もぐらのアバンチュールとは、日本最古のテレビアニメである。カラー、8分55秒。
完成後の同年10月15日(水)に放送された記録があるほか、7月14日(月)にも放送された可能性が指摘されている。
元々はカラーテレビの試験放送用に製作された作品であるため、モノクロ全盛だった時代に国産初にして既にカラー製作のアニメとなっているのも興味深い。
『アニメ』とは分類されているが、どちらかというと紙芝居や切り紙に近い方法で製作されており、場面転換を波ガラスを使った撮影処理で表現していたり、宇宙船の操縦席を飛び出す絵本のごとき立体技法で魅せるという非常に実験的な手法が用いられ、現代までの主流であるセルアニメーションとは一線を画するものとなっている。(そもそも本作を制作した村田映画とは切り抜き動画を得意としたそうである)
作品そのものの存在は1977年の「日本アニメーション映画史」という本にも記述があり、識者の間では知られていたが、放送されていたか否かについては長らく不明で、「試作はされたが未放送に終わったアニメ」という扱いが多くの書籍でなされてきた。
しかし、原口正宏がアニマックスで放送される記念番組「TVアニメ50年の金字塔」のための資料整理の際に偶然から、斉藤之夫によってもたらされた「『もぐらのアバンチュール』は放映されていますよ。新聞のTV欄に載っているのを見ましたから」という一言がきっかけで、'58年の新聞縮小版を取り寄せると、テレビ欄に本作の名称が記載されていることが確認され、『日本最初のアニメにしてカラー作品』という非常に重要な位置づけの作品に生まれ変わった。なお、斉藤氏がこの作品を記憶していたのは「際立ってヘンなタイトルだったため」だそうである。(タイトルの「アバンチュール」はちょっと妖しいイメージがあるかもしれないが、この作品では単純に「冒険」の意味合いで使われる)
フィルムが現存するか否かについても、永年不明であり、放送事実発覚後に日本テレビのフィルムライブラリーに問い合わせたものの、担当がやる気が無かったこともあってか、最初の捜索は失敗に終わった。しかし、原口がアニマックスで先述の番組編成担当の佐藤功に鬼気迫る思いをぶちまけたところ、佐藤から再度日本テレビに捜索依頼が出され、非常にアッサリと発見された。しかも、半世紀以上前の作品にも関わらずきちんと放送可能な綺麗な状態で見つかっていた。同じく最古のアニメのひとつである幸内純一の『なまくら刀』とはやや対照的である。
そして、来る2013年7月21日、日本最新のアニメ映画『風立ちぬ』が公開された翌日に日本最古のアニメ映画が45年ぶりに「再放送」された。
発見者の原口が「作品の現物を観た私は、この魅力をもっと広く、本当に望んでいる人のもとへと届けたいと考えた。広島のアニメーションフェスティバルに足を運ぶような、個人作家のアニメーションに興味を持っている人に、本作の存在を知らせる必要があると感じたのだ。」との声明を発表しており、現在では日本テレビが各種サイトにVODとして提供しており比較的容易に見られる。
ロケットを作って火星にひとっ飛び。途中で雲さんを怪我させちゃったりしましたが、無事に火星に到着。
そこで、火星のもぐらや宇宙人とケンカになっちゃいますが・・・
なかなか超展開かつ突っ込みどころ満載な部分はあるものの、良質な作品なのでご安心を。
掲示板
2 ななしのよっしん
2015/05/05(火) 13:38:43 ID: x8O6fcw/3Y
当時のレベルのままならあっという間にマンネリ化して一分野にまでなることもなかったろうなぁ。
それこそ人形劇と同じく子供向けのお芝居の形態の一つで終わってた。
それがアニメーションというものにとって幸か不幸かは俺の知る所ではないが。
なぜかアトムが最古だと思ってました(小声)。
3 ななしのよっしん
2015/06/12(金) 01:47:43 ID: WwbEpmRgbO
鉄腕アトムは「30分枠で放送されたシリーズものの」最古の作品だから間違ってはいない
この間にもNHKの30分単発ものとかフジ→TBSでの1分シリーズものの帯アニメがあったりするけど
4 ななしのよっしん
2023/07/25(火) 18:55:45 ID: BJ2fdw4Ci7
発見から10年かー
Blu-rayとかにはなってないけど、今は割と簡単に安く観られるから助かる
急上昇ワード改
最終更新:2024/04/19(金) 14:00
最終更新:2024/04/19(金) 14:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。