アクセル・ホネット(1949~)とは、フランクフルト学派の第3世代に属する思想家である。
1949年に西ドイツのエッセンに生まれる。ギムナジウムの卒業後は各大学を転々として周り、1983年にベルリン自由大学で博士号をとった。1990年にフランクフルト大学の教授になる一方2011年からはコロンビア大学の人文科学の教授にもなっている。
フランクフルト学派は、近代的理性に批判的だった第1世代のテオドール・アドルノ、マックス・ホルクハイマー、コミュニケーション論的転回を行い「近代」をやや肯定的に受け止めた第2世代のユルゲン・ハーバーマスと続いてきた。その流れの中で彼が行ったことは「承認論的転回」と呼ばれるものである。彼はヘーゲルが主張した「承認」概念について現代社会で有効であるかどうかを思索したのである。
そこでちょうど彼が出会ったのがマイノリティー問題やフェミニズムから派生した多文化主義の問題である。つまり現在進行形でそれまでマジョリティから排斥された文化に属する人々が「承認」を求めていたのである。そこで彼はナンシー・フレイザーと共著『再分配か承認か』を書いたのであるが、フレイザーと異なり彼は「経済的な再分配の闘争」と「承認をめぐる闘争」は等しく理解すべきだと主張したのであった。
そのために社会における人間関係は「承認」という観点から理解しなくてはならないという「承認一元論」、それこそが彼のもっとも大きな主張となっている。
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最終更新:2024/04/25(木) 08:00
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