アーメンブレイク
アーメンブレイク(Amen Break)とは『Amen, Brother』の曲中におけるドラムソロの通称である。
また、それを元にしたブレイクビーツの通称でもある。
アーメンブレイクはおそらく世界で最も有名であり、最も多くの曲にサンプリングされたドラムソロである。元になったのはThe Winstonsというバンドが1969年に出した『Color Him Father』というレコード。そのB面に収録された『Amen, Brother』という曲である。同曲のブレイク部分のドラムソロなので、アーメンブレイクと呼ばれる。
B面なのにAmenってどういうこと
最初はオリジナルのドラムパターンそのまま、再生速度を変えたりしてヒップホップなどで使われることで広まった。
その後、サンプリングしたドラムパターンを細かいフレーズに分解し再構成する、ブレイクビーツと呼ばれる音楽技法が確立されることによってさらに広まることになる。とりわけ、ジャングル、ドラムンベース、ブレイクコアといったジャンルには重宝され、アーメンブレイクがこれらのジャンルを生んだといっても過言ではないかもしれない。
その他クラブミュージックに限らず、様々なジャンルの曲にサンプリングされたりしてるのでアーメンブレイクという名前は知らなくても、ドラムの音に聴き覚えがあるという方も多いのではないだろうか。
世界的に有名なこのフレーズ、実は原曲の制作者に無断でサンプリングが行われていたが、特に問題とはならなかった。当時、まだ著作権という概念が世に浸透していなかったためである。仮に当時が今くらい敏感な社会だったとしたら、今のように世界的に有名にはなることはなかったかもしれない。
なおバンドのサックス奏者であり、この曲の作曲者であるリチャードLスペンサー氏はロイヤリティを一切受け取っていない。著作権に関する法律が整備される以前にサンプリングされた曲が多く提訴の期限も過ぎていたため、「アーメンブレイク」の存在を知った1996年には泣き寝入りせざるを得なかった。彼はこうした事実に対し明確な憤りを露わにしている。
またこの伝説的なドラムブレイクを叩いた張本人であり2006年に逝去したグレゴリー・コールマン氏もロイヤリティを受け取っておらず、晩年は極度の貧困によりホームレス状態であったという。
こうした事実を知ったイギリスのとあるDJがクラウドファンディングを指導し、リチャードLスペンサー氏への寄付を呼びかけ、2万4千ポンドもの小切手が無事届けられた。
前述のようにオリジナルのドラムソロを使用したものがアーメンブレイクと呼ばれるものだが、それらを使わない動画にも「アーメンブレイク」タグが付与されることがある。
アーメンブレイクのドラムパターンがあまりにも有名なため、同じパターンを別の楽器で演奏した場合でも、精通したものであればそれをアーメンブレイクと認識できるのである。具体的な例については関連動画を参照されたい。
この記事を読むより実際に聴いた方が早いと思う
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最終更新:2021/01/17(日) 13:00
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