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医学記事 ニコニコ大百科:医学記事
※ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。

イベルメクチン(Ivermectin)とは、抗寄生虫である。先発医薬品名はストロメクトール®

概要

有機化合物
イベルメクチンB1a
イベルメクチンB1a
基本情報
英名 Ivermectin B1a
略称 H2B1a
化学 C48H74O14
分子量 875.10
化合物テンプレート
有機化合物
イベルメクチンB1b
イベルメクチンB1b
基本情報
英名 Ivermectin B1b
略称 H2B1b
化学 C47H72O14
分子量 861.07
化合物テンプレート

イベルメクチンは、抗寄生虫・駆として利用されるマクロライド(16員環ラクトン)である。静岡県伊東市川奈の土壌から発見された、新種の放線菌Streptomyces avermitilisが産生するアベルメクチンの誘導体である。に腸管症や疥癬の治療に用いられる。

フランスでは、1993年症の治療として、2001年に疥癬の治療として承認された。日本では、1998年に希少疾病用医薬品定を受けている。2002年に輸入承認を取得し、有製株式会社現在MSD株式会社)が腸管症の治療として販売を開始した。2006年からマルホ株式会社に販売を移管しており、同年に疥癬への適応追加が承認された。中南アフリカでは、糸状症の治療に用いられている。回症の治療、イヌウシの毛包虫症の治療、イヌ糸状症の予防などにも利用される。

イベルメクチンは、脊椎動物神経細胞・筋細胞グルタミン作動性Cl-チャネルに選択的に結合し、Cl-透過性を高めて過分極を生じさせ、麻痺させて死に至らしめる。このグルタミン作動性Cl-チャネルは、ヒトをはじめ哺乳類ではその存在が確認されていない。また、イベルメクチンはラットなどの哺乳類の血液関門を容易に通過できないことも判明している。

医薬品として上されているストロメクトール®は、含有する成分の90%以上がイベルメクチンB1a、10%未満がイベルメクチンB1bである。体重1kgあたりイベルメクチンとして約200μgを、腸管症の治療では2週間間隔で2回、疥癬の治療では1回のみ、それぞれとともに用する。副作用として、めまい、悪心・嘔吐、疥癬患者の治療初期における一過性の掻痒の増悪などの報告がある。

腸管糞線虫症

腸管症は、Strongyloides stercoralis)による感染症である。に熱帯・亜熱帯地域で発生がみられ、日本では九州南部沖縄県が浸淫地域とされる。世界には数千万人規模の感染者が存在すると考えられており、日本でも沖縄県の60歳以上の約25,000人が感染していると推定されている。

土壌から経皮的に侵入した幼が、小腸で成となり産卵する。孵化した幼の一部が、腸管膜や臀部・大腿部の皮膚から再侵入することで、生活環が維持される(自感染)。発、かゆみ、腹痛下痢などの症状を呈する。重症例では敗血症、肺炎、髄膜炎などを合併し、死に至ることもある。

かつて、腸管症の治療にはチアベンダゾール(ミンテゾール®)が用いられたが、有効性が同等で安全性の高いイベルメクチンが販売開始されたことで、チアベンダゾールの医薬品としての製造販売は中止された。現在は、イベルメクチン内による治療が行われる。海外ではアルベンダゾール(エスカゾール®)も治療に用いられるが、日本では適応外。

疥癬

疥癬(かいせん)は、ヒゼンダニ(疥癬)による感染症である。ヒゼンダニはメスが体長0.4mm程度、オスがその半分程度しかない、眼ではほぼ見えない小さな形のダニである。手や肘、窩、外陰部、足などの皮膚の質層に、疥癬トンネルと呼ばれる横を掘って産卵する。感染経路はヒトヒトが直接触れ合って感染する経路と、使用したベッド衣類を介して間接的に感染する経路がある。病は通常疥癬と疥癬に大別され、通常疥癬では強いかゆみ、いぶつぶつ(丘・結節)がみられ、免疫が低下した患者の多い疥癬では灰色白色が厚く蓄積したような状態になる。

治療は、ヒゼンダニの駆除を的とした、フェノトリンスミスリン®ローションやクロタミトン(オイラックス®クリームの塗布、またはイベルメクチンの内が行われる。かゆみに対しては、抗ヒスタミンで対応する。海外ではピレスロイド系駆ペルメトリンが治療に用いられているが、日本では医薬品としての承認を受けていない。なお、疥癬に関連する疥癬に対しては、イベルメクチンが臨床的に効だとする報告があるため、フェノトリンローションなどを用いて治療を行う。

糸状虫症

糸状症(河川盲目症、オンセルカ症)は、河川で繁殖する昆虫ブユによって媒介される、回旋糸状Onchocerca volvulus)による感染症である。中南アフリカ感染者が多く、約2,000万人が患しており、約100万人が失明ないし視覚障をきたしている。これは、トラコーマに次いで2番に多い失明原因となっている。症状はほかに皮下結節、皮膚炎、かゆみなどがある。

治療は、イベルメクチンの内を行う。体重1kgあたりイベルメクチンとして150μgを、半年~1年間隔で内する。回旋糸状のメスの成は死滅しないが、累積投与によって繁殖が低下する。ロア糸状にも感染している患者の場合、イベルメクチン投与によって重篤な症をきたすおそれがあるため、患者がロア糸状の流行している地域を訪れて感染していないかを投前に確認する必要がある。

新種の放線菌からのアベルメクチンの発見、およびそれをもとにしたイベルメクチンの開発によって、多くの糸状症患者が失明の危機から救われた。この功績が認められ、研究に携わったアイルランドウィリアムセシル・キャンベル氏と日本大村智氏は、2015年ノーベル生理学・医学賞を共同受賞した。

COVID-19

COVID-19は、ベータコロナウイルス属のRNAウイルスSARS-CoV-2による感染症である。2019年に発生し、大規模かつ長期的なパンデミックを引き起こした。

イベルメクチンはCOVID-19の治療に有効の可性があるとして治験が進められているが、株式会社の第III相臨床試験において有効性は認められなかった[1]。また、ランダム較試験(RCT)を対としたメタ解析において、イベルメクチンによる治療は標準治療やプラセボと較して軽症患者における全死亡率、入院期間、ウイルス消失時間を善させず、COVID-19治療における有効な選択肢ではないとされている。

2022年10月現在COVID-19治療として承認されている医薬品レムデシビルベクルリー®)、カシリビマブ/イムデビマブロナプリーブ®)、ソトロビマブゼビュディ®)、モルヌピラビルラゲブリオ®)、ニルマトレルビル/リトナビル(パキロビッド®)などであり、イベルメクチンは承認されていない。

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関連項目

脚注

  1. *2022年9月26日プレスリリース 新型コロナウイルス感染症患者を対象とした「K-237」(イベルメクチン)の第III相臨床試験結果に関するお知らせ - 興和株式会社exit
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  • 246ななしのよっしん

    2022/10/30(日) 17:09:59 ID: zdRerOWLNM

    日本れた原因は、こういう陰謀論者も多様性の名の下に護しなければならないっていう
    くそ思想や勢が蔓延ってるからなんだよなぁ

  • 247ななしのよっしん

    2022/11/05(土) 13:56:39 ID: GCt9rS+F1Y

    イベルメクチン論みてると、一昔前のステロイド論に近いものを感じるな。

  • 248ななしのよっしん

    2022/11/30(水) 01:43:13 ID: +uWuDxeOlg

    ステロイドハゲ

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