦地区に伝わるひっぱり餅起こりの由来である。
さらにもうひとつひっぱり餅の由来がある。福浦では、よくついた餅を臼から水の中へと入れ、琉球ござの上に乗せて数人の女性で四方八方からひっぱり、薄くひろげ、それを乾燥させて保存食にしたという由来もある。現在もこの製法が残っているものの、失われつつある。
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最終更新:2024/04/26(金) 05:00
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