アルカセット(Alkaased)とは、2000年生まれのイギリスの競走馬である。
世界的名手とともにレコードタイムでジャパンカップを勝利した。2018年現在、ジャパンカップを制した最後の外国馬である。
主な勝ち鞍:サンクルー大賞典(GⅠ)、ジャパンカップ(GⅠ)
父キングマンボは日本にもエルコンドルパサーやキングカメハメハといった名馬を輩出し、世界中に優秀な競走馬を送り出した名種牡馬、母*チェサプラナは後に日本に輸入された独1000ギニー2着馬。母の父ニニスキは現役時代長距離戦で活躍した英国馬で、産駒にもキングジョージ勝ち馬ペトスキ、仏ダービー馬エルナンドなどがいる。
父は世界的な名種牡馬、母は独1000ギニー2着という良血から、35万ドルという金額でドバイの副首長であるシェイク・ハムダンに購買された。血統的にヨーロッパの芝コースの方が向いていると見られてかイギリス・ニューマーケットの名門サー・マイケル・スタウト厩舎に送られる。
しかしそんな良血馬の2・3歳時の戦績は6戦1勝2着3回と、安定感はあったが期待外れもいいところな戦績であった。馬主であるハムダンはあっさり見切りをつけ、アルカセットは海外でよく開催されている現役馬のセールに上場されてしまう。
しかし、そこである人物の目に留まる。それはマイケル・チャールトンという人物だった。だがチャールトンがこの馬を購入しようとした時、付き添いの調教師の獣医師が「故障持ちで走れるかどうかは半々」と調教師に進言。すると今まで購入を薦めていた調教師が一転、撤退するように薦める。しかし、その時チャルートンはこう言った。
「たとえ五分でも走れる可能性に賭けたい」と。なにこの人かっこいい
これによりチャールトンはアルカセットの購入を決め、日本円にしておよそ900万円という安値で購買され、ニューマーケットのルカ・クマーニ厩舎に預けられた。ちなみに世話を担当した厩務員は日本人で、彼は本馬を「タロウ」と呼んでいたという。
その後もニューマーケットを拠点に現役生活を送っていたアルカセット。4歳時は4戦2勝2着2回と勢いを増していき、翌年、5歳となったアルカセットは5月にジョッキークラブステークス(GⅡ)で初重賞制覇。初のGⅠ挑戦となったコロネーションカップは2着に敗れるが、次走サンクルー大賞典では世界的名手ランフランコ・デットーリを背に2馬身差の快勝で初のGⅠタイトルを手にした。
その後出走したフォワ賞とチャンピオンステークスはそれぞれ2着・5着と敗れ、その後アメリカのブリーダーズカップ・ターフに挑戦しようと渡米するが現地で血球数の異常が見つかりこれを回避。そのため日本で開催される国際競走ジャパンカップに駒を進める。
そして迎えたジャパンカップ、アルカセットの鞍上にはサンクルー大賞典の時と同じデットーリが跨る。この年のジャパンカップは前年の秋古馬3冠馬ゼンノロブロイ、後にディープインパクトを下すハーツクライ、前々年の同レースを9馬身差で圧勝したタップダンスシチー、クラシック戦線でディープインパクトに食らいついたアドマイヤジャパン、エアグルーヴ以来となる牝馬の天皇賞馬ヘヴンリーロマンス、他にもリンカーン、スズカマンボ、コスモバルクといった非常に豪華なメンバーが揃っていた。
外国馬も負けず劣らず、英愛オークスやブリーダーズカップ・フィリー&メアターフを勝っている女傑ウィジャボード、前年の凱旋門賞馬バゴといった有力馬が来日。そんな中でアルカセットはゼンノロブロイ、ハーツクライに次ぐ3番人気に支持される。
そしていざレースが始まると、スタート少し出遅れるも大きく逃げるタップダンスシチー、ストーミーカフェを好位で見ながら上手く足を溜め、直線向くと超ハイペースで先行馬がへとへとの中馬群の中を抜け出して先頭に立つ。最後にハーツクライの猛追を受けるが、ハナ差しのぎ切り見事勝利。
そしてすごいのがその勝ちタイム2分22秒1。1989年にホーリックスが叩き出したあの伝説のレコードタイムを0.1秒更新したのである。東京競馬場の改修等で時計が出やすくなっていたという点もあるかもしれないが、実力は本物だろう。しかしこの記録も2018年のジャパンカップでアーモンドアイが更新した(それどころか、ジャパンカップ6着の馬までもが2分22秒1の記録を更新した)。
その後は香港遠征などが計画されたが、日本での種牡馬入りが決まったためそのまま引退となった。通算成績16戦6勝、2着7回。地味に安定感のある馬で6着以下になったことは1回もなかった。
種牡馬入り後はそこそこの数の牝馬を集めたが、産駒の活躍が芳しくないことからか種付け数は年々減少。2011年の種付けシーズン終了後にイギリスに再輸出され、現在はイタリアで供用されている。
ちなみにアルカセット以降ジャパンカップは2020年時点で日本馬が15連勝中であり、アルカセットが最後の外国馬によるジャパンカップ勝利馬である。近年はジャパンカップの約2週間後に開催される香港国際競走が充実したため、来日する外国馬も年々質が悪くなっており勝ち負けどころか掲示板にすら入らないことも多くなっており、2019年のように1頭も来日しなかった年すらある。
Kingmambo 1990 鹿毛 |
Mr. Prospector 1970 鹿毛 |
Raise a Native | Native Dancer |
Raise You | |||
Gold Digger | Nashua | ||
Sequence | |||
Miesque 1984 鹿毛 |
Nureyev | Northern Dancer | |
Special | |||
Pasadoble | Prove Out | ||
Santa Quilla | |||
*チェサプラナ Chesa Plana 1989 鹿毛 FNo.10-c |
Niniski 1976 鹿毛 |
Nijinsky | Northern Dancer |
Flaming Page | |||
Virginia Hills | Tom Rolfe | ||
Ridin' Easy | |||
Top of the League 1982 黒鹿毛 |
High Top | Derring-Do | |
Camenae | |||
Home and Away | Home Guard | ||
Garden of Eden |
クロス:Northern Dancer 4×4(12.5%)、Forli 5×5(6.25%)
掲示板
3 ななしのよっしん
2020/05/15(金) 08:34:16 ID: 99h/l9gcv1
アルカセットは社台で繋養されてもらいたかった
当時のダーレーじゃ成功何て無理
4 ななしのよっしん
2022/07/06(水) 22:20:45 ID: tCJ9Kao+DR
絶望的に産駒が走らなかったことで有名
天下のゴドルフィンでもこういうことはあるけど自分も失敗なんてありえないと思ってた
5 ななしのよっしん
2022/11/04(金) 01:53:46 ID: FuSpEHBUm8
まぁ事後諸葛亮だが今になってみたら母父のニニスキであっ(察し)とはなる
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最終更新:2023/06/04(日) 03:00
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