アヌビス 単語

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アヌビス

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アヌビス(エジプト文字転写: inpw 古典ギリシア語: Ἄνουβις (Anūbis アヌービス) アッカド語転写: Anapa)とは、古代において、エジプト周辺の人々に崇拝されたである。

概要

基本的な性格


発祥の地は上エジプト都市ハルダイHardai 「ホルスはここにおわす」の意、古典ギリシア語ではキュノポリス(Κυνόπολις Kynopolis 「都市」)、現在エルカイス El-Kays)で、そのため同地は長いあいだ有な信仰の地として栄えたとされる。またナイル川150kmほど遡ったところにあるザウティ(Zawty 「守り手」の意、古典ギリシア語ではリュコポリスΛυκόπολις Lykopolis都市」)、現在アスユート Asyut)ではジャッカルの姿をした狩猟と戦いのウェプワウェト(Wepwawet)と共に厚く信仰され、両者はしばしば同一視された。

中王時代にオシリスを中心とするパンテオンに習合されるが、その役割の重要さのためもあってか、となったオシリスがかつて担っていた死者と埋葬としての役割の多くを受け持つこととなり、その特徴的な姿も相まってエジプト々の中でも特に知名度の高い一柱としても知られている。

外観はの上に寝そべる(またはジャッカル)、または(同)の頭部を持った人間の姿をしている。そのため、恐らくイヌ科の動物墓地をうろつく姿を "番人" と、荒地で遺骸を見つけ出す様を "どんな死者の許へも来てくれる" と看做したことが格化の端緒であったろうと考えられている。

アヌビスはまた、実際に信仰を集めた期間が長かったことでも知られる。エジプト文明の初期王時代(第1~2王)には既に尊崇されていたらしい拠が見つかっているが、後に地中海世界キリスト教に席巻されると、類似したエジプトギリシア々を統合してそれに対抗する動きの中、アヌビスの頭部をもつヘルメスヘルマヌービス、Ἑρμανοβις Hermanûbis)などの形で崇拝を保った。

職能

基本的に「人間の生死」に関わる事柄についてのとして奉られる。特にファラオ埋葬に大きく関わっている。

神話におけるアヌビス

神話においては、バラバラに切り刻まれたオシリス遺体を組み立て、防腐処置を施し、イシス女神がその魔術を使ってオシリスらせる際などにおいて重要な働きを見せた。そのため防腐処置の発明者とされ、ミイラ作りをする官たちからは特に厚く信仰された。

死者の書におけるアヌビス

死者を埋葬する際、儀式によってその遺体から解き放ち(口開けの儀式)、悪霊から死者のを護りつつ、生前の行いの正邪を見極める場所へと案内する役割を担っている。そのため死者の安息を願う人々の手により、重要とされたネクロポリス(墓)には必ずこの聖域が設けられた。

生前の行いの正邪を見極める場所では、審判者たるオシリスらに対し死者自身による弁明が行われる。弁明が終わると、死者の心臓と「マアトの羽根」と呼ばれるものの重さをべてその言葉に偽りがいか調べられるが、その際アヌビスは、計りに死者の心臓を載せる役割も担っている。

これらに加え、オシリスの陪としてその敵、セトに相対する役も持っている。その場合は、死者のを案内するもう一柱の犬神ウプウアウトと共同戦線をり、オシリス(=死者)のために戦うのである。

創作作品などにおけるアヌビス

詳しくは以下の記事を参照して下さい

古代における有であり、その知名度も高い事から、これら以外についてもエンタテイメント系作品などに登場することも多い。しかし、アヌビスはもともと死者を安息へと導くであるはずなのに、創作作品においてはなぜか死神とされてしまっている場合も見られる。

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