アンティベラム

アンティベラム（antebellum）とは、主にアメリカ合衆国で「戦争以前」、特に「南北戦争以前」を意味して用いられる英語である。カタカナでは「アンテベラム」とも表記される。

概要

ラテン語「アンテベルム」（ante bellum）に由来する。これは「～以前の」を意味する前置詞「アンテ」（ante）と「戦争」を意味する名詞「ベルム」（bellum）を合わせた言葉で、「戦争より前」と言う意味である。

元のラテン語には「特定の戦争」を意味する含意は無さそうだが、アメリカ合衆国ではこのラテン語に由来する単語「antebellum」が注釈なく使用された時には通常「南北戦争以前」を指して使われる。南北戦争前の古い文化などを指して懐古的に、歴史ノスタルジーを込めて使用されることもある。

一方、南北戦争以前の黒人奴隷制などを美化するような言葉だとして批判を受けることもある。2020年には、グラミー賞受賞歴もあるアメリカの有名カントリーミュージックバンド「レディ・アンテベラム」（Lady Antebellum）がこういった批判を鑑みてバンド名を「レディA」（Lady A）に変更し、話題となった^[1]。

関連リンク

• Antebellum | Definition of Antebellum by Merriam-Webster
• ANTEBELLUM | Meaning & Definition for UK English | Lexico.com
• antebellum - Wiktionary
• アンテベルム - Wikipedia

関連項目

• 南北戦争
• 戦前
• 懐古
• 奴隷
• 風と共に去りぬ

脚注

1. *米人気カントリーグループが改名、奴隷制連想させるとして | ロイター