アフリート(Afleet)とは1984年生まれの、カナダ出身の競走馬。
北米で競走馬として活躍した後、種牡馬として交流元年以降の日本ダート界を牽引。
*フォーティナイナーや*ジェイドロバリーらと共に、日本におけるミスプロ系の先駆けとも言える。
名前は「艦隊(A Fleet)」に由来する造語、らしい。
主な勝ち鞍
1987年:ジェロームハンデキャップ(GI)、ペンシルヴァニアダービー(GII)
1988年:トボガンハンデキャップ(GIII)
父Mr. Prospector、母Polite Lady、母父Venetian Jesterという血統。
父は説明不要の大種牡馬で、本馬は9年目の産駒、生まれた頃には既に後継のFappianoやMiswakiが種牡馬入りしていた。母は米国で9戦7勝。母父は大種牡馬Tom Fool産駒だが、目立った産駒はいない。
カナダで誕生し、同国のウッドバイン競馬場でデビュー。デビューしたのは3歳の5月とかなり遅い。
デビュー戦で10馬身差をつけ、その後4戦目を5着に敗れたのみのデビュー5戦4勝でトライアルを勝利しカナダ産馬のダービー、クイーンズプレートに挑むが、ここを2着に敗れる。
以後アメリカを主戦場に移し、初戦のジェロームハンデ(GI)をコースレコードで快勝。GII勝利とGI2着を挟んでBCクラシックに挑むが、当時の最強古馬と3歳馬コンビである*FerdinandとAlyshebaのデッドヒートを後方から傍観するだけの10着に敗北。
しかし、アメリカへの果敢な挑戦が評価されカナダのソヴリン賞において年度代表馬・最優秀3歳牡馬に選出される。
翌年以降は短距離~マイルを中心に走るが、初戦のGIIIを勝利して以降勝ちきれなくなる。
一応GI2着2回と、BCスプリント3着があるが、同父であるGulchに対して連敗を重ねていた。
4歳限りで引退し、通算15戦7勝。競走馬としては一流半といったところか。
1989年からケンタッキー州で種牡馬入りする。
ぼちぼち重賞馬が出ており、そろそろ大物が欲しいなと思っていた頃の1994年、日本で持込馬ゴールデンジャックが重賞を2勝しオークス2着に入る好成績を残す。その為か1994年の種付けシーズン後に日本へ輸出することになり、翌95年から日高でスタッドインする。
日高では人気種牡馬として毎年100頭以上の牝馬を集め、初年度産駒から99年桜花賞馬プリモディーネを輩出。その後地方との交流競走の増加やJBCの創設など、日本全体でダート路線の拡充が為される。
これが彼にとって僥倖となる。交流競走の名牝プリエミネンスや名ダートマイラーのスターリングローズ、ダートスプリントの雄バンブーエールなどダートで良績を残す産駒を多数送り出し、2000年から3年連続でダートリーディングサイアーに輝く。
アフリート産駒の特徴。それは「馬主孝行」であることだ。
まず、勝ち上がり率が非常に高い。中央地方含めた勝ち上がり率は75%に達する。これは*サンデーサイレンスが僅かに上回る程度(やべーなSS)で、通常半分も勝ち上がれば優秀な方である。
次に産駒が頑丈で、息の長い活躍をする。どういうことかと言えば、レースに出しまくって入着して貰えば賞金や出走奨励金を稼ぎやすいのである。
最後に、ダートで良績を残している。岩手を除けばダートしかない地方競馬において活躍が期待できることから、産駒には地方重賞馬も沢山いる。地方競馬場の連続廃止の逆風にも打ち勝った。
上の事が重なるとどうなるか、生産者としては「高く売れる馬」が生まれてきてくれるのである。
さながら、*テスコボーイやトウショウボーイのようなお助けボーイである。
同じミスプロ産駒である*ジェイドロバリーや*フォーティナイナー、地方のSSこと*アジュディケーティングと共に、日本のダート競馬を支えた名種牡馬である事は疑いようがない。
母父としてもノボジャックやニシケンモノノフといったダート馬を出しているが、父親によってはサイドワインダーなどの芝馬も出ている。少し前までブルードメアサイアーランキング上位の常連であった。
本邦輸入前に残した産駒にNorthern Afleetという馬がいる。
彼はGII2勝程度の、そこそこの競走馬で終わったものの、種牡馬入りすると快調な滑り出しを見せ、
2005年米国二冠馬Afleet AlexやBCマイル優勝馬World Approval、BCスプリント優勝馬Amazonbie、ドバイGシャヒーン優勝馬Big City Manなど活躍馬が出るわ出るわの大活躍。
Afleet Alexも現在種牡馬として活躍しており、北米でサイアーラインが伸び続けている。
日本供用直後の活躍もあり、*フォーティナイナー同様、アメリカから買い戻しのオファーが届いたが、
まあ日高のエースでクリーンナップの種牡馬を渡すわけ無いわな。
アフリートはコンスタントに活躍馬を出すが大物は散発的で、後継種牡馬も育つかどうか。Afleet Alexを擁する母国はともかく日本では割と怪しいところである。スターリングローズ産駒のアスカクリチャンが種牡馬入りし、そこからさらに交流重賞馬クリノドラゴンが輩出されたためもうしばらくはサイアーラインは続くだろうが、更なる発展は2021年のジャパンダートダービーを制したバンブーエール産駒のキャッスルトップが今後種牡馬入りできるかどうか次第だろう。
アフリートは2010年に種牡馬を引退。そのままブリーダーズスタリオンステーションで繋養され、
2014年の1月に老衰でこの世を去った。享年30歳の大往生であった。
Mr. Prospector 1970 鹿毛 |
Raise a Native 1961 栗毛 |
Native Dancer | Polynesian |
Geisha | |||
Raise You | Case Ace | ||
Lady Glory | |||
Gold Digger 1962 鹿毛 |
Nashua | Nasrullah | |
Segula | |||
Sequence | Count Fleet | ||
Miss Dogwood | |||
Polite Lady 1977 鹿毛 FNo.1-h |
Venetian Jester 1964 栗毛 |
Tom Fool | Menow |
Gaga | |||
Venice | Princequillo | ||
Delta | |||
Friendly Ways 1968 鹿毛 |
Green Ticket | Traffic Judge | |
Piccalilli | |||
Ways to Learn | Thinking Cap | ||
Worth Saying | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Nasrullah 4×5(9.38%)、Bull Dog 5×5(6.25%)
掲示板
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最終更新:2024/04/24(水) 19:00
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