イクイノックス 単語

184件

イクイノックス

1.4万文字の記事
  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • LINE
曖昧さ回避

イクイノックス(英:Equinox)とは、「分点」または球上の太陽が分点を通過する日を表す英単

「分点」とは、が交わる点のこと。球上に2つ存在し、に通過する方を春分点(Vernal equinox)、の方を分点(Autumnal equinox)という。これが通過する日を「春分」「分」と呼び、この日は太陽東から昇り西に沈み、の時間がほぼ同じになる。

  1. 日本競走馬本記事で記述。
  2. ヨーヨージャム・イクイノックス - ヨーヨージャムが販売していたヨーヨーの名。

無双閃光

天皇賞(秋)有馬記念
ドバイシーマクラシック宝塚記念
となくとなく見せた自在の脚質は、
世界の人びとの眼に焼きついた。
この先に挑む
どんなで魅了してくれるのか。

JRA「ヒーロー列伝」No.94 イクイノックスexit

イクイノックスとは、2019年生まれの日本競走馬である。青鹿毛

な勝ち

2021年: 東京スポーツ杯2歳ステークス(GⅡ)
2022年: 天皇賞(秋)(GⅠ)、有馬記念(GⅠ)
2023年: ドバイシーマクラシック(UAEG1)、宝塚記念(GⅠ)、天皇賞(秋)(GⅠ)、ジャパンカップ(GⅠ)

概要

血統背景

イクイノックス
Equinox
生年 2019年3月23日
サラブレッド
性・毛色 青鹿毛
生産 日本JPN
生産者 ノーザンファーム
(北海道町)
馬主 (有)シルクレーシング
調教師 木村哲也(美)
名意味 の長さがほぼ等しくなる時
初出走 2021年8月23日
抹消 2023年12月16日
戦績 10戦8勝[8-2-0-0]
獲得賞 22億1544万6100円
受賞歴
JRA賞
年度代表馬 (2022・2023)
最優秀3歳 (2022)
最優秀4歳以上 (2023)
競走馬テンプレート

キタサンブラックシャトーブランシュ、キングヘイローという血統。
言わずと知れたGⅠ7勝の2010年代を代表するアイドルホース。イクイノックスはその初年度産駒である。
2015年マーメイドステークスGⅢ)の勝ちちなみにそのレースの2着は2016年宝塚記念キタサンブラックドゥラメンテを破ったマリアライトである。
は11度GⅠ挑戦で高松宮記念を勝った不屈の良血としてピクシーナイトディープボンドなど2021年以降に重賞を多数輩出して注を集めている。
2021年ラジオNIKKEI賞GⅢ)を勝ったが4歳の予後不良となってしまったヴァイスメテオールがいる。

2019年3月23日ノーザンファームで誕生。オーナー一口馬主クラブシルクレーシング、募集価格は1口8万円×500口(=4000万円)だった。

名の意味は、上記の通り「の長さがほぼ等しくなる時」。

イクノディクタス等の「イクノ」冠名がいるためか「イクノイックス」とよく間違われるが、イクイノックスである。たまにスポーツネット記事とかでも間違えられている。後述の東スポ杯2歳Sではテレビ東京「ウイニング競馬」の矢野アナウンサーが「イクノイックス」と連呼してしまっていた。

キタサンブラックが頑丈でタフな先行押し切りタイプだったのに対し、3歳までのイクイノックスはやや体質が弱く末脚のキレ味が武器の差しであったため、よりもそのライバルだったドゥラメンテに似ているとよく言われていた。

明暗分かつ時

2歳: 超新星登場

木村哲也厩舎に入厩したが、デビュー前に木村師が自厩舎に所属していた騎手大塚渡に暴言・暴行等のパワーハラスメントを働いたことに対する簡易裁判所からの略式命によりJRAからも調教停止処分を受けたため、7月末から同厩のオーソリティファインルージュジオグリフなどともども、房臨時貸付扱いで岩戸孝厩舎に転厩。

そんな人間側のゴタゴタはさておき、デビュー8月28日新潟新馬戦(芝1800m)。上はクリストフ・ルメール。先頭集団につけて好位で先行し、直線残り200mから他一気に置き去りにして6身差の圧勝デビューを飾る。
ちなみにこの新馬戦、3着には後に阪神ジュベナイルフィリーズを制するサークルオブライフがいた。

木村師の処分解除に伴い11月から木村厩舎に戻り、2戦GⅡ格上げ初年度の東京スポーツ杯2歳ステークス。単勝2.6倍の1番人気に推される。今度は後方からのレースになったがしっかり折り合い、直線入口で外に進路が開くと、残り300mから抜群の加速で一気に差し切り、レース史上最速タイの上がり3F329叩き出して2身半差の快勝。キタサンブラック産駒重賞初制覇となった。上のルメールも「が自分でリズムを見つけて走り、直線で加速して、すごく良い脚を使ってくれました。楽勝でした」と絶賛。

2歳GⅠには進まず、年内は放牧で休養。

3歳春: 不運と惜敗のクラシック

東スポ杯2歳Sでの圧巻のパフォーマンスで一躍クラシックの本命補となり、クラシックへのローテーションが注されたが、体質的に背に疲れがたまりやすいそうで、なんとそのまま戦を一切挟まずGⅠ皐月賞へ直行コントレイルのように2歳GⅠからのクラシック直行もしくなくなったとはいえ、東スポ杯2歳Sから5ヶ後の皐月賞への直行は異例のローテである。

皐月賞当日は混戦ムードの中、大外818番で、単勝5.7倍の3番人気東スポ杯で見せたポテンシャルの評価の高さに対して、右回り中山2000mも初体験、おまけに大外かつレース自体5ヶぶり……といった不安要素に皆が半信半疑だったことがえるオッズである。ルメールは同厩のもう一頭のお手ジオグリフがいたが、イクイノックスを選択。ジオグリフ福永祐一となった。
レースは前の5番手という好位先行を選択。そのまま直線に入り、前にもいない絶好のポジションからするりと抜け出すが、そこに外からぴったりとつけてきたのが同厩のジオグリフ! 同僚との叩き合いに突入したが最後のひと伸びで振り落とされ2着ルメールは「前にを置いて、慢ができなかった。その差がでてしまった」とコメントした。
惜敗とはいえ、上述した数々の不安要素がありながらも1番人気ドウデュースら後続は寄せ付けない2着という結果に、めてそのポテンシャルを見せ付けるレースとなった。

続く日本ダービーはなんとまたしても818番が不安視されたか、ダノンベルーガに次ぐ単勝3.8倍の2番人気キタサンブラックキングヘイローとも14着に惨敗した舞台1番人気の呪いを回避し栄冠をしたが……。
レースはデシエルトがハイペースで飛ばす中、ドウデュースらを見ながらじっくりと後方3番手に構える。直線で外に持ち出し、逃げ先行勢がハイペースで潰れる中、上がり最速で前を行くドウデュースを猛然と追いかけるも、最後までドウデュースぎきられ、レコード決着に僅かに及ばず悔しいクビ差の2着上のルメールも「直線でドウデュースの外へ出した時は勝てると思いましたが、ドウデュースもまた伸びました。いい競馬はできたがしようがない」と悔しさを滲ませるコメント
レース後、左前脚の腱に相当のダメージがあることが判明。レコード決着の代償は大きかったようだ。放牧で英気を養い、に備える。

3歳秋: 覚醒の時

2022年天皇賞(秋): 沈黙を打ち破る天才の一撃

の勝った菊花賞には向かわず、直行で天皇賞(秋)へ参戦。2022年の中央GⅠはここまで1番人気が一度も勝てておらず16連敗中という状況の中、47番というん中のを引けたこともあってか、単勝2.6倍の1番人気に支持される。相手どころは同期ジオグリフダノンベルーガ、古勢ではドバイGⅠを勝ったシャフリヤールパンサラッサ札幌記念パンサラッサを下したジャックドールなどが人気を集めた。
パンサラッサジャックドールバビット逃げ3頭のハナ争いが注されたレースは、大方の予想通りパンサラッサハナを奪って逃げる態勢。そのまま後続をどんどん突き放し、1000m通過574というとんでもない大逃げになる。理に追うはおらず、残りの面々はスローで直線末脚勝負の構えとなる中、イクイノックスはシャフリヤールを見るように中団に構えた。
4でもじっとタイミングを待ち、直線で外に持ち出すと脚一。前から先頭に追いすがろうとするジャックドールも振り切って猛然と追い込み必死逃げパンサラッサを狙い澄ましたように差し切ったところがゴールだった。

残り200を通過している、さあ! 届くのか!? 届くのか!?
逃げ切るのかパンサラッサ
外からイクイノックス! イクイノックス届くか!
そして、ダノンベルーガ届くのか!
イクイノックス! 届いた届いたー!!!!
最後は、天才の一撃!!!
大逃げパンサラッサを、ここで捕らえた!
クラシックの悔しさは、ここでらした天才の一撃!!!

――フジテレビ 立本信アナ

上がり3ハロンメンバー中最速、そして自己最速を更新する327。悲願のGⅠ勝利を極限の末脚でつかみ取ってみせた。

世代屈ポテンシャルを示しながらも、にも祟られ惜敗で終えたを越え、史上最短となるキャリア5戦での天皇賞(秋)制覇。キタサンブラック2017年に同レースを勝ったときと同じ番で産駒GⅠ勝利。3歳での天皇賞(秋)制覇は史上5頭、そのうち秋天GⅠ勝利シンボリクリスエス以来2頭1番人気の呪いを蹴っ飛ばし、世代の役から現役最強の一へ、天才が高らかに名乗りを挙げる勝利となった。
デビューからコンビを組んできたクリストフ・ルメールも「アンラッキーだったけど、ようやく本当のイクイノックスを見せられた」と笑顔を見せた。

11月に発表されたロンジンワールドベストレースホースランキングでは、124ポン123ポンドを獲得。これはタイトルホルダーに次ぐ日本2位の評価であった。

なおこの秋天追い込みSNSを通じて世界話題となり、World Horse Racing投稿にはイクイノックスがマリオカートスターを獲ってパンサラッサを差し切る動画が添付された。だいたいあってる

2022年有馬記念: 天才少年の真価

ジャパンカップはパスし、年内の締めくくりは有馬記念。同年の天皇賞(春)宝塚記念を圧勝した、凱旋門賞帰りのタイトルホルダーとの対決となった。前述の通りイクイノックスはよりもそのライバルだったドゥラメンテタイプが似ているのだが、そのドゥラメンテ産駒であるタイトルホルダーはまさにキタサンブラックのようなタフでパワフル逃げであり、全盛期が重ならなかった同期ライバル産駒同士、お互いなぜか相手に似た子供同士の突と言う意味でも血と因縁のドラマを感じさせる一戦と見込まれた。
その他にもエリザベス女王杯GⅠ戴冠を果たした良血ジェラルディーナJCを勝ち底を見せていないヴェラアズール、前年の1,2着復活を期すエフフォーリアディープボンドなどグランプリにふさわしいメンツがった。その中でもイクイノックスは単勝2.3倍の1番人気に支持される。

59番から上手くゲートを出たが、ロケットスタートを切ったタイトルホルダーをつけようと周囲が押しているのをチラリと見やったルメールはスッと下げ、群のん中に入れる。1000mは612とやや緩く、タイトルホルダーの後ろはひとかたまり。イクイノックスはやや外にいたこともあってか向こう正面中間あたりから行きたがる素振りをみせ、ルメール理に押さえつけなかったため3から外を捲るように持ったまま進出。大外の3番手で直線を向き、ここでルメールがゴーサインを出すと別格の手応えで末脚炸裂。いつものりがないタイトルホルダーもろとも先行を一で抜き去り、後方から追ってきた菊花賞2着ボルドグフーシュも置き去りにして全な一人旅。最後は2身半差をつける大楽勝でGⅠ2勝を挙げた。

外から、持ったまんまで! ルメールとイクイノックスが迫ってきた最後の直線迎えました!
外に回してボルドグフーシュ福永祐一が追い込んでくる!
イクイノックス先頭!
イクイノックス先頭、2番手エフフォーリアボルドグフーシュが来ている、
そして、ジェラルディーナも追い込んできた、
しかし突き抜けた! めに突き抜けた!
天才少年! 中山でも強し!!!
イクイノックスーーーーーッ!!!!

――フジテレビ 青嶋達也アナ

これで天皇賞(秋)に続きキタサンブラックとの子制覇(シンボリルドルフトウカイテイオーディープインパクトジェンティルドンナサトノダイヤモンドハーツクライリスグラシューに次いで5例)。秋天に続き、キャリア6戦での有馬記念制覇は史上最短記録。そして2年連続で秋天を勝った3歳有馬も勝つという結果になった。なお有馬記念での3歳同士のワンツーは1994年の1着ナリタブライアン→2着ヒシアマゾン以来28年ぶりである。そして秋天に続いて古を撃破したことにより、最優秀3歳論の事、年度代表馬も十分に手繰り寄せられる勝利となった。

上のクリストフ・ルメール2005年ハーツクライ2016年サトノダイヤモンドに続き有馬記念3勝。実はこの3勝は全て12月25日の開催で、ルメールインタビューで「二度あることは三度あると思ってました」と笑顔を見せた。ちなみにゴール後も相当掛かり倒していたらしく、現役最後の有馬記念を2着で終えてハイタッチをしようとをかけてきた福永祐一に「ゴメン今ムリ!!」と返してしまうほど止めるのに必死だったらしい。

年度代表馬タイトルホルダーとの争いになったが、やはり有馬記念で直接対決勝利したのが大きく、288票中282票を集めて見事年度代表馬いた(ルール上当然だが最優秀3歳も同時受賞)。

2022年度のロンジンワールドベストレースホースランキングでは、有馬記念の走りが評価されて、126ポンを獲得。これはFlightline140ポンド)・Baaeed135ポンド)に次ぎ、Nature Stripに並ぶ世界3位で、日本の中では1位レーティングである。FlightlineBaaeed2022年限りで引退したため、現役として事実世界最強となった。

こうしたイクイノックスの活躍もあって、キタサンブラックの種付け料は500万円だったところ、2023年からなんと1000万円に倍増。
思えばキタサンブラックも3歳ゆい敗戦を重ねたあと、菊花賞を制してから古戦線の王者となった。同様、に戴冠を迎え孝行息子となった天才少年は、年が明けて天才青年へと成長した後、ここからどんな物語を紡いでいくのか。大いなる期待を持たせて3歳を終えた。

……このあと、そんな常識的な期待をかにえていくとは、さすがにも想像していなかったのではなかろうか。

4歳春: 世界への初名乗り

2023年ドバイシーマクラシック: これほどまでに強いのか

4歳となって初戦は初の海外遠征となるドバイシーマクラシック。1歳上のダービーシャフリヤール引退レースとなるウインマリリンとともに挑むことになった。BCターフ勝ちレベルスロマンスなどが出走してきたが、前述の評価もあり、日本馬券発売はもちろん、海外ブックメーカーでも1番人気に支持される。

明確な逃げがおらず先行争いが注される中、レースが始まって日本ファンに飛び込んできたのは、ハナを切る青鹿毛体とシルクレーシング勝負服なんと差しのイクイノックスが先頭に立ったのである。おいおいここにきてキタサンブラックに倣い脚質転換か、とファンがどよめく中、前半を時速59km/h台のスローペースで先頭を走ったイクイノックスは、そのまま抜群の手応えで直線へ。ルメールすら入れることなく、軽く押しただけで65~66km/hに加速。このスピードに後続はついていけず、あっさりと突き放す。残り100mで後ろを振り返ったルメール勝利を確信し、ノーステッキのまま最後は流して、残り50mでレースが終わった合図を出して減速したにもかかわらず、ミシュリフコースレコードを約1更新するという、世界最強の評価に恥じない異次元の内容で3身半差の圧勝。逃げたというよりは、差しがただ最初から先頭を走っていただけというレースであった。

Here's the Titan of the World's Turf!!
He is Equinox!!

――Larry Collmus(現地実況アナ

ルメール2006年ハーツクライで勝って以来のこのレース2勝。そのハーツクライも、後方からの追い込み一辺倒のだったのを、有馬記念で先行させてディープインパクトを撃破し、次いでこのドバイSCでは今回のように初めて逃げての勝利だった。勝利後のインタビュールメールは「ハーツクライから自分の第2の騎手人生が始まったと思っています」と2週間前に立った相棒を悼みつつ、「今回の相手でこんな競馬ができてうれしく思います」と胸をった。

世界の強が集まる海外GⅠ、1着賞348ドル(約4億5000万円)の大舞台で、まるきり公開調教のような内容での勝利には、日本ファン奮を通り越して然、戦慄、困惑。まさに「これほどまでに強いのか」と震えるしかない勝利であった。
もちろん際的にも高い評価を受け、4/13にロンジンワールドベストレースホースランキングにおいて発表されたレーティング129ポン。この値は2013年有馬記念オルフェーヴル2014年ジャパンカップエピファネイア2016年末に下方修正される前のエイシンヒカリに並ぶものであり、この2頭の実質最終的なパフォーマンスに付けられた値である。そんな値を未だ完成前・発展途上と評される段階で叩き出してしまったのだから末恐ろしい。

2023年宝塚記念: これが世界最高峰の走り

後の次走は宝塚記念へ。天皇賞(春)を勝ったジャスティンパレスアスクビクターモアジオグリフ同期クラシックJCヴェラアズール、前年有馬記念で鎬を削ったジェラルディーナダービーが1で終わって疲れも少なかったので上がまた変わっての参戦となった3歳ドゥラエレーデなどが集結。中間には調整の不安もささやかれたが、蓋を開ければ単勝1.3倍の断然人気に支持される。前走でレーティング現役1位となった事により、世界競馬メディアが見守る中でのグランプリとなった。

35番から発進したが、二の脚がややつかず押しやられるように後方の競馬となる。前日からことごとく前が残っておりファンに不安を抱かせたが、上のルメールペース速さを感じ取り、荒れた内馬場を避けてそのまま外に控える競馬を選択する。実際1000mは589のハイペース、しかも前残りを狙った各が固まって群はかなり前掛かりになっており、ルメール読みは的中していた。

3から押し上げるように進出を開始。大外を回って直線を向き、かつて天皇賞(秋)有馬記念で見せたような脚が炸裂。疲弊した先行一気にり捨て、並んで仕掛けていたジャスティンパレスをこともなげに置き去りにする。群の間から突っ込んできた凱旋門賞スルーセブンシーズの追撃もクビ差振り切り、着差以上の強さを見せつけてGⅠ4連勝のゴールを駆け抜けた。

イクイノックスだ!イクイノックスです!!

世界ナンバーワン今日は後方追走から、一気に飲み込みました!!

――ラジオNIKKEI 山本直アナ

キタサンブラックが勝てなかった宝塚記念を制し、現役世界最強としての初戦を制したイクイノックス。ブリーダーズカップ・ターフ遠征プランもあったが、内に専念しジャパンカップ標にする事を表明した。

4歳秋: 無双の閃光

2023年天皇賞(秋): 全てを蹴散らす天賦の才

初戦は天皇賞(秋)二冠牝馬スターズオンアースこそ回避となってしまったが、前年のダービーで勝てなかったドウデュース、同世代の強敵ダノンベルーガ大阪杯逃げ切ったジャックドール秋天皇賞連覇を狙うジャスティンパレス札幌記念を圧勝したプログノーシスら強メンバーを現王者として迎え撃つ。このメンツもあってか秋天では異例の11頭立てという少頭数で行われた。

また、本レースエイシンフラッシュが制した2012年天皇賞(秋)以来、11年ぶりの競馬となった。
このもあってか1レース前からターフビジョン前が埋め尽くされる勢いで、過ぎには当日入場券すら売となるなど異様な盛り上がりを見せた。

レース藤岡佑介に手が戻ったジャックドールが大外からハナを奪い、ガイアフォースが2番手。イクイノックスは少し離れた3番手につけ、それを見る格好で武豊の負傷で戸崎圭太代打騎乗するドウデュースという隊列で向こう正面に入る。1000mを過ぎたところで観客がどよめく。1000m通過タイム577。昨年のパンサラッサタイムと0.3しか変わらないほど速いペースだったからである。その後もペースは一切緩まず、1ハロン11台のラップを連発しながら大欅を通過していく。

そのまま3番手で最終直線を迎え、残り400mあたりで持ったまま前を走るガイアフォースジャックドールに並びかける。そのまま後続を置いていく形で加速していき、後方から猛追してくるジャスティンパレスダノンベルーガプログノーシスらも突き放し、結局2身半の着差以上の余裕を見せつけてGI5連勝のゴールを駆け抜けた。天皇賞(秋)連覇はシンボリクリスエスアーモンドアイに続き史上3頭の快挙。ちなみに上のルメール騎手はターフビジョンをちらりと見て、余を残すレースっぷり。

全てを蹴散らす賦の才!

これがイクイノックスだあああああああ!!

――フジテレビ 立本信アナ

タイム上すら驚愕した1分552衝撃レコードタイム2011年の同レーストーセンジョーダンが1分561を記録して以来、高速化が進む中で12年間破られなかった日本レコードをコンマ9も縮め、それどころか、1999年チリ記録された芝2000mのワールドレコード1分554すらもコンマ2更新するワールドレコードというとんでもタイムを繰り出した。そしてキタサンブラックは2分83という秋天最遅レコードタイムの所有馬という事で、子で秋天の最速、最遅レコードホルダーとなる記録も飛び出した。

上がりは342と3位ながら、ジャックドールハイペースに付き合った先行勢が軒並み沈む中での走り。上がり最速が後方2番手から2着のジャスティンパレス、上がり2位が最後方から3着に突っ込んだプログノーシスであり、それらを先行策から2身以上突き放した内容からもめてイクイノックスが世界最強たる所以を示したレースと言えよう。ジャックドールパンサラッサ先輩とほぼ同じペースで進めたのに後ろが付いて来るなんて聞いてないですよ!」

レース後、ルメール騎手上で天皇皇后陛下に最敬礼をした。(イクイノックスは奮した様子で少しいなないていたが)

なお今回もWHRSNSでは、この秋天2023年世界2000m級7レース比較動画投稿された。勝ち時計1分552という数字が如何に異常なものかが分かるだろう。

2023年ジャパンカップ:世界最強の証明

次走はドバイシーマクラシックからの転戦ボーナスexitもかかるジャパンカップ。今回はタイトルホルダーディープボンドらに加え、牝馬三冠を達成したリバティアイランドも参戦。里帰り参戦の予定だったセントレジャーS勝ちコンティニュアスこそ歩様の乱れから大事を取って回避したが、あまりの強メンバーに2週間前時点で名乗りを挙げたのはイクイノックス含めわずか9頭だった。しかしその後は秋天を回避してスライド参戦の同期二冠牝馬スターズオンアースチャンピオンズカップでの復帰予定を前倒しした稀代の逃げパンサラッサGⅠ2勝のイレジン、更に兵庫からクリメガエースチェスナットコートが出走を表明し、2006年JC最少頭数更新は回避。それどころか10着入線までの賞を狙うべく続々と新規参戦が現れ、結果的にはフルゲート18頭が埋まった。JRA史上初となる女性ジョッキーの3名騎乗もあり、世界的にも注が集まる一戦となった。

順抽選では絶好の12番をゲット。両隣には1番リバティアイランドと3番タイトルホルダーというな並びとなった。このとなればもう人気は一本被り、最終的に前走をえる単勝1.3倍の圧倒的人気を集めた。2番人気リバティアイランドが3.7倍、3番人気ドウデュースが13.2倍であり、2強というより1強と次点とその他というような分布になった。

ゲートは隣でチャカついたタイトルホルダーにひるんだ若干伸び上がるように出たが、すぐに持ち直し先団に進出。好スタートを切ったタイトルホルダーとお構いなしにハナを奪いに出たパンサラッサを行かせて単独3番手の競馬を選択する。すぐ後ろにリバティアイランドがつけ、さらにドウデュースが続く形となった。
前はパンサラッサが2番手に3~4差をつける大逃げでぶっ飛ばし、1000m576と前走のジャックドールより速いハイラップを刻んでいく。2番手以下は均くらいで流れており、前走は逃げについていったイクイノックスも今回は深追いせずタイトルホルダーを射程圏に捉えながらの競馬。そのまま3番手で直線を向いた。
ここで軽く促されて加速を開始し、ほぼ持ったままでタイトルホルダーに並んで残り400を通過しここでゴーサイン。一のうちにトップスピードに入れ、尽きたパンサラッサもかわしていく。自身をマークしていたはずのリバティアイランドにもすら踏ませずちぎり捨て、決定的な4身差をつけて圧勝。世界最強明してみせた。

最後はなりーーっ! このメンバーで余裕綽々!
強さの次元が、全くもって違いましたぁっ!!

現役にして、既に伝説! こそは世界No.1!
2番のイクイノックス! 強さを堂々と見せつける圧巻の勝利!!
史上最多タイGⅠ6連勝! 強すぎましたッ!

――ラジオ日本 細渕武揚アナ

勝ちタイム2分218はJC歴代2位時計だが、アーモンドアイレコードを出した時の斤量は53kgだったのに対し、イクイノックスは58kg。リバティアイランド斤量4kgがあるにも関わらず上がり335の末脚で突き抜けたのだから恐れ入る。WHR投稿によれば大体こんな感じである。

GⅠ6連戦6連勝日本競馬史上初の偉業。通算獲得賞アーモンドアイJRA最高獲得賞記録を軽くえ、日本競馬史上初めて20億円を突破し22億円に到達した。また生産者のノーザンファームは、同年のヴィクトリアマイルから継続し前週マイルCSで歴代最長の11となったGⅠ最多連勝記録を12に更新した。ルメール騎手はこれでJRAGⅠ49勝。節の50勝リーチをかけている。

後日JRAから発表されたレーティングは堂々の133を獲得。凱旋門賞エースインパクトに更なる差をつけ、世界最強の座を不動のものとした[1]ロンジンワールドベストレースホースランキングレーティングではさらに上の134ポンドという評価を受けたが、この年の有馬記念の上位がJC上位組で独占されたことを受け、さらに上方修正[2]。最終的には20年以上もの間高いとしてそびえ立ってきたエルコンドルパサー134える日本競馬史上最高レーティング135ポンを獲得した(JCレース自体のレーティング126.75ポンドとなり、日本競馬史上初となる年間ベストレースの栄冠にいている)。

ルメールは帰ってくるや男泣き。インタビューでもあまりの強さに驚きを隠せない様子で、「イクイノックスはポニーみたい。でも乗れると思う」とその賢さを絶賛した。お前のようなポニーがいてたまるか!

そして11月末、有馬記念には向かわずGⅠ6連勝の勲章を手土産引退。社台スタリオンステーションにて種牡馬入りすることがシルクHCから公式発表された。なお引退式は12月16日中山競馬場で行われた。その際のクラブの代表からのあいさつの全文はここexitに書かれている通りなのだが、ライバルの具体例としてジオグリフドウデュースパンサラッサを挙げていた。
生涯成績は10戦8勝、2着2回。出走回数の少なさからGI勝利数はキタサンブラックに1つ及ばないものの、競走馬の格としてはその戦績やレーティングの高さから曾祖ダンシングブレーヴ再来と言っても過言ではないだろう(ダンシングブレーヴの生涯成績も10戦8勝で、凱旋門賞脚での差し切りレコード勝ちがとなっている一方、エプソムダービーを2着で取りこぼしている点も似ている)。

2024年1月9日JRA発表により、昨年に続き2023年々度代表に選出(ルール上同時に最優秀4歳以上も受賞)。満票ではなかったが、全295票中293票と堂々の受賞でキタサンブラックの16・17年と共に史上初の「2年連続子による年度代表馬受賞」という偉業を成した。

種牡馬時代

2024年度の種付け料はキタサンブラックと並ぶ最高額タイ2000万円という破格の種付け料。初年度の種付け料としてはディープインパクトコントレイル子の1200万円を大きく上回って日本歴代1位となった。世界全体で見てもこの額をえるAmerican PharoahとGhostzapper(いずれも当時の日本円で2400万円)くらいなものである。また、ディープインパクトコントレイルが亡くなってから種牡馬入りしているが、イクイノックスは種牡馬として活躍しているにも関わらず、この価格が設定されたことも特筆すべき点である。

キタサンブラックからくも世界最強となった後継種牡馬が現れたという事で、世界競馬界がその産駒に注するだろう。果たしてデビューするがどのような走りをするか、楽しみは尽きない。

血統表

キタサンブラック
鹿毛 2012
ブラックタイド
黒鹿毛 2001
*サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
*ウインドインハーヘア Alzao
Burghclere
シュガーハート
鹿毛 2005
サクラバクシンオー サクラユタカオー
サクラハゴロモ
オトメゴコロ *ジャッジアンジェルー
*テイズリー
シャトーブランシュ
鹿毛 2010
FNo.16-b
キングヘイロー
鹿毛 1995
*ダンシングブレーヴ Lyphard
Navajo Princess
*グッバイヘイロー Halo
Pound Foolish
ブランシェリー
鹿毛 1998
*トニービン *カンパラ
Severn Bridge
メゾンブランシュ Alleged
*ブランシユレイン

クロス: Lyphard 5×5×4(12.50%)、Halo 4×4(12.50%)

余談

関連動画

関連コミュニティ

関連リンク

関連項目

脚注

  1. *この133は、2016年の*カリフォルニアクロームに匹敵する強さ(なおその年の最強Arrogate(134))
  2. *グリーンチャンネルALL IN LINE ~世界競馬#87 2023サラブレッドランキング特集』より。
この記事を編集する
関連記事

親記事

子記事

  • なし

兄弟記事

掲示板

おすすめトレンド

ニコニ広告で宣伝された記事

急上昇ワード改

最終更新:2024/07/19(金) 23:00

ほめられた記事

    最終更新:2024/07/19(金) 22:00

    ウォッチリストに追加しました!

    すでにウォッチリストに
    入っています。

    OK

    追加に失敗しました。

    OK

    追加にはログインが必要です。

               

    ほめた!

    すでにほめています。

    すでにほめています。

    ほめるを取消しました。

    OK

    ほめるに失敗しました。

    OK

    ほめるの取消しに失敗しました。

    OK

    ほめるにはログインが必要です。

    タグ編集にはログインが必要です。

    タグ編集には利用規約の同意が必要です。

    TOP