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アセチルコリン(Acetylcholine)とは、副交感神経や運動神経などの神経伝達物質である。
アセチルコリンは、交感神経および副交感神経の節前線維終末、副交感神経の節後線維終末、運動神経終末、一部の中枢神経終末から放出される神経伝達物質である。神経以外の一部の細胞においても、細胞間の情報伝達物質として機能している。
1914年、イギリスの脳科学者ヘンリー・ハレット・デールによって発見された。また、1921年にはオーストリア、ドイツ、アメリカの薬理学者オットー・レーヴィの実験によって神経伝達物質であることが示された。彼らはこの功績により、1936年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。
アセチルコリンは、コリン作動性神経(アセチルコリンを放出する神経)の終末で、コリンアセチルトランスフェラーゼによってアセチルCoAとコリンから合成され、シナプス小胞(物質を貯蔵する袋のようなもの)に貯蔵される。神経が興奮すると、シナプス小胞は神経細胞膜に融合し、内包する神経伝達物質をシナプス間隙(神経細胞と、ほかの細胞や筋線維との間にある、20nm程度の隙間)に放出する。放出されたアセチルコリンは、アセチルコリン受容体に結合し作用を発現する。シナプス間隙にあるアセチルコリンは、いずれはコリンエステラーゼによってコリンと酢酸に分解されるか、神経に再取り込みされる。
アセチルコリン受容体は、ムスカリン受容体(mAChR)とニコチン受容体(nAChR)に大別され、さらにサブタイプ(亜型)が存在する。それぞれ、ムスカリンとニコチンが作用するためそう名付けられたが、アセチルコリンはいずれの受容体にも作用する。ムスカリン受容体は脳や副交感神経終末などに存在し、ニコチン受容体は自律神経節、神経筋接合部、中枢神経系などに存在する。アセチルコリンがこれらの受容体に結合すると、ムスカリン作用として瞳孔収縮(縮瞳)、心拍数や心筋収縮力の低下、気管支の収縮、消化管運動や消化液分泌の亢進、排尿筋の収縮などが起こり、ニコチン作用として副腎髄質からのアドレナリン分泌、骨格筋の収縮などが起こる。
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最終更新:2024/04/20(土) 09:00
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