高濃度のアルコールにニガヨモギ、アニス、フェンネル、ヤナギハッカ、ショウブ、セイヨウトウキ、コリアンダー、八角などを浸透させエキスを抽出したものを蒸留し、それに小ニガヨモギ、ミント、レモンバーム、リコリスなどを漬け込みエキスを抽出したリキュールである。葉緑素を保持するためにはアルコール度数が高くなくてはならず、70%前後のものが多い。加水すると白濁するのが大きな特徴である(ただし種類によっては白濁しないものもある)。
飲む際は専用のグラスにアブサンを注ぎ、穴が開いたアブサンスプーンという特殊な穴が開いたスプーンの上に角砂糖を乗せ、その上に水を垂らして角砂糖を溶かしながら3~5倍に薄めて飲むのがスタイルである。また、アブサンスプーンに乗せた角砂糖にアブサンを垂らし、火を着けるというスタイルもある(自然鎮火後に水を垂らして水割りにする)。
17世紀後半にスイスのヌーシャテル州周辺にて発展し、アンリ・ルイ・ペルノーがフランスのポンタルリエに大規模な工場を建設、現在のペルノリカール社を設立し、量産を開始。19世紀中ごろからフィロキセラの大流行によって壊滅的打撃を受けたワインに変わって広く出回るようになった。が、19世紀後半にはアブサンのメインフレーバーであるニガヨモギに含まれるツヨンの中毒性が問題となり、1898年にコンゴ自由国で禁止されたのを皮切りに第一次世界大戦後までにはイギリス、スペイン、ポルトガルを除いた欧米諸国で禁止された。その後ペルノリカール社はスペインで生産されたものが1970年代まで輸入し、スイスでは長い間密造によって密かに連綿と技術が継承され、摘発から逃れるために透明なアブサンを造る技術が発達した。
その後、1981年にWHOがツヨンの規制を緩和したこともあり、1988年にフランスで、2005年にはスイスで解禁され、近年ではアフリカ、中南米、カナダ(ケベック州を除く)、アメリカの海外領土もとい元海外領土などを除いた国では問題なく販売できるようになった。
アブサンが禁止されたことから作られた代用品であり、EUの規定ではリコリス、アニス、ディルなどを使いアルコール40度以上のものをパステイスと呼ぶ。1932年にペルノリカール社が発売した「リカール」が始祖だと言われている(ただしリカールはリコリスを使用していないため法律上はパスティスではなくアニス酒である)。琥珀色をしておりアブサン同様水を加えると白濁する。
19世紀後半には多数の著名人もアブサンを愛飲した。中には著作のモチーフとした者もいる。だがアブサンで身を持ち崩した(少なくともその一因になったと疑われている)人物も少なくない。
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12 ななしのよっしん
2020/03/20(金) 15:42:13 ID: RcOYTI6XMT
野球漫画の方のあぶさんのタイトル並びに主人公の渾名がこれ由来なのも書いてくれるとありがたい
13 ななしのよっしん
2021/09/14(火) 21:16:43 ID: bQ1QbHGK7O
「月と六ペンス」読んだのがきっかけで飲むようになった
登場人物の画家ってゴーギャンがモデルなんだよな
14 ななしのよっしん
2021/09/14(火) 21:19:29 ID: bQ1QbHGK7O
以前に台湾料理とかよく食べてたおかげでアニスの独特な風味もすんなり受け入れられたわ
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最終更新:2024/04/19(金) 13:00
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