終わりなき悪夢と苦痛、その戒めより
解き放たれ、今や復讐の時至り!魔除けを取り戻すのだ!
ウィザードリィ#4 ワードナの逆襲(原題:THE RETURN OF WERDNA)はウィザードリィ4作目であり、シリーズ最大の問題作。
#1「狂王の試練場」において、伝説の忍者・ホークウィンド率いる冒険者集団「ソフトークオールスターズ」によって魔術師ワードナは討伐された。しかし奪還された魔法のアミュレットは姿を消し、また如何なる炎も魔法も、刃さえも、ワードナの死体を傷つける事は出来なかった。
狂王トレボーは怒り、また恐怖し、ワードナの死体を十層からなるダンジョンの最下層に埋葬させる。役目を終えた冒険者達の任務はモンスター討伐ではなく、ワードナの復活に備えてこの巨大な墳墓を警備することに変わった。
それから百年後、ワードナは遂に復活を果たした。しかしその力の大半は失われ、今や頼りとするのは魔法陣から召喚する有象無象のモンスターばかり。
復活したワードナの目的は彼らと共に地上へと帰還し、奪われたアミュレットを取り戻すことだ。
だが気をつけねばならない。立ちはだかるのは様々な罠や屈強な冒険者達だけではなく、亡霊と化してなおワードナの命を狙うトレボーが背後から迫っているのだから。
これまでのシリーズとまったくゲーム内容が異なり、内容は戦闘やアイテム集めよりもシナリオに重点を置いている。
プレイヤーは地下10階で目覚めた「悪の魔術師」ワードナとなり、階層ごとに配置された魔法陣でモンスターを召喚し、妙に多いパロディを挟みながら襲い来る冒険者どもを殲滅しながら地上を目指す事になる。
いきなりドアがない玄室で復活するところから始まり、フロアいっぱいの地雷原の真ん中に重要アイテムが転がっているなどは序の口。使い方のわからないアイテム、ワープだらけのぐちゃぐちゃのマップ、入る方法自体が理不尽な方法で隠されているフロア、ゲーム外の知識を要求される謎解きの数々はろくにヒントもなく、自力での攻略は当時極めて困難であった。
更に、キーアイテムの取り忘れによる各種ゲームオーバーの数々も見逃せない。シナリオを重視した本作においては、ワードナの死にざま観察も目的のひとつと言い切っていいだろう。
更に階層でもたもたしているとトレボーの亡霊が追ってきて、問答無用でゲームオーバーとなる。
戦闘の難易度も高く、ワードナもすぐ死ぬ。モンスターは全員ランダムで行動するため戦術性は低く、勝敗は召喚するモンスターの選択と、かなりの運に依存する。
勿論主たるワードナが死ぬと、モンスターが残っていてもゲームオーバーである。
拠点となる街という概念は存在せず、回復は魔法陣に到達することで行われる。
オートセーブはなくなっているので、いろいろ試す前にセーブしておくことが重要だが、変なところでセーブするとハマりになって進行不能になることもあり、注意が必要。
主人公がワードナになったことで、ゲームの設計自体も逆転している。
これまで冒険者のHPが表示されていた画面下には、本作でも(敵の)冒険者のHPが開示され、逆に味方のモンスターのパラメータはワードナからもおおざっぱにしか見ることはできない。何せ、仲間モンスターのHPすら見えないのである。
更に、モンスター側のワードナがどんなに冒険者を倒しても経験値という概念はない。ワードナはレベルの高い魔法陣に立つことでレベルを上げるのみ。レベル7以下でマカニトを食らうとワードナも100%即死する為、マカニトの使い手に遭遇しない(あるいは先手を取る)事を祈るしかない。
豊富に登場する装備品も、魔術師であるワードナに装備できるものはごくわずかで、ほとんどがゴミとなる。売るという概念すらなく、ある便利アイテムを入手するまではアイテム欄を圧迫するだけだ。終盤ゴロゴロ出てくる侍の最強武器・村正も使えない以上は全部ゴミ。
そんなゴミに混ざって、そのへんの冒険者がキーアイテムを落とすこともあり、本当にタチが悪い。
こんな地獄のような迷宮の謎を解き明かし、ワードナは地上に帰還し、百年来の復讐を果たし、アミュレットを手にすることができるのか。
そしてワードナはこの試練を通じ、世界の真実に到達できるのか。
......壮大な物語の結末は複数用意されている。
ただし一概にクソゲーとは言い切れず、本作の難易度と多彩かつ毒のあるパロディに魅了されたプレイヤーも多い。コズミックキューブを踏破してマップを完成させたときの感動は言うに及ばず。
ちなみに謎解きの難易度が高い事はSir-Tech社も認識しており、パッケージには「最初の部屋を脱出する方法」が書かれたメッセージが同封されていた。
無理もないがこの難易度ゆえにファミコンに移植されず、長いことゲーム機ではPCエンジン版しか存在しなかった。しかし後にPlaystationおよびWindows版の「ニューエイジオブリルガミン」に#5と同梱・収録され、比較的プレイしやすくなった。
PS版ではオリジナルの移植であるクラシックバージョンと、アレンジバージョンの二種類がある。
アレンジバージョンでは、
細かいシステムメッセージも全て書き直され、いかにも「悪の魔術師」といった感じのワードナの冒険を楽しめるようになっている。
また重要アイテムを発見するとメッセージが出て重要ということがわかりやすい。まあ、これでも自力クリアできるかは微妙だが......
末弥純氏の敵キャラクターグラフィックは書き下ろしではなく、他のウィザードリィ作品(SFC版Wiz5,6等)のモンスターグラフィックのほか、過去に雑誌・ムック(アスキー)やWiz小説・WizTRPGブック(アスペクト)に同氏が描いた表紙絵や挿絵から、人物部分を抜き出して加工編集したものが使われている。本来の元絵については同氏の画集「ウィザードリィ」に詳しい。
オリジナルのシナリオを再現したクラシックバージョンでは、召喚システムも原作通りで、アレンジバージョンとは全く違う原作のエンディングも目にすることができる。
ゲームの設計としても「アレンジバージョンで謎を把握し、その知識でクラシックバージョンをプレイする」という方式を想定しているとのこと。そのためアレンジバージョンで多少難易度は落ちているものの、クラシックの予習になるように謎自体は削除されていない。
なお「ニューエイジ」では固定パーティー「スペイン宗教裁判(THE SPANISH INQUISITION)」が登場しない。元ネタが元ネタだけに流石に駄目だったのだろうか……
墓守どもを呼び覚ませ!
守りを固めろ!
罠を忘れるな!
手塚一郎の長編小説「ワードナの逆襲」は、冒険者達からの視点でワードナの復活と侵攻を描いた群像劇となっている。
ワードナには台詞がなく、モンスターを引き連れて淡々と冒険者を虐殺していく描写はまさにホラー。またカント寺院関係者のえげつない描写があり、こちらも「悪」として描かれている。
ちなみにホークウィンドはエルフの女性で、これ自体は本作のオリジナル。無敵を誇る彼女が何故あるモンスターに倒されたのか、独自の解釈によって語られている。
竹内誠の短編集「ウィザードリィ異聞 - 続々リルガミン冒険奇譚」には、#4におけるワードナの物語が所収されている。
こちらのワードナは長い旅を続ける間に属性が変化し、遂に世界の真実を掴むという一つのエンディングを踏襲。更にそこからある物語へと続いている。
掲示板
4 ななしのよっしん
2018/03/30(金) 01:00:33 ID: XWDfMdfOd6
なんでリルガミンって名前が出ないかというと、
この頃はトレボー城塞都市とリルガミンはご近所さんではあるけど全く別の街って設定になってたからです
個人的にはシナリオ2のお話に矛盾がなくなるこっちの設定のほうが好み
5 ななしのよっしん
2018/04/28(土) 21:51:21 ID: tUnzawS6kz
#4はマカニトが確率死でラカニトが一定レベル確実死だったかも…
どっちかがワードナが確実に死ぬ魔法なのは確か
そのために酸素マスクがあるが
6 ななしのよっしん
2018/10/16(火) 23:08:47 ID: 42YfRst3xo
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最終更新:2024/04/25(木) 08:00
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