わがままな第三王女とは、モンスターハンターシリーズに登場するクエストの依頼人の一人である。
あまりにもわがままなクエスト依頼理由により、一癖も二癖もある同シリーズの依頼人たちの中でも圧倒的な存在感を放つ依頼人でもある。
モンスターハンターシリーズには様々なクエストが存在し、そのクエストには一つ一つ依頼文が併記されている。例えばそれは、「自分の所属しているキャラバンが火竜の襲撃で壊滅したから、その敵を取って欲しい」であるとか「超巨大龍が現れたから国が危ない。防衛拠点に到達する前になんとかして討伐して欲しい」といった危機的状況なものから、「修行していたらモンスターを刺激してしまった。なんとかしてくれ」といった自業自得なものまで多種多様である。
そのような個性あふれる依頼人たちの中で、ひときわ特徴的かつ自分勝手な理由のために依頼を出してくるのがこの御方である。シリーズを通し、一人称は「わらわ」、語尾に「~じゃ」という典型的なお姫様キャラである。
では、実際にどのような点で依頼が無茶苦茶なのだろうか。
シリーズごとに、その依頼の変遷を辿って行くこととする。
『リオレウスを城で飼いたいから捕まえてくるのじゃ』という無茶な依頼内容により、華々しくデビューを飾る。
『密林に咲いている花が枯れるから、わらわのためにゲリョスを狩るのじゃ』という依頼はまだ序の口。ハンターランクを上げ、上位、G級と進んでいくと、『帽子にしたいからヒプノックの尾羽を持ってくるのじゃ』『兄との釣り勝負に勝ちたい。ヴォルガノスの魚拓を取りたいから狩ってくるのじゃ』と、どんどんと要求がエスカレートしていく。
とはいえ、まだここまではハンターに対する無茶ぶり(それでも十分ハンター殺しではあるが)だけであった。しかし、これだけで終わらないのがこの御方である。クエスト「怒れる鎧武者」において、なんと宝石が欲しいからというだけの理由で勝手にラティオ活火山、つまりMH2系列における火山マップへと勝手に出かけて行ってしまうという暴挙に出ていたことが発覚。それだけならまだしも、ちょうどこの時火山にはグラビモスとショウグンギザミが同時に確認されており、まさにこれ程にないまでに最悪なタイミングであった。そもそも、ラティオ活火山は炭鉱夫などが採掘のために訪れることがあるとはいえ、棲息するモンスターの危険度が高く、新米のハンターですら立ち入ることのできない(実際に村クエで火山のクエストが受注できるようになるのは★4から。集会所でも、ハンターランク2以上にならなければ火山へと出向くことはできない)危険区域である。なお、この事件の顛末としては、お付きの侍女がネコートさんを経由してハンターに依頼を出し、表に出ないうちに解決することで事なきを得た。ちなみに、火山で得られるものはどちらかと言えば鉱石の類である。宝石が欲しいのであれば、沼地の洞窟に行くほうが賢明なのだが…。
ちなみに彼女の勝手な外出はこれだけではなく、奇面族ことチャチャブーが見たいからと言うだけの理由で森丘へ出向いたこともある。しかもこの時には、森丘にイャンクック亜種が現れているという、またしても最悪なタイミングでの外出であった。
そして極めつけは、『オーロラを見たいが寒くて仕方ない。外套を作りたいからラージャンを狩ってこい」という依頼である。そもそも、ラージャン自体は雪山にも出現するモンスターではあるが、防具の性能として氷耐性がかなり低い。寒い所に着ていくにはやや不適当なものであり、それを着るならば寒さ無効が一式で発動し、作りやすいマフモフ系で何とか手を打てなかったのだろうかというところである。
ただ、ラージャンの防具を欲しているわけではなく、あくまでラージャンの外套を欲しているという点から考えると、金獅子素材の説明文には『これで作った衣服は王族すら欲しがる』という記述がある。当人も王女であり王族に連座していることから、立場相応の高級品を欲しがるのは当然なのかもしれない。とはいえ、そのような依頼のために『超攻撃的生物』とまで称され、古龍にも匹敵する実力の持ち主であるラージャンを狩らせられるハンターはたまったものではない。
なお、村上位クエストには『わがままな外套の少女』という依頼人のクエストが存在する。これ自体はヒプノックを1頭討伐するクエストなのだが、あからさまに『わがままな』と記された依頼者名、そして『ヒプノックの尾羽根が欲しいと言ったら母上に怒られたので、内密にヒプノックを狩ってくるのじゃ』という、普段の口調を隠そうともしない依頼内容から、どう考えても彼女が依頼したものだということが分かる。
このように、初登場からそのぶっ飛んだ依頼と行動力でハンターたちの話題をさらっていったわがままな第三王女であるが、舞台が新大陸に移ったMH3においても続投。しかしながら、そのハチャメチャさは変わることがなかった。
暇だからという理由でディアブロス2頭と戦っているところを見たいと言い出したり、寒くてやってられないからベリオロスと戦えと言ってみたりとやりたい放題である。
そんな彼女であったが、ゲーム本筋のクエストだけではなく、満を持して期間限定イベントにまで依頼を出すようになる。『幻のウラガンキン』という、とんでもなく小さいウラガンキンを狩るクエストがあるが、これの依頼人が彼女なのである。その依頼文を要約すると、『可愛いウラガンキンがいた。殺してこい』という、可愛いと言っておきながら捕獲ではなく討伐を依頼してくるというものなのである。
なお、MH3では勝手に外出するということはなかったようである。
もちろん依頼人として続投。
『侍女たちと渓流を下るのにジャギィが邪魔だから倒して来い』というのはまだマシなもの。
今作の彼女は、真の女王の座をかけてリオレイアに喧嘩を売りに行くという、何ともアグレッシブな行動に出るのである。しかし、真の女王とは一体何なのかというのもわからない上に、彼女自身は王女なので女王もクソもないという本末転倒な結果に陥ってしまっているが…。
ただ、今作では日頃世話になっている侍女の誕生日に黄金魚をプレゼントとして用意したいという依頼や、ロアルドロスの海綿質の皮膚を垢すりに使いたいから狩ってこいという、依頼内容こそ普段通りであるが、その対価としてユクモ温泉のスポンサーになって温泉施設を増強してくれるなど、これまでになかった他人への優しさを表に出した一面を見せてくれる。普段からこうあってほしいものである。
…が、雪遊びをしたいがためにティガレックスとギギネブラが跋扈している凍土まで出向いたりするあたり、上述の女王の件もあるなど何だかんだ言って本質は変わっていないようである。そもそも凍土の雪はガッチンガッチンであり、世にいう雪合戦などの雪遊びができるような代物ではない。
安定の続投。今作品では、更にその性格に磨きがかかっている。
まず砂原を『寒暖の差が激しくてイラつく不毛の地』とのたまった挙句に『じゃあ暇つぶしにモンスターを数頭ほど放って狩猟観戦を楽しむ』と、軽く殺意が沸くようなふざけた理由による依頼を提示してくる。
なお、この依頼文のクエストは名前は違うが2つあり、一つは昼の熱い砂原でラングロトラ2頭とドスジャギィ2頭を狩るもの。もう一つは夜の寒い砂原でラングロトラ2頭とドボルベルク亜種を狩るというものである。持っていくドリンクを間違えると、擬似的に第三王女の気分を味わえるクエストでもある。しかし、モンスターを放つということは、少なくともこのクエストで狩猟対象になっているモンスターを飼育出来ているということであるが、ドスジャギィはまだしもドボルベルク亜種を飼いならすというのは無理があるのではないだろうか。ともあれ、イラつきによる暇つぶしのために倒されるモンスター、そしてそれに付き合わなくてはいけないハンターはたまったものではない。
そして、P3にひき続いて再び凍土へと雪遊びに出向いてしまう。しかも、この時には先述のティガレックス+ギギネブラの出現ではない。ウルクスス2頭はまだしも、それと同時に3G初登場の獄狼竜ことジンオウガ亜種が出現しているという、これまた何とも間の悪いタイミングであった。
また、今作でも女王に対する執念は健在のようで、リオレイアだけではなくその亜種にも同時に喧嘩を売りに行くという最大級の暴挙に出る。なお、もちろんそれを狩るのはハンターであり、狩場に第三王女の姿は見受けられない。まさに尻ぬぐい、というものである。ちなみに、やっぱり第三『王女』であるため、女王もクソもないという本末転倒なのは相変わらずである。
案の定といっては何だが続投。
ちなみに今作では、これまでの行動がたたって部屋に軟禁されているらしい。
しかし、原生林にグラビモスとティガレックスが出現したと聞きつけるやいなや、『狩ってその経緯を聞かせろ』と言い放ったり、『最近寝覚めが悪いから、ティガレックス亜種の咆哮を目覚まし代わりにしたい。だから捕獲してこい』というクエストを放り投げてくる。
そもそもティガレックス亜種の咆哮は『大咆哮』とも表現されるものである。この咆哮は、高所から落下してもダメージを受けないほど屈強なハンターにすらダメージを与えるほどに破壊的な威力を持つ代物であることに加え、このクエストは生態未確定、すなわち狂竜化個体を相手取るものである。狂竜化した個体の咆哮は普段の個体よりも禍々しいものとなることから、もし万が一彼女が対策として高級耳栓なりの聴覚保護スキルを持っていたとしても、思った通りの快適な目覚めとはいかないだろう。むしろそのまま眠っていてくれ
また、ラージャンの復活とともに、『外套とお揃いの手袋を作りたいからラージャンよりも毛並みのいい激昂ラージャンを狩ってくるのじゃ』というとんでもない依頼を持ち込んでくる。このクエストの依頼文の出だしは『わらわは怒っておる!』なのだが、本当に怒りたいのはむしろそのような依頼のために狩られるラージャンやハンターの方である。ちなみに、彼女のラージャンにかける情熱は並々ならぬものらしく、遂には軟禁を振りきってまでラージャンそのものを捕まえに行ってしまう。この際の依頼には、お付きの侍女から『どうか暴走を止めてください!…違います!姫さまではなく、あくまで金獅子の暴走を、です!』という念を押されるのだが、どう考えても止めるべきは姫の暴走ではないだろうか。
そんな第三王女であるが、暴走はさらにとどまるところを知らず、またもや真の女王の座をかけ、今度はリオレイア希少種に勝負を挑みに行ってしまう。この依頼によって、ついにリオレイア3種全てに勝負を挑むことになった。なお、第三王女の脱走に際して城中が大騒ぎになってしまい、姉である第一王女は心配で倒れてしまう大惨事となった。そんなことを知ってか知らずか、初詣に背中に乗りたいからといってキリン&キリン亜種を塔の頂で同時に狩れと言ってきたりもする。
そして、今作における彼女絡みで最後の大事件として、溶岩島に現れた激昂ラージャン2頭を、姫がペットにしたいと言い出す前に狩ることになる。超攻撃的生物であり危険度も最高なラージャンを国内に入れる訳にはいかないと、事態を重く見た国王直々に依頼が出されるという異例の事態になった。
やっぱりと言っては何だが、MH4Gにも依頼人として登場。これにより、ナンバリングタイトルにはほぼ出演というあまり嬉しくない快挙を達成した。
気になる依頼は、G★3『金獅子を狩って参れ!』 もはや恒例となった激昂ラージャン狩猟である。
その内容はこれまでに輪をかけて強烈なものであり、(P2G及び4で揃えた)金獅子素材の外套と手袋が暖かくないからもう一回狩ってこい、というものなのである。金獅子にこだわるあまり、耐寒について全く考えていないというのは致命的である。それならいっそ耐寒珠をつめ込むなりすればいいのだろうが…。ただし唯一の有情な面として、この作品に登場する極限状態のラージャンは依頼してこない。
さらに、今作で新登場した千刃竜ことセルレギオスが現れると知るや、その鱗が本当に千枚あるのかどうかを数えに行ってしまう。このクエストの依頼者はお付きの侍女なのだが、依頼文もまた別方向に飛び抜けており、
姫様が、かの千刃竜の鋭い鱗は本当に千枚あるのか知りたいと数えに出かけてしまわれました。
…そろそろ私も、姫様の間違いを諭さねばなりません。
だって、千刃竜が2頭いたら2千枚ではないですか!
諭すのはそこではないだろうと言いたくなる文面である。
MHXでももちろん続投。過去作からの復活要素が多い本作では、当時のクエストとほとんど依頼内容も同様なクエストを提示してくる。具体的には、MHP2G時代の「ヴォルガノスの魚拓を取りたいから狩ってこい」という依頼と、MHP3時代の「侍女と渓流下りをしたいからジャギィを狩ってこい」というもの。
しかし、これまでの彼女に特徴的だったラージャンやリオレイアの狩猟については、古くからの言い伝えに従ってラージャンをお供にしようとしたら失敗し、暴れて手がつけられないから何とかしてくれという僧侶や、今作からの新要素である獰猛化したリオレイアを、自分に勝るほどの女王のオーラがあるからという理由で狩猟してこいという別の負けず嫌いな女王などの新勢力の台頭もあり、彼女にしては珍しく依頼してこない。
ただし、ポッケ村の依頼を進めていくとネコートさんからの依頼クエストが出現するのだが、その依頼人が彼女ではないかと噂されている。
ネコートさんから依頼される際の「さる高貴な方が」というあからさまな前置きに加えて、その内容も絶対強者・ティガレックスを様々な状態で狩猟してこいという高難易度なものであり、さらには全ての依頼クエストをこなしたときの感謝セリフにおいて「依頼主は無理難題を押し付け、もし失敗するようなら制裁と称して私を自分のそばに置く気でいた」ということを知らされることが原因。発想が過去作のそれと被っていることもあって、ネコートさん関連の依頼は彼女が出したものではないか? という疑惑が持たれている。
このように、ネコートさんへの沙汰はどうであれ本作ではおとなしいと思われた彼女であるが、追加されたダウンロードクエストにおいて徐々にその牙を剥き始める。
まず手始めに、前に狩ったラージャンよりさらに毛並みの良いラージャンがいたから、それの毛を使ってスリッパを作りたい。だからラージャンを狩ってこい…という依頼を放り投げてくる。対象は獰猛化したラージャン。なお、このクエストが配信されるにあたり、公式Twitterは『「あの」わがままな第三王女からの依頼!』と告知している。
これに続いて、旅の商人を通して「あんなに大きなドスマッカォの皮なら、わらわの城の絨毯にピッタリだ」という理由で最大金冠確定の巨大なドスマッカォ討伐依頼を出してくる。さらに「わらわも狩りがしたい」という理由から、アグナコトルとウラガンキンが同時に放たれている闘技場に向かってしまい、お付きの侍女が、闘技場に付く前にこの2頭を狩ってくれと依頼を投げてくる。
そうしてハンターを振り回し続けた彼女であるが、2ヶ月ぶりに本人が新たな依頼を出すこととなる。それは自分の依頼をこなしているハンターに対して『本当に強いのか?』と疑問に思った果てに思いついた依頼であり、「遺跡平原で激昂したラージャンと怒り喰らうイビルジョーを同時に狩ってこい」というもの。『全てを屠り、喰らうもの』とも呼ばれる怒り喰らうイビルジョーと、『破壊と滅亡の申し子』とも呼ばれる激昂したラージャンを2体同時に相手取る超高難易度のクエストであるが、行き先が闘技場でないためこやし玉分断ができることが救いである。また、このクエストの名前は討伐対象の2体をモチーフとした「狂気と破壊の化身」であるが、ある意味では依頼主のことを指しているのかもしれない。
掲示板
45 ななしのよっしん
2022/11/20(日) 01:26:52 ID: ZSowIzseP7
わからせたくはあるが、少女って情報しかないから下手にビジュアル出てブッサイクだったら本当に殺意しか感じなくなっちゃうからやっぱり表には出てこないでほしい
46 ななしのよっしん
2024/01/11(木) 06:46:03 ID: x5pfVAcy/2
>>44
ここまで来ると、いっその事"カルト教団が(モンスター名)を崇拝していて鬱陶しいから(モンスター名)を殺してカルト教団を黙らせろ(意訳)"とか言う依頼がほしいところだなwww
47 ななしのよっしん
2024/01/11(木) 07:47:17 ID: l5FSvK5jqe
>>44
3Gの嫉妬深いお嬢様もなかなか
「渓流にリオレイア亜種とロアルドロス亜種が一緒にいて人気らしいけど理解に苦しむ。狩ってちょうだい」
とか
「リオレウス亜種とリオレイア亜種のつがいが仲睦まじいのが本当に妬ましいのでさっさと狩って」
とか
なぜかリオレイア亜種への私怨が半端ない
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/09(火) 16:00
最終更新:2025/12/09(火) 16:00
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