アンデッドガール・マーダーファルスとは (アンデッドガールマーダーファルスとは) [単語記事]

アンデッドガール・マーダーファルスとは、青崎有吾の小説シリーズ。講談社タイガ刊。

ジャンルは「冒険・バトル・伝奇全部入り闇鍋本格ミステリ」（3巻帯より）。略称は「アンファル」。

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あらすじ

吸血鬼に人造人間、怪盗・人狼・切り裂き魔、そして名探偵。
異形が蠢（うごめ）く十九世紀末のヨーロッパで、人間親和派の吸血鬼が、銀の杭に貫かれ惨殺された…!?
解決のために呼ばれたのは、人が忌避する“怪物事件”専門の探偵・輪堂鴉夜（りんどうあや）と、奇妙な鳥篭を持つ男・真打津軽（しんうちつがる）。
彼らは残された手がかりや怪物故の特性から、推理を導き出す。
謎に満ちた悪夢のような笑劇（ファルス） …ここに開幕！

原作1巻裏表紙より

概要

青崎有吾による19世紀末ヨーロッパオールスター大乱闘本格ミステリシリーズ。2015年より講談社タイガから刊行されている。既刊4巻（2023年 7月現在）。イラストは大暮維人。

吸血鬼や人狼のような怪物が存在する19世紀末のヨーロッパを舞台に、怪物事件専門の探偵・輪堂鴉夜、その助手・真打津軽とメイドの馳井静句（はせいしずく）の"鳥籠使い"一行が怪物絡みの事件に挑む本格ミステリ。

いわゆる特殊設定ミステリであり、また切り裂きジャック、シャーロック・ホームズ、アルセーヌ・ルパン、オペラ座の怪人、アレイスター・クロウリーなどの19世紀末ヨーロッパの有名人が実在・フィクション問わず大挙して登場しバトルを繰り広げる伝奇アクションでもある。
迫稔雄の漫画『嘘喰い』の影響を非常に強く受けており、扱われるのが怪物絡みの事件であるため、推理で犯人を指摘したあと、探偵側が犯人の怪物をバトルで倒さないと事件解決にならない、という形で本格ミステリ×伝奇バトルを両立している作品。もちろん作者が〝平成のエラリー・クイーン〟青崎有吾なので、ミステリとしてのクオリティも非常に高い。

ただし刊行ペースが亀の歩みより遅く、2015年に1巻が出たが2023年 7月現在まだ4巻までしか出ていない。2巻から3巻が4年半、3巻から4巻が2年3ヶ月空いているので気長に構えよう。2016年に4巻が出てから既に7年以上止まっている同作者の裏染天馬シリーズよりはマシである。

略称は原作の時点では特に決まっておらず、ファンの間では「アンファル」「アンガル」「アンガ」「アンマダ」「アンマー」「アンガールス」等好き勝手に呼ばれていたが、アニメ化に際して「アンファル」が公式略称ということになった。

2016年から友山ハルカによる漫画版が「月刊少年シリウス」で連載開始。その後「ネメシス」に移動し、現在は「コミックDAYS」で連載しているが、こちらも更新ペースは遅め。単行本も3巻で止まっていたが、アニメ化に合わせて4～7巻が立て続けに電子書籍オンリーで発行された。

2023年テレビアニメ化。7月よりフジテレビ系「＋Ultra」ほかにて放送開始。

主な登場人物

輪堂鴉夜（りんどうあや）（CV：黒沢ともよ）: 怪物専門の探偵。世界唯一の〝不死〟の怪物で、肉体年齢は14歳3ヶ月、実年齢は962歳。半人半鬼の襲撃者に身体を奪われ、首だけの姿になってしまい、身体を取り戻すためその犯人を追う。
真打津軽（しんうちつがる）（CV：八代拓）: 鴉夜の助手。落語調の言い回しで飄々と軽口を叩く似非噺家の青年。後天的に鬼の力を植え付けられた半人半鬼。見世物小屋で怪物と戦う日々を送っていたところを鴉夜と出会い、鴉夜とともに自分を半鬼にした犯人を追う。真相判明後のバトル担当。
馳井静句（はせいしずく）（CV：小市眞琴）: 鴉夜に仕えるメイド。クールで無口。鴉夜に対しては絶対の忠誠を誓う一方、津軽のことは嫌っている。銃剣「絶景」を武器に戦う戦闘メイド。

既刊リスト

アンデッドガール・マーダーファルス1 （2015年 12月、講談社タイガ）
アンデッドガール・マーダーファルス2 （2016年 10月、講談社タイガ）
アンデッドガール・マーダーファルス3 （2021年 4月、講談社タイガ）
アンデッドガール・マーダーファルス4 （2023年 7月、講談社タイガ）

テレビアニメ

2023年 7月～9月、フジテレビの『+Ultra』枠ほかにて放送。全13話。

監督は『昭和元禄落語心中』『かぐや様は告らせたい』の畠山守、シリーズ構成は『バッカーノ！』『デュラララ!!』『虚構推理』などの高木登。
原作2巻にあたる第2章（5話～8話）は、脚本を小中千昭が担当したが、小中がアニメ脚本に参加するのは2009年の『地獄少女三鼎』第20話以来、実に14年ぶり。
キャラクター原案は岩本ゼロゴが務め、原作小説の大暮維人、漫画版の友山ハルカとも異なるキャラクターデザインとなっている。アニメーション制作はこれが30分アニメの単独元請は初となるラパントラックが務める。

全13話で、原作3巻までがアニメ化された。ただし原作1巻の第2章「人造人間」は（原作者いわく尺の都合で）カットされている。

スタッフ

各話リスト

初放送日	話数サブタイトル	脚本	絵コンテ	演出	ニコニコ		dアニメ
初放送日	話数サブタイトル	脚本	絵コンテ	演出	動画	配信日	dアニメ
2023 7/5	第1話鬼殺し	高木登	畠山守	小池裕樹		2023 7/9
2023 7/12	第2話吸血鬼		畠山守	高野やよい		2023 7/16
2023 7/19	第3話不死と鬼		川畑喬	佐沼ケン		2023 7/23
2023 7/26	第4話真打登場		古賀五十六	石川奨士		2023 7/30
2023 8/2	第5話倫敦の不死者	小中千昭	畠山守	木村佳嗣		2023 8/6
2023 8/9	第6話怪盗と探偵		小原正和			2023 8/13
2023 8/16	第7話混戦遊戯		畠山守	金子伸吾		2023 8/20
2023 8/23	第8話夜宴		竹内宣之	高野やよい		2023 8/27
2023 8/30	第9話人狼	高木登	寺東克己	石川奨士		2023 9/3
2023 9/6	第10話霧の窪地		川畑喬	木村佳嗣		2023 9/10
2023 9/13	第11話狼の棲家		三浦唯	平向智子		2023 9/17
2023 9/20	第12話流れの交わる場所		畠山守	高野やよい		2023 9/24
2023 9/27	第13話犯人の名前		畠山守	小池裕樹		2023 10/1