アカデミー賞 単語

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アカデミー賞Academy Awards)とは、アメリカ映画において、監督俳優スタッフを表し、その労と成果を讃えるための映画賞である。

概要

アメリカ映画芸術科学アカデミーの会員による投票によって、部門ごとにその年のもっとも優れた映画を決める賞。
受賞者にはトロフィーとしてオスカー像が与えられる。アカデミー賞を受賞することを「オスカーを獲る」と表現することもある。

「アカデミー賞」自体は映画祭ではないが、映画産業の本場であるアメリカでもっとも盛り上がる賞であり、かつまた世界三大映画祭カンヌ国際映画祭ベルリン国際映画祭ヴェネツィア国際映画祭)よりも古い歴史を持つ(第1回は1929年)賞であることから、その権威は世界三大映画祭と同等かそれ以上とみなされている。一般層の注度・知名度の面ではこれらの映画祭を上回っており、アカデミー賞の受賞は、作品の行成績に米国内外で大きなを与える。

対象作品

基本的に賞の対となるのは、ロサンゼルス内で一定期間・回数以上の上映が行われた映画作品である。
この条件さえ満たせばどこの映画であろうとノミネート資格を持てるのだが、アメリカでは上映される全映画のうち映画が実に8割以上を占めるため、必然的にアメリカ映画が賞を独占しがちである。

ただし外国語映画賞やアニメーション部門、ドキュメンタリー部門はこの限りではない。外国語映画賞は、各映画産業からの推薦によって補作が決まる。また、世界各地で行われるアカデミー賞認の映画祭のグランプリ受賞作もアカデミー賞のノミネート補作に推挙される。

投票者

前述の通り、投票資格を持つのはアメリカ映画芸術科学アカデミーの会員である。
このアカデミーは、映画産業において功績を挙げた映画人が名を連ねる招待制の組織で、映画監督から俳優脚本家、VFXアーティストメイクアップアーティストなどに至るまで様々な職種からメンバーが集められている。
名簿は非開であるが、2022年時点でその総数は9500人以上に及び、30か以上から集められている。日本映画人にも招待された者は多くおり、北野武押井守新海誠細田守真田広之菊地凛子イッセー尾形安藤サクラなどの名前が挙がっている。

つまるところアカデミー賞とは、業界人がお互いを称えるための賞であり、不出来な作品でも獲れる…とまでは言わずとも、出来不出来だけで決まる賞ではないのが実際のところである。

おこの会員の構成については、人種的多様性に欠けていると猛批判を受けており(実際に2000年代前半までは9割が白人で7割が男性という偏りっぷりだった)、近年のアカデミーは多様なメンツを慌てて集めている。9500人いるという会員が、ほんの10年ほど前までは6000人程度だったと言えば、その急増っぷりがわかる。

賞の部門

この表のうち最初の8部門は、ハリウッドにおいて"above the line"(予算表で”線”より上に名前が書かれるという意味。映画の出来と予算の多寡に大きくする役職のこと)と呼ばれ、要部門とみなされている。さらにこのうち作品賞・監督賞・脚本賞・男優賞・女優賞は"Big Five"と呼ばれ、要5部門として特に注されている。
これまで要5部門を独占したことがあるのは『の出来事』『カッコーの巣の上で』『羊たちの沈黙』の3作。8部門に広げると、そのうち6部門を独占した『エヴリシング・エヴリウェア・オール・アット・ワンス』が最高記録である。

全部門を見渡した場合、最多同時受賞記録は『ベン・ハー』『タイタニック』『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』の13部門である。

なお『千と千尋の神隠し』の受賞が話題となった長編アニメーション部門は、実は2001年創設と最も新しい部門である(これに対して短編アニメーション部門は1931年創設と非常に長い歴史を持っている)。

特別賞

日本映画・日本人関係の受賞

受賞作品 受賞部門 受賞者 備考
1951年 第24回 羅生門 名誉賞 黒澤明
1954年 第27回 地獄 名誉賞 衣笠貞之助
1954年 第27回 地獄 衣装デザイン 和田三造
1955年 第28回 宮本武蔵 名誉賞 稲垣
1957年 第30回 サヨナラ 助演女優 ナンシー ハリウッド映画での受賞
1972年 第45回 科学技術賞 向井二郎広瀬 映画マクロズームレンズ開発
1975年 第48回 デルス・ウザーラ 外国語映画 黒澤明 ソ連作品
1975年 第48回 科学技術賞
1981年 第54回 科学技術賞 富士写真イル 映画用高感度カラーネガフィルム開発
1985年 第58回 衣装デザイン ワダ・エミ
1987年 第60回 ラストエンペラー 作曲 坂本龍一
1989年 第62回 名誉賞 黒澤明
1991年 第64回 ドラキュラ 衣装デザイン
1998年 第71回 短編ドキュメンタリー映画 恵子
2002年 第75回 千と千尋の神隠し 長編アニメーション映画 宮崎駿
2004年 第77回 ゴードン・E・ソーヤー賞 宮城卓夫
2007年 第80回 科学技術賞 坂口 流体シミュレーションシステム開発
2008年 第81回 おくりびと 外国語映画 田洋二郎
2008年 第81回 つみきのいえ 短編アニメーション映画 加藤久仁生
2014年 第87回 名誉賞 宮崎駿
2018年 第90回 ウィストンチャーチル/ヒトラーから世界を救った男 メイクアップ&ヘアスタイリング
2020年 第92回 スキャンダル メイクアップ&ヘアスタイリング カズヒロ
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2022年 第94回 ドライブ・マイ・カー 際長編映画 濱口 日本映画として作品賞に初ノミネート
2024年 第96回 君たちはどう生きるか 長編アニメーション映画 宮崎駿 日本映画初の同一回での複数部門受賞
ゴジラ-1.0 視覚効果賞 山崎貴

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