アレクサンデル・ジークフリード・フォン・ローエングラム 単語

カイザーアレク

1.7千文字の記事

アレクサンデル・ジークフリード・フォン・ローエングラムAlexander Siegfried von Lohengramm)とは、「銀河英雄伝説」の登場人物である。「銀河英雄伝説」全編で最後に誕生した登場人物

概要

ローエングラム朝銀河帝国第二代皇帝獅子ラインハルト・フォン・ローエングラムヒルガルドの間の息子である。その生と治世はともに新帝国3年に始まった。

キルヒアイス大公の「ジークフリード」の名を受けて「アレクサンデルジークフリード」と名付けられ、ごく僅かな皇太子時代には「アレク大公プリンツ・アレク)」の通称で呼ばれた。

彼はの病床の側でフェリックス・ミッターマイヤーを友とし、幼少の間はヒルガルド摂政皇太后として務を執ることとなる。

伝説が終わり、歴史が始まる……」

ローエングラム朝の安定要素

 初代皇帝ラインハルトの短い治世の後の幼ということで、王自体の安定に不安を抱かれる方も多いかと思うが、その心配は恐らく杞憂である。実際、ラインハルト死亡時のローエングラム朝銀河帝国においては、乱世を招くような要素は底的に排除されていると言ってよいだろう。

ローエンラムの安定を担保する要素としては、以下の事が挙げられる。

  1. 国家体制の全な確立
    いわゆる「征国家」と異なり、ローエンラムの成立過程においては旧王からの譲位という体制をとっている。このため国家を維持するのに必要な官僚制をそのまま引き継いでおり、改めて構築する必要がなく、新国家の成立時にありがちな内政の混乱が抑制される。
  2. 外患の排除
    旧王時の最大の敵であった自由惑星同盟は新王の成立過程で滅亡している。残存したイゼルローン共和政府もまた、守りにくいバーラト系での自治承認という形で実質的な武装解除が確定している。もう一つの外部不安要素であった地球教もまたパウル・フォン・オーベルシュタインの策謀によりその最後の集団を殲滅しており、既知の領域内に一切の組織的外敵が存在しない状況下にある。
  3. 内憂の消滅
    ローエンラムの軍人中でもっとも大きな野心と権力を保持していたオスカー・フォン・ロイエンタールが即位前年に叛乱の末死亡しており、また組織的に不安点になりかねなかった軍務尚書オーベルシュタインラインハルトと時を同じくしてテロによって死している。「獅子の七元帥」として残る最高位軍人がこれ以上の野心を抱くとは考えにくく、ことその首座にあるウォルフガング・ミッターマイヤー実と廉直をもって知られる人物であることから、国家を揺るがすレベルの内憂は存在しなくなっている。
  4. 民衆の支持
    150年間に渡る帝国同盟間の戦争定してローエンラムが成立し、さらには市民の権利を大幅に拡大して貴族の特権を排除する政策を進めたことから、旧王臣民からの支持は極めて高い。同盟市民は専制国家の支配に否定的であるものの、効率性の高い帝国の統治は市民サービスにおいて旧同盟のそれを駕しており、不満は抑制される傾向にある。ハイネセンに設置される自治政府が立政を提案する可性も高く、実現すれば市民の不満は更に解消されると考えてよい。
  5. 有能政治代行者の存在
    ゆえ、皇帝としての政務が取れないという問題に関しても、先ラインハルトにその政治手腕を認められたほどの存在である摂政皇太后ヒルガルドの代行と、グルックブルックドルフといった有能な閣僚の補佐によって遺漏なく務が遂行されると考えられる。帝国宰相とされたシルヴァーベルヒを欠いたとはいえ、王開闢以来の名官僚たちはいまだ健在である。
  6. 原作者による担保
    原作における記述で、摂政皇太后ヒルガルドとしてその政治手腕を発揮し、新王を盛り立てていくことが示唆されている。田中芳樹がそう言ってるんだから間違いないッ。ローエンラムは安定するッ!

そういうわけで、ローエンラムは安泰である。きっとそうに決まってる。

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掲示板

  • 103 ななしのよっしん

    2024/01/21(日) 07:44:54 ID: HAUK1RoJFu

    >>100でも書いたけど、地球討伐の先例を上げて「辺海賊討伐に陛下御自らが征したとなれば帝国軍がの軽重を問われます。今回はお控えください」ってなるんじゃないかな。
    というか、征ともなれば1個艦隊ぐらいじゃすまないし、たかが(というほど軽い存在ではないにせよ本来なら軍管区単位で対応する規模の存在である)海賊相手に、過剰なほどの艦隊率いてイキって乗り込んでくるのって、むしろラインハルトが嫌った「兵の後ろに隠れて安全な場所で戦争ごっこにうつつを抜かしてるバカ息子」っぽいし……

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  • 104 ななしのよっしん

    2024/03/24(日) 22:59:28 ID: ad6OdWtH9Q

    ローエンラムにおける吉日では高級軍人が立つことが多かったけどプリンアレク誕生の時は立ち会ったのがケスラー以外はみんな文官だったのがアレク大公の治世では文官の時代になるって暗示してるみたいで印的だったなあ
    しかもカイザー批判的な発言してたカール・ブラッケとかもこの時は優しい表情で喜んでたのは和んだ

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  • 105 ななしのよっしん

    2024/05/18(土) 11:09:36 ID: htwJZmvG+h

    >>104
    その点は気付かなかったな。言われてみればその通りだった。

    まあ「たまたま」にすぎないとは思うけど、「たまたま」だからこそ、時代の変化の徴となるってことでもあるからね。

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