アエロトランとは、フランスが時たまやらかすビックリドッキリ開発した空気浮上式列車である。
事の発端は東洋で新幹線が開業する1年前である1963年。
フランスのぉぉぉ、鉄道技術はぁぁぁ、世界一ぃぃぃぃぃ!を自負していたフランス国鉄にとって東洋の小国(とはいっても周知の通りアホみたいな経済力だしそれに国土の面積も世界的に見れば大きい部類なのだが…だって世界にはどう見ても街がそのまま独立国家になった程度のとか或いは文字通りの島国とかもいっぱいあるんだし)が世界最速の電車を翌年に走らせるなんてことが悔しくてたまらなかった飛行機や自動車の台頭でこのまま「のんびりと走っているだけの鉄道」ではいつか競合相手にやられて消滅してしまうという危機感から「次世代の超速い鉄道システム」を模索していたさなか、ジャン・ベルタンと名乗るキ○ガイ技術者がある興味深いアイデアを出してきた。
「なあなあ国鉄のあんちゃん、超速い電車作りたいんだろ?
それならレールが抵抗になるんならホバークラフトみたいに空気の力で電車浮かせればよくね?ものすごい速度で爆走できるはずだぜ?
名づけて…ババーン!!『アエロトラン』だッ!ほれ、模型も作ってみたぞ」
フランス国鉄はこのアイデアに興味を抱き採用した。
2年後の1965年に「アエロトラン開発会社」を設立し開発開始。同年の性夜聖夜の10日程前である12月16日に試作車「アエロトラン01」が完成した。ちなみに01はレシプロエンジンでプロペラを回して推進する。
さらにその翌年の1966年にエソンヌ県に実験線も完成し、報道陣の目の前で100km/hで爆走してみせた。そしてその後日に今度は200km/hにスピードアップ。さらにロケットだけでは飽きたらずにジェットなんかも積んでみたりして345km/hを叩き出す。
1967年には銀ピカの車体がダサかっこいい渋い、F-ZEROとかワイプアウト辺りに出てきそうな見た目の弐号機・「アエロトラン02」がロールアウト。
実験の舞台をオルレアンに移したりして400キロ超えとかを試してみたあと、旅客用を想定した「アエロトランI80」が製造される。一般的なアエロトランのイメージは多分こいつであろう。
アエロトランI80は80人乗りであり、動力にはヘリのエンジンでおなじみのチュルボメカ製のターボシャフトエンジンでダクテッドファンをぶん回したり、或いはマジモンのターボファンエンジンであるJT8Dを積んでみたりといろいろな動力が試されていた。
1974年に初の営業路線の建設計画の計画に調印されたりして実用化の本当に一歩手前まで来ていたが、ちょうどその頃「本命」となるフランス式新幹線ことTGVの建設計画が具体的になったためかアエロトランの営業路線の計画はあっさり放棄されてしまう。
1975年に全ての元凶ジャン・ベルタンが死去したことによりアエロトラン計画は終了した。
一応試作車軍団は保存されていたが、1991年にS44を保存してあった車庫が火災でS44もろとも焼失。
空気浮上式列車は「浮いて走る」という点では、リニアモーターカー(マグレブ)に似通った性格を持っている。
具体的に書けば…
こんな感じである。
さらにもう少し突っ込んで、マグレブとの違いを書くと。
下手すりゃ普通の電車よりやかましい上に、輸送力も小さい。さらに従来の鉄道とはレールからして互換性がない。
なら「今までの列車の超速い板」(のTGV)の方がいろいろ有利じゃん。鉄軌道で200キロ超えの営業運転ができることは、アエロトラン計画開始の1年後に日本が新幹線という形で証明しているんだし。
アエロトランの計画が「終了のお知らせ」になった理由なんて、おそらくこんなところだろう。
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最終更新:2025/03/17(月) 08:00
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