アシリパとは (アシリパとは) [単語記事]

「懸命に走る鹿の姿、内臓の熱さ、肉の味、全て鹿が生きた証だ。
全部食べて全部忘れるな！！それが獲物に対する責任の取り方だ」

概要

北の大地で杉元が出会った少女。
和人の言葉を解し、山での暮らしや狩猟の知識に長けている。
「新年」や「未来」と言った意味の名を与えられた自分を「新しい時代のアイヌの女」と称し、
古い因習だけに囚われない現実的な考えを持つ。
アイヌの埋蔵金を奪った人物に父を殺害されており、仇を討つべく優秀な戦士を認めた杉元と行動を共にすることに。～アニメ版公式サイトより

人物

十代前半のアイヌの少女。
母親はアイヌ、父親はポーランド人とアイヌのハーフ。母は彼女の出産時に亡くなり、父は殺害されてからは叔父の家で暮らしている。
作中の人物評によるときめ細かな肌と艶やかな髪、父親譲りの深く美しい青色の瞳を持つ美しい娘との事。
実際のキャラクターデザインもロングヘアーに眉が凛々しくおメメぱっちり。凛とした、と言う形容がぴったりの美少女。しかしギャグシーンでは物凄い顔芸も披露してくれる。

性格そのものは優しく人情味があるが、その思考パターンは非常にたくましく極めて行動的。
常に冷静さを失わず、とっさに機転を効かせられるなどおおよそ子どもとは思えない度胸も持つ。
そんな活動的な一面を持つ反面、とても聡明。杉元からアイヌのカムイ信仰を信じているかを問われた際、「信仰の中には私たちの生きるすべが入っている」と述べ、アイヌ信仰に対する現実的・客観的な捉え方を明かした。そしてそう言った現実的な分析をしつつも信仰と自然に対しての敬意を失わず真摯に向き合っている。まさに「新しい時代のアイヌの女」を自称するに相応しい人物と言えよう。

作品のメインヒロインではあるが、守られるヒロインではなく本来の女傑と言う意味合いのヒロインの方。
幼い頃父の狩猟に連れ出されていたため山での狩猟やサバイバルの知識と技術に長けており、毒の取り扱いから獲物の捌き方、山菜やきのこの使い方など多岐に渡る。
杉元に逐一丁寧に説明しながら伝授している。杉元からは敬意をもって「アシリパさん」と常にさん付けで呼ばれる。

メイン武器は弓矢、腕前は一流でたびたび弓矢で杉元の窮地を救っている。大型の獣を狩猟する際にはトリカブトの毒を使用する。対人戦闘でも持ち前の度胸でおじけづく事はないが、アイヌの考え方ゆえ人殺しはせず援護射撃が主。

本作の大きな見どころである料理・食事シーンにおいてはその知識とスキルを遺憾なく発揮。
アイヌの伝統料理を杉元達にふるまう。
その際生の脳みそなど和人には食べなれない物も半ば押し付けるようにふるまっているが、作者インタビューによるとこれは別に食べづらいことが分かってて旅行者に珍味を勧める外様イビリのようなものではなく、自文化では美味しく食べられるものを食べて貰おうと純粋に勧めているだけであるそう。
またアシリパさんも杉元の兵装で栄養食として持参されていた味噌をオソマ（うんこ）と勘違いして拒否感を示していたが、のちに歩み寄り克服。どころか汁物のたびに味噌を遠回しにねだるようになり、得意の顔芸で飛びついたりするほど味噌好きなる。なお呼称はオソマのままで杉元は他のアイヌ人に大いにドン引きされる憂き目にあう事も。

本作の主人公、杉元佐一の事は優秀な戦士と認め相棒として行動を共にしている。杉元の異文化に誠実に接する態度もあってか結構早い段階から全幅の信頼を置くようになっていた。
叔父いわく杉元と過ごすようになってからよく笑うようになったとの事なので、父を亡くして以来の寂しさを埋められた面もあったのだろう。
また杉元の事を憎からず想っている様子。祖母にこの子を嫁に貰ってくれと杉元に語られたときにはまんざらでもない顔だったが、流石に通訳するのは恥ずかしかったので杉元本人には出鱈目を伝えていた。
美人のインカラマッに杉元が少しにやけようものなら露骨に嫉妬したりするのは数少ない年相応の少女の一面だろう。

また彼女にはレタㇻと言う絶滅したはずのエゾオオカミの生き残りが味方についている。
幼い頃ヒグマに襲われていた仔狼を父親と一緒に助けて育てていたモノで、父を失ってからも生活を共にしていたが、他の狼の遠吠えに呼応して彼女の元を離れていった過去がある。
しかし今もなおアシリパさんへの親愛と忠誠は持ち続けており、山でアシリパさんに危機が迫るとどこからともなく馬鹿デカい白い狼がものすごい勢いで駆けつけて来て危機を排除する。