アメリカビーバー(学名:Castor canadensis)とは、ビーバー科ビーバー属に分類されるビーバーの仲間である。現存するビーバーの仲間はアメリカビーバーとヨーロッパビーバーのみである。
北アメリカ大陸の広範囲に生息しており、主にカナダ付近が有名な生息地である。また、ヨーロッパの一部に移入しており、カピバラに次ぐ大きさを持つげっ歯類である。
ヨーロッパビーバーよりも大きく、体長は74㎝から90㎝、体重は11㎏から35㎏ほど、尻尾の長さは20㎝から40㎝ほど。体毛は長く、毛色は茶色や褐色、茶褐色などで、耳は小さく、四肢は短い。この体毛の内側にはびっしりと白い毛が生えており、そこから油分を分泌して水をはじく。半水生の生活をしており、尻尾は毛がなく、オールのような役割を持つ。水中ではこの尻尾を上下動かして推進力を得ている。また、後肢だけで立つこともでき、その際は尻尾でバランスを取っている。潜水能力も優れており15分程度潜ることができるといわれている。また、皮下脂肪を蓄えており寒い水中でも活動できる。
主に夜行性で、夕方や夜に活動する。水の流れる音がすると本能的にダムをつくる性質があり、夜のうちに塞いでしまう。一日の大半を水中及び巣の中におり、木を切り倒すときなど以外で陸に上がることは少ない。木を組み立てて巣をつくる。この巣は水上に出ているが、入口は水中にある。冬場は木の枝や幹を水中に沈めて保存食にしている。
ヨーロッパに移入した個体はヨーロッパビーバーと生存競争をすることはあるが、雑種が産まれることはない。これは、ヨーロッパビーバーとアメリカビーバーの染色体の本数が違うため、繁殖したとしてもちゃんと産まれることはない。
かつては毛皮目的で多数のビーバーが狩られたが、現在では流通することもなくなり、狩る意味もなくなっている。川をせき止めるダムをつくることで知られているが、世界最大のダムは、カナダのウッド・バッファロー国立公園に存在する。このダムは宇宙からも確認できるともいわれており、全長が1㎞近くにもなる。
ヨーロッパビーバーとは違い、日本にも動物園で飼育されている。日本の動物園で観ることができるビーバーのすべてがアメリカビーバーである。東武動物公園や札幌市円山動物園、羽村市動物公園、東山動植物園などで飼育・展示されている。
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最終更新:2024/04/25(木) 18:00
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