アカン語

アカン語とは、言語のひとつである。

概要

ニジェール・コンゴ語族のひとつで、主にガーナやコートジボワール東部に住む同族民族によって話される言語。ガーナ共和国では70以上の現地語のひとつだが、800万人以上の人々に母語として使われるほか、相当数の人が第二・第三言語として使用する。また奴隷貿易を通じて南アメリカやカリブ海にも若干名話者が存在する。

主にアサンテ、アクアペム（もしくはトゥイ）、ファンティの3方言に分類される。

音韻体系

母音

Orthog.	前方舌根性	後方舌根性
i	/i̘/ [i̘]
e	/e̘/ [e̘]	/i/ [ɪ~e]
ɛ		/e/ [ɛ]
a	[æ~ɐ]	/a/ [a]
ɔ		/o/ [ɔ]
o	/o̘/ [o̘]	/u/ [ʊ~o]
u	/u̘/ [u̘]

さらにトゥイ語では母音調和が行われる。

子音

		唇音			歯茎音			舌背音			唇音化
鼻音	通常	m		⟨m⟩	/n/	[ŋ, ɲ, ɲĩ]	⟨n, ngi⟩				/nʷ/	[ŋːʷ, ɲᶣĩ]	⟨nw, nu⟩
	長子音				/nː/	[ŋː, ɲːĩ]	⟨ng, nyi, nnyi⟩				/nːʷ/	[ɲːᶣĩ]	⟨nw⟩
破裂音	無声	/p/	[pʰ]	⟨p⟩	/t/	[tʰ, tçi]	⟨t, ti⟩	/k/	[kʰ, tɕʰi~cçʰi]	⟨k, kyi⟩	/kʷ/	[tɕᶣi]	⟨kw, twi⟩
	有声	b		⟨b⟩	d		⟨d⟩	/g/	[dʒ, dʑi~ɟʝi]	⟨g, dw, gyi⟩	/ɡʷ/	[dʑᶣi]	⟨gw, dwi⟩
摩擦音		f		⟨f⟩	s		⟨s⟩	/h/	[çi]	⟨h, hyi⟩	/hʷ/	[çᶣi]	⟨hw, hwi⟩
その他					/r/	[ɾ, r, ɽ]	⟨r⟩				/w/	[ɥi]	⟨w, wi⟩

その他

音節構造は以下の五種類である（C：子音、V：母音、N：鼻子音）

• V
• CV
• N
• VN
• CVN

また声調が存在することも注意すべき点である。

文法

動詞活用形の声調は、動詞語根の音節構造や目的語／目的接語の有無 などによって決まるが、さらに通時的な変化も関与している。

要するに、イントネーションや語根に接辞をつけていくやり方で、動詞に意味を付加していくということである。

名前

アカン族は次のように３つ～５つの名前を持つ。

1. 曜日の名前
2. 親族の誰かにもらう名前
3. 生い立ちを表す名前
4. 父の「姓」
5. クリスチャン・ ネーム

ガーナの初代大統領クワメ・ンクルマは、土曜日生まれ（Kwaame）の9番目の子 （Nkroma）で、コフィ・アナン元国連事務総長は、金曜日生まれの（Kofi）、4番目の子（Anan）という意味である。

関連項目

• 言語の一覧
• オニャンコポン