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インダパミド(Indapamide)とは、チアジド系類似利尿薬である。販売名はナトリックス®(京都薬品工業)、テナキシル®(アルフレッサファーマ)。
インダパミドは、チアジド系(サイアザイド系)に類似した構造をもつスルファモイルベンズアミド系利尿薬である。緩和な利尿作用と持続的な降圧作用を有し、高血圧症の治療に用いられる。
フランスのセルヴィエ研究所で開発された。本邦では1984年にナトリックス®、1990年にテナキシル®が承認されている。規格はいずれも1mg錠と2mg錠の2種類が製造販売されている。1mgの錠剤には割線が入っているため、0.5mgに分割して調剤できる。ジェネリック医薬品はない。
医薬品添付文書に記載されている用法用量は、インダパミド2mgを1日1回朝食後に経口投与(適宜増減)である。しかし、チアジド系利尿薬は用量依存的に副作用発現頻度が上昇する傾向にあり、チアジド系類似利尿薬であるインダパミドも少量(0.5~2mg/day)で使用されることが多い。[1]
インダパミドは、腎臓の遠位尿細管においてNa+/Cl-共輸送系を阻害し、Na+とH2Oの再吸収を抑制することで利尿作用を示す。この利尿に基づく循環血液量の減少のほか、アンジオテンシンや交感神経刺激の感受性低下に基づく末梢血管平滑筋の収縮抑制によって、血圧が低下すると考えられている。1日1回の内服で24時間効果が持続する。
無尿や急性腎不全の患者への投与は、腎機能がさらに悪化するおそれがあるため禁忌。
インダパミドはナトリウム(Na+)再吸収を抑制し、それに伴いカリウム(K+)排泄を増加させる(尿細管内Na+濃度上昇によりNa+/K+交換系が活性化してK+排泄が亢進する)ため、体液中のNa+とK+が低下する傾向にある。したがって、体液中のNa+やK+がもともと低下している患者への投与は、低ナトリウム血症や低カリウム血症をきたすおそれがあり禁忌。
デスモプレシン(ミニリンメルト®)は、抗利尿作用を有するため中枢性尿崩症や夜間頻尿などの治療に用いられている医薬品だが、過剰な水分貯留によって低ナトリウム血症を引き起こす可能性がある。したがって、インダパミドとデスモプレシンの併用も禁忌となっている。
副作用として、低ナトリウム血症(倦怠感、食欲不振、吐き気)、低カリウム血症(倦怠感、不整脈)、高尿酸血症、高血糖などがある。
トリパミド(ノルモナール®)は、インダパミドと同じスルファモイルベンズアミド系利尿薬である。インダパミドと同じく本態性高血圧症の治療に用いられているが、需要低下により販売中止予定。
インダパミドやトリパミドは、一般にはチアジド系類似利尿薬に分類される。チアジド系類似利尿薬として、ほかにメフルシド(バイカロン®)、クロルタリドンがある。メフルシドは、高血圧症だけでなく心不全や浮腫の治療にも用いられる。
ナトリックス®とは関係ないが同名なので紹介。
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最終更新:2024/04/20(土) 09:00
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