アルゴル(Algol)とは、銀河系の恒星の一つである。本項で解説。→概要へ移動
恒星(変光星・連星) | ||
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アルゴル Algol | ||
符号 | ペルセウス座β星 | |
距離 | 90光年 | |
合成等級 | 2.1〜3.4 | |
主星+伴星 | アルゴルA | アルゴルB |
スペクトル型 | B8V | K0IV |
表面温度 | 13000K | 4500K |
視等級 | 2.1 | 5.1 |
絶対等級 | -0.07 | 2.9 |
半径 | 太陽の2.73倍 | 3.48倍 |
質量 | 太陽の3.17倍 | 0.70倍 |
光度 | 太陽の182倍 | 6.92倍 |
備考 | 2.87日周期で公転 食変光星 |
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伴星(アルゴルC) | ||
スペクトル型 | A7m | |
表面温度 | 7500K | |
視等級 | 4.5 | |
絶対等級 | 2.3 | |
半径 | 太陽の1.73倍 | |
質量 | 太陽の1.76倍 | |
光度 | 太陽の10倍 | |
備考 | 681日周期で公転 | |
参照:Wikipedia英語版![]() |
ペルセウス座の方向にあり、2等星と3等星の間を行き来する変光星である。変光星の一種「食変光星」の中で最も有名な星。
名前の由来はアラビア語で「悪魔の頭」を意味する「ラース・アル=グール(رأس الغول)。「グール(悪魔)」は現代ではファンタジーによく出てくる名称だが、アラビアの伝承では頭を切り落とされても生きている化け物の一種だった。
そんな名前がつけられたのは、アラビアに伝わった天文学書『アルマゲスト』の中でこの恒星が「ゴルゴーンの頭の明るい星」と呼ばれていたからだ。ゴルゴーンとはギリシア神話に登場する石化能力持ちの怪物三姉妹の名で、その一人メドゥーサ(メデューサ)は英雄ペルセウスに討伐された。切り落とされてもなお石化能力が健在だった頭はその後ペルセウスに有効活用されることになる。
アラビアではメドゥーサをうまく自分たちの伝承に出てくるグールに置き換えたわけだ。
ただ、ギリシアでもアラビアでもこの星が変光星であることには誰も気がついていなかった[1]。不気味に明るさを変える瞳のようなこの星に「悪魔」の名がついていたのは絶妙な偶然の産物である可能性が高いのだ。
アルゴルの明るさが時々物足りないことに気づいたのはイタリアの Monotarinai Montanari(モンタナリ)という天文学者で、1667年のことだった。1783年に19歳のジョン・グッドリックが変光の周期性を発見し、何かが定期的にアルゴルを隠しているのではないかという仮説を立てた。1881年にアメリカの天文学者エドワード・ピッカリングが「食変光星」であることを提唱し、1889年にドイツのヘルマン・カール・フォーゲルがこれを証明している。
「食変光星」の「食」は「日食」の「食」と同じである。日食では月が太陽を隠すが、食変光星では一つの恒星が別の恒星を隠す。
アルゴルは多重連星系で、お互いのすぐ近くを約2日20時間49分の周期で回転する「アルゴルA」と「アルゴルB」、遠巻きにおよそ681日かけて公転する伴星「アルゴルC」などからなる[2]。このうちA星とB星が互いの周りを回る軌道は地球に対して横向きなので、定期的にお互いを隠し合うのだ。
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明 | 暗 | 明 | 微暗 | 明 |
アルゴルAだけが存在していたとしたら、その明るさは地球から見て常に2.1等級程度である。一方アルゴルBしかなかったとしたら5.1等級で、言い方を変えればA星はB星の15倍以上明るい。それでいながらB星の方がA星より微妙に大きい。そのためB星がA星の前を通過すると、見かけの明るさがぐっと暗くなるのだ。明るいA星がB星の前を通過するときも減光は発生するが、肉眼ではまず分からないレベルである。
アルゴルAとアルゴルBの距離は非常に近いので、地球から普通の望遠鏡で2つの星に分解することはできない。だがその変光周期とスペクトルの変化から、食変光星であることが分かるのだ。
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最終更新:2025/03/27(木) 16:00
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