イングランディーレ 単語

16件

イングランディーレ

2.8千文字の記事
  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • LINE

イングランディーレ(Ingrandire)とは、1999年生まれの日本の元競走馬鹿毛

距離戦において逃げ馬鹿にするとこうなるという事実を、平成ファンに思い知らせたである。

な勝ち
2003年日経賞(GII)ブリーダーズゴールドカップ(GII)ダイヤモンドステークス(GIII)白山大賞典(GIII)
2004年天皇賞(春)(GI)

2004年5月2日に至るまで

はキレ者の短距離から重厚なステイヤーまで輩出する名種牡馬*ホワイトマズル、マリリンモモコ*リアルシャダイという血統。
一応社台の基幹の血を引くのだが、も重たく立った実績はなく、セレクトセールでも1310万と当時猛威を振るったサンデー産駒べると格安で取引された。そこ、バラゲーより高いとか言わない。

2001年デビューするがなかなか勝ち上がれず、勝ち上がった頃にはになっていた。 その後ダートばかり走るがもイマイチちきれず、2勝は翌年3月。その後もダービー挑戦のために青葉賞に挑むが惨敗。
その後も苦戦は続き11月にようやく3勝を挙げた後、久々に芝のレースであるステイヤーズステークスに挑み、積極的先行策で4着にりこむ。開の兆しを見せつつあった。

2003年は開の年となる。格上挑戦で挑んだダイヤモンドステークス逃げ切り、日経賞バランスオブゲームをねじ重賞連勝。
堂々と天皇賞(春)に向かうが連勝中より慎重に運び過ぎ、逆に持ち味を殺す結果となり9着に敗れてしまう。
この後休養を挟み再びダート路線に向かい、ブリーダーズゴールドカップ白山大賞典を連勝。JBCクラシックGI制覇に挑むがアドマイヤドン敗。その後もステイヤーズステークスは2年連続4着、ダートに舞い戻るが連敗。
ここまでは、長距離芝もこなす重賞級のダートという評価であった。実績を見れば当然である。 

嵐を起こす牡馬

それでも再び天皇賞(春)に挑む。前年の二冠馬ネオユニヴァース菊花賞ザッツザプレンティ未完の大器ゼンノロブロイリンカーンが四強を形成し、マーベラスサンデーの如き勢いで登ってきたシルクフェイマスといった脇役も存在。
前走のダイオライト記念こそ2着(ただしミツアキタービンと5身差)とはいえここまで4連敗中のダート扱いの彼は、前年の実績から着したファンもいたが10番人気、単勝オッズ71.0倍と全に軽視された。

レースではそれを利してか横山典弘積極策で今年は逃げていく。後続の四強は切れ味重視の競馬に変わった今なら、サンデーの血を引く自分たちならば末脚で覆せると言わんばかりに泰然と構える。
イングランディーレはその油断を突き、1コーナーを回るあたりでペースを上げるが四強は動かず。四強を警する他も動かず。
そうこうしている間に20近い差がついたまま、適度に息を抜きつつ3コーナーの坂にかかる。観客騒然。ようやくハメられたことに気づいたゼンノロブロイシルクフェイマスら後続が仕掛けていくが時すでに時間切れ。 さすがに脚色は鈍ったが7差つけて々と逃げ切り。京都競馬場騒然。四強というくくりがネオユニヴァースの負傷引退もあったとはいえこの一戦で消滅する程であった。元からそんなに重みはなかった気もするけど。

そして、この圧勝劇を見た馬主(二代、社台総帥の吉田照哉氏の妻吉田氏)はイギリス遠征を決断。ロイヤルアスコット開催の伝統GIゴールドカップ(芝19ハロン210ヤード)に挑戦。
セントサイモンなど戦前の名が駆け抜けた、今まで日本が遠征したレースの中でも伝統という意味では抜群に高いこのレースであったが、アスコットの19ハロン210ヤード(メートル換算で約4012m)はさすがに厳しく9着に敗退する。
失敗こそしたが、おそらくこのレースに遠征する日本もう現れないであろう。 
後は再びダートに舞い戻り、ブリーダーズゴールドカップに出走。タイムパラドックスの2着に敗れるが、帰初戦としては上々であり以降の活躍も期待されたが、屈腱炎で全てご破算となる。
1年3ヶの療養を経て復帰するも、その後は全く精を欠く。みなみ北海道ステークスで3着し一復活の気配を見せたが、ブリーダーズゴールドカップで6着した後再び脚を壊し引退となった。

引退後は種牡馬入りする予定だったのだが、日本では思うようなオファーもなくエアスマップ(マンハッタンカフェの半)と共に韓国に渡り種牡馬入りすることになった。
初年度である2008年生まれは特筆すべき産駒はいなかったものの、2年となる2009年生まれ世代からは韓国ダービーグミスンガンを輩出するなど向こうでそれなりの地位を築いた。さらにチグミスンガンも種牡馬として2021年大統領杯(韓国の大レースの1つ)を制したシムジャンウィゴドンを送り出し、イングランディーレの血を韓国に根付かせている。

2020年12月12日、繋養先で老衰により21歳で死亡したことが伝えられた。

距離戦の逃げの恐ろしさを嫌というほど刻みつけたイングランディーレ。しかし彼の教えは風化したのか、2012年天皇賞(春)オルフェーヴルビビった結果、前を行ったビートブラックを逃す結果となった。
さらに時代が進んで2022年横山典弘息子・和生も、同じ舞台タイトルホルダーとともに逃げ天皇賞(春)勝利してみせた。後続との間につけた差は7と、奇しくもイングランディーレの時と全く同じ結果になったのも印深い。逃げ方はだいぶ違うけど。

ビートブラックプリテイキャスト、そしてイングランディーレ。大本命で揺るぎなし!と思ったら彼らを思い出して欲しい。
距離戦でなら、彼らのような軽視されている逃げは思わぬ臨時収入をもたらしてくれるかもしれない。ただし絶対もたらしてくれるとまでは言わない。 

血統表

*ホワイトマズル
1990 鹿毛
*ダンシングブレーヴ
1983 鹿毛
Lyphard Northern Dancer
Goofed
Navajo Princess Drone
Olmec
Fair of the Furze
1982 鹿毛
Ela-Mana-Mou *ピットカーン
Rose Bertin
Autocratic Tyrant
Flight Table
マリリンモモコ
1986 栗毛
FNo.4-r
*リアルシャダイ
1979 黒鹿毛
Roberto Hail to Reason
Bramalea
Desert Vixen In Reality
Desert Trial
ピーチクリアー
1979 栗毛
*ノーザンテースト Northern Dancer
Lady Victoria
シャダイクリアー *ガーサント
ペルピーチ

クロスNorthern Dancer 4×4(12.50%)

関連コミュニティ

関連項目

この記事を編集する
関連記事

親記事

子記事

  • なし

兄弟記事

掲示板

おすすめトレンド

ニコニ広告で宣伝された記事

記事と一緒に動画もおすすめ!
もっと見る

急上昇ワード改

最終更新:2024/04/20(土) 06:00

ほめられた記事

最終更新:2024/04/20(土) 06:00

ウォッチリストに追加しました!

すでにウォッチリストに
入っています。

OK

追加に失敗しました。

OK

追加にはログインが必要です。

           

ほめた!

すでにほめています。

すでにほめています。

ほめるを取消しました。

OK

ほめるに失敗しました。

OK

ほめるの取消しに失敗しました。

OK

ほめるにはログインが必要です。

タグ編集にはログインが必要です。

タグ編集には利用規約の同意が必要です。

TOP