やめてよねとは
である。本項ではそれぞれについて解説する。
やめてよね……本気でケンカしたら、サイが僕に敵うはずないだろ…
フレイは……優しかったんだ……ずっと付いててくれて……抱き締めてくれて……僕を守るって……
機動戦士ガンダムSEED
PHASE-17「カガリ再び」より
場面は、(元)婚約者のフレイ・アルスターに一方的に婚約解消を告げられたサイ・アーガイルが、フレイを問いただそうとし逃げられたところから始まる。
逃げた先にキラ・ヤマトが現れたのを見たフレイは、キラに駆け寄り、キラを盾にするように抱きついた。睨むようなサイの視線に、キラは困惑する。
サイがフレイに好意を抱いている事を知るキラは、気まずそうな表情でサイに「何?」と問う。
対してサイが「キラには関係ないよ」と返し、キラも話を終えようと表情を変える。
しかし、そこでフレイが「関係なくないわよ」と声を荒げる。
意味がわからず混乱するキラとサイをよそに、フレイは「昨夜はキラの部屋にいたんだから!」と絶叫。「男女が同じ部屋で一夜を過ごした」という言外の意味を察したサイは衝撃を受け、物陰で立ち聞きしていたカガリ・ユラ・アスハも思わず赤面する(シリアスな状況にそぐわないと判断されたのか、リマスター版では純粋に驚いた表情に変更されている)。それは誤解などではなく、キラは実際に昨夜フレイからの誘惑を受け、彼女と肉体関係に至っていたのだった。
隠したかった事実を暴露され、苦虫を噛み潰したような顔をするキラ。狼狽したサイはキラに「嘘だろ?」と縋るように問いかけるが、彼の申し訳なさそうな表情から事実なのだと確信し「どういうことだよ」とフレイを問いただした。だがフレイは「サイには関係ない」と、先のサイと同じ言葉で突っぱね黙り込む。キラはフレイに複雑な視線を向けた後、サイに「嫌がるフレイを追いかけているようにしか見えない」と話を打ち切り、フレイを伴って場を離れるよう背を向けた。
サイは激昂し、二人を追いかけキラの背中から掴みかかろうとする。しかし、キラはコーディネイター(遺伝子操作を受けて生まれた人間)特有の優れた反射神経でそれを回避し、同様に圧倒的な腕力でサイの腕を捻り上げると同時に記事冒頭の台詞を発した。この際キラは怒りつつも涙を流している。
放送当時から今に至るまで、 「キラはサイとフレイの婚約関係を知った上で、フレイを抱いた(寝取った)」という誤解が広まっている。
実際のところ、キラは二人の婚約関係を知らなかったので、婚約者を寝取ったという認識はない。そもそもキラはフレイに迫られる形で彼女を抱いた為、「寝取る」意志などは全くなかった。
この場面ではサイとキラはそれぞれ知っている情報が違っており、
また、サイは「サイがどこまで知っているかを、キラが把握しているか」「キラが何をどこまで知っているか」を知らず、キラも同様である。
具体的には
といった状況であった。
このため、先のやり取りを、それぞれの心情を交えて述べると次のようになる。
キラからすれば自分の彼女(?)がサイに追いかけられて困っているという状況なので「何?」
↓
サイからすれば「自分とフレイの婚約(解消)についての話の途中に、フレイが部外者のキラを盾にしだした」状況なので「キラには関係ないよ」
↓
キラは婚約の話を知らないので大したことではないと判断
↓
フレイの爆弾発言
↓
サイは質問を「どうして婚約解消をした?」から「どうしてキラと寝たのか」と切り替える
↓
フレイが言葉を濁す
↓
婚約の話を知らないキラは彼氏でもない人が(※誤解)「嫌がるフレイを追いかけているようにしか見えない」と返す
↓
婚約という重い話をしているつもりのサイは、そうと知りながら軽い(※誤解)キラに怒る
……
お互いもう少し、きちんとと話し合っていれば……
お互い相手の気持ちを汲んで歩み寄っていれば避けられた事態かもしれない。
しかし、この件は「お互いそれを欠いた為に起きたトラブルであることがミソなのである。
また、サイ自身は極端なコーディネイター差別主義者(ブルーコスモス)ではないのだが、度々コーディネイターに対する無意識の差別発言(ラクス・クラインの優れた歌声を「遺伝子を弄ってそうなった」と評するなど)を発し、間接的にキラを傷つけていた。こうして水面下で溜まっていた不満が「サイが(遺伝子を弄って超人的な肉体を与えられた)僕に敵うはずない」という自虐を込めた皮肉に繋がったのである。
奇しくもブルーコスモス指導者のムルタ・アズラエルは、幼少期にコーディネイターの子供へ喧嘩を挑んで敗北し、「やめてよね」という言葉をかけられている。この出来事が彼の心に強烈な差別思想を植え付けたことを考えると、「やめてよね」というセリフはコーディネイターとナチュラル(普通の人間)の間にある深い亀裂を象徴した台詞であるとも言える。
先に述べたように、放映当時から今に至るまでこのやりとりについては誤解が広まっていた。
その要因は様々であるが、主には「キラは過剰に持ち上げられている悪いやつである」というアンチ的な風潮によるものと思われ、前提を無視したり、恣意的な解釈をしたり、憶測で記事を書くなどの行為がなされてきた。
そうした中で「やめてよね」という単語は「キラの傲慢さを表した迷言の代表である」とされ、当記事もそうした記事となっていた。
以下に、当時の記事を残す。
サイ・アーガイルに向けて冷たく言い放った言葉。主人公キラは、遺伝子操作によって能力を強化されて生まれたコーディネイターで、自然のまま生まれたナチュラルのサイは言葉の通り敵うはずが無い。実際、殴りかかったものの一瞬で組み伏せられている。この台詞は内在的に宿しているキラの傲慢さを表しているとも、作品全体を揶揄しているとも言われている。
続編のDESTINYでは世界を敵に回した上でボコボコにしているため、上記の台詞が際立った。このためキラの迷言として飛躍的に認知度が高まり、キラが無双する動画では「やめてよね」タグが付けられる事も。オマージュやネタにも使用される。スペシャルエディションでは、幼少期のアズラエルがコーディネイターの子供に殴りかかって返り討ちに遭い、やめてよねポーズにされる再現シーンがあった。
キラたちを乗せた母艦アークエンジェルは大気圏突入の際に角度を誤り、ザフト軍勢力圏の真っ只中である北アフリカのリビア砂漠に降下[1]。さっそく敵将アンドリュー・バルトフェルド率いるバクゥ部隊に襲撃され、キラはストライクで迎撃する。厳しい状況の中、唯一キラの支えになったのがフレイ・アルスターだった。サイの許婚にも関わらず、親身になってキラを助け、夕方のアニメにあるまじき性行為まで行った。そんなフレイにキラは心を開き、戦いへと駆り立てた。
だがこれはフレイの策略だった。キラの力不足で、自身の父親をザフト軍に殺されたフレイは復讐のため、キラに接近。偽りの愛を見せて、アークエンジェルから降りようとしたキラを引き止め、戦争に引きずり込んだ[2]。この事をキラは知らず、自分を愛してくれるフレイを守るため戦い続けた。そんな中、サイが介入。許婚の関係にも関わらず、キラに入れ込むフレイの言動に納得がいかず、彼女を問い詰める[3]。本当はキラの事が好きなんだろ、と[4]。当然フレイは否定するが、サイとの口論に発展。そこへキラが通りがかり、口論に巻き込まれる。これを見てフレイは主張をひっくり返し、キラの前で深い関係にある事を暴露。許婚を寝取られる格好になったサイは逆上し、キラに殴り掛かるが簡単に組み伏せられてしまう。最前線に立つという極限状態に置かれていたキラは感情を抑えられなくなり、そして……。
「やめてよね。本気でケンカしたら、サイが僕に敵うはずないだろ」
この言葉に激しいショックを受けたサイは自身の力不足を痛感。あろう事か、無断でストライクに乗って動かそうとしたが当然失敗。営倉にぶち込まれてしまっている。
ちなみに例のシーンで流れているBGMの曲名は「戦場の決意」である。
掲示板
316 ななしのよっしん
2024/04/13(土) 22:09:19 ID: LDvgezTCGU
後、視点として抜けてる人多いけどサイってフレイに対してすら無関心だからな
本当にフレイに関心があるなら父の死でコーディネイターに憎悪を抱いてるだろう事は察しがつくし、そんな状況でコーディのキラと2人っきりにしたら何しでかすか分かんないなんて簡単に想像がつく
そんな状況下でキラが大気圏突入で重態になってるのを医者がコーディだから大丈夫だろという言葉鵜呑みにしてフレイと2人っきりにしてる時点で完全にアウト何ですわ
317 ななしのよっしん
2024/04/14(日) 04:08:15 ID: fyydKlaB/x
フレイはファーストの原作小説で登場したクスコ・アルのオマージュだよな
318 ななしのよっしん
2024/04/20(土) 18:25:21 ID: eQfzkJ7+ys
このシーンで本当に伝えたかったことって後の
「僕がどんな思いで戦って来たか、誰も気にもしないくせに!」の方だと思うんだよね
神経を擦り減らして必死に戦っているのに、周りは出来て当たり前だと思ってどこか呑気に構えてる
そんな言い様のない辛さや孤独感を良く表現した名シーンなのに
それが印象が悪いっていう理由で「やめてよね」ばっか拡散して曲解されたのは酷い
ていうか個人的には直前の「疲れてるんだ。もうやめてくんない?」の方が感じ悪いと思った
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最終更新:2024/04/26(金) 00:00
最終更新:2024/04/26(金) 00:00
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