『るろうに剣心』とは、2012年8月25日公開の時代劇映画である。134分カラー。
週刊少年ジャンプにかつて連載され、90年代~2000年代にかけて爆発的な人気を誇った明治を舞台にした漫画『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の実写映画作品。
意外と漫画原作も多い実写時代劇には最適な題材とあって、本作が実写になるのでは?という噂は連載中、完結後共に常に絶えることはなかったが、飛天御剣流の技の数々や映像技術の問題から噂の域を出るものではなかった。
しかし、原作者自身も「剣心にするならこの人」と太鼓判を押していた「仮面ライダー電王」の佐藤健が主演にキャスティングされ、さらに「ハゲタカ」や「龍馬伝」でドラマ演出家として高い評価を得ていた大友啓史が監督を務めるなど強力なスタッフも揃ったことで、本格派の時代劇であると共に、日本映画にはあまり前例の無いハイスピードなアクション映画として製作される。
さらに脇には香川照之、吉川晃司、蒼井優といったベテランクラスの俳優陣が加わったことで最良のキャストも集結。
さらにワイヤーアクションや本格的な殺陣を入れることでバトル映画としての完成度にも拘り、原作での本来の設定である「素早い動きを最大の武器とし、一対多数を得意とする古流剣術」が原作以上にリアルに映像化されている。
国内では『漫画原作映画=ショボイ映像で大コケ』という評価が大半で、数少ない例外はドラマ版「仁 -JIN-」や映画「DEATH NOTE」シリーズ二部作と「カイジ」シリーズぐらいだった上、2ヶ月前の6月25日に公開された本ポスター「かならず、帰る」「優しいヤツほど気をつけろ」が必ずしも本作の魅力を伝えきれていなかったことや、予告映像も断片的な本編映像だけで、最大の魅力である迫力あるスピーディバトルがあまりクローズアップされなかったこともあり、ネット上では邦画嫌いが多いこともあって「それはかとないコケ臭」「大コケする予感しかしない」「これだけでもうるろ剣の名前借りた駄作だってわかるね」と散々な評価で、軒並みアフィリエイトブログでは『実写版剣心のポスターが酷過ぎると話題に』とニュースになった。
また、主題歌がおおよそ時代劇に似つかわしくないONE OK ROCKだったことも当初は批難の対象だった。
しかし、蓋を開けてみれば、原作を忠実に再現しつつも繰り広げられる映画オリジナルの展開に観客は喝采を送り、興行収入30億円の大ヒットを記録、ネット上の評価も完全に掌を返して「理想的な実写化」「日本映画もやればできる」と絶賛する方向性に論調が完全に変化した。
但し、この時点ではシリーズ化できるか否かは興行次第だったので、第一作はそれぞれ別の敵として闘った観柳、刃衛が同じ組織の仲間であったり、山県有朋の扱いが原作以上に大きくなっていたりと原作改変について苦言を呈する人がいないわけではなかった(多くの場合、否定派は展開を詰め過ぎとしていたほか、左之助の扱いが弱いこと、四乃森蒼紫が登場しないことを不満としていた)。
必ずしもネット上の公開前における下馬評が正しくなるわけではない、ということを図らずも立証した作品とも言えるだろう。
この大ヒットを受けてすぐに続編の製作がアナウンスされ、原作漫画で一番人気のある「京都編」をベースとしたシリーズ完結作を2部公開することが発表された。かつてるろうに剣心はアニメ映画が1作だけ公開されたが、こちらはシリーズ化には至らなかったため、映画のシリーズ化は初のこととなる。
最終的にシリーズ3作で累計125億円、観客動員数980万人を叩き出す屈指の好成績を残している。
なお、「京都大火編」においては、原作で一度も実現しなかった剣心の乗馬シーンが初めて描かれた。
また、金曜ロードSHOWの30周年記念演目には普段ジブリやルパンばかり流す同番組としては珍しく本シリーズの三部作が選出され、オープニングになつかしの夕日の港バックの「Friday Night Fantasy」が流れる映像が使われた。金ローでも「日本のアクション映画ここに極まる」と本作の出来をかなり好意的に評価していることが伺えた。初代オープニング映像の使用を許可されたことを鑑みると、作品としての評価も認められているといえるだろう。
当初は、この3作でシリーズ完結かと思われたが、原作の最終章にあたる追憶編と人誅編が『るろうに剣心』最終章二部作として2020年に公開予定と報じられた。
監督や主要メンバーの続投し、撮影は2018年11月より開始され、翌2019年6月に終了。
興行成績は下記の通り不利な世情でありながらも大ヒットを記録したので、原作漫画版の進行次第では北海道編も映像化される…かも知れない。
当初は2020年7月に人誅編『The Final』、8月に追憶編『The Beginning』が2ヵ月連続で公開される予定だったが、2020年に世界規模で流行した新型コロナウイルスの影響により、2020年5月27日に公開が2021年GWに延期されたことが発表された。のちに、公開日は『The Final』が4月23日、『The Beginning』が6月4日と発表された。
『The Final』は2021年4月23日に予定通り公開されたが、同日に東京を含む4都府県に対して3度目の非常事態宣言が出されることが決定され、映画館が休館になるなど、またしても悪いタイミングが重なってしまった。が、ふたを開ければやはり作品は高評価で迎えられ、6月17日時点で累計動員数は266万人、興行収入は37億5000万円を超える大ヒットとなっている。
『The Beginning』も2021年6月4日公開に予定通り公開されたが、こちらも非常事態宣言が延長される中の公開となってしまった。6月17日時点で累計動員数は89万人、興行収入は12億7000万円を突破している。
2022年10月14日、10月21日の2週で金曜ロードショー枠にて本編ノーカットで地上波テレビ初放送となる予定。なお、これの前哨戦として9月2日、9月9日の2週で京都二部作を放映した(こちらはノーカットではなかった)。
今から約百四十年前 「幕末」の動乱期
「人斬り抜刀斎」と呼ばれる 暗殺者が居た
倒幕派の命により 京都を暗躍し その修羅の如き 強さと冷徹さから 人々に恐れられた
時は天下分け目の戊辰戦争―
一八六八年一月
倒幕派の勝利に終わったこの動乱の終決と共にやがてその男は姿を消した
浪漫譚のはじまりはそこから十年 一八七八年(明治十一年)
戦後、一人の剣客が東京府に流浪れてくる。
その街では、人斬り抜刀斎による連続殺人事件が起きており、また阿片密売による闇組織の犯罪という2つの大きな事件が覆っていた。
ひょんなことから出会った剣客と、抜刀斎事件で濡れ衣を着せられた道場の少女神谷薫は、危険な状況から窮地を救ってもらったことで親しくなるが、観柳の部下たちとの戦闘でこの剣客こそが本当の人斬り抜刀斎であることを知る。そして、現在の名前が緋村剣心ということも。
雨の中、要職を断り釈放された剣心は神谷道場に成り行きで居候することとなるが、道場には観柳の下から逃げてきた女医高荷恵も門下生の少年明神弥彦にかくまわれる形で同居することに。この後、牛なべ屋で観柳の誘いで組織に入ることを打診された剣心だったが、軽くあしらい、勝負を挑んできた喧嘩屋の青年相良左之助ともなんだかんだで親しくなる。
その後、街の井戸に観柳の部下が毒を流し込む事件が発生、恵は自分の責任だと感じ、観柳邸へと戻るが、恵の決意を読んだ剣心と左之助はたった二人で観柳邸に殴りこみをかける。
一方その頃、抜刀斎抹殺を企む黒傘も不穏な動きをみせ・・・
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最終更新:2024/04/16(火) 16:00
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