ウラジーミル・ナボコフ(Vladimir Vladimirovich Nabokov)とは、ロシア出身の小説家である。
また詩作、翻訳、チェス問題の製作、昆虫の研究なども手がけた。
ロリータ・コンプレックスの語源となった小説「ロリータ」の作者として、世界的な知名度を得ている。
帝政ロシア、サンクトペテルブルク生まれ。
1919年、革命の勃発に伴い家族とともに亡命。西欧で教育を受ける。
1945年、アメリカ市民権を取得。
1955年、小説「ロリータ」を発表。
1959年、スイスに移住。
1977年没。
アメリカに亡命した中年の文学者「ハンバート」が、下宿先の美少女「ドロレス・ヘイズ」(愛称ロー、またはロリータ)に恋をし、篭絡し、破滅していく様子を描いた作品。小説はハンバートが獄中書き残した「手記」という形式をとっている。
後にスタンリー・キューブリック監督で映画化された。
「ロリータ」はそのセンセーショナルな内容からいくつかの出版社に出版を断られ、結局はフランスで出版された。
保守的な倫理がいまだに幅を利かせていた1955年当時、少女愛を正面から描いた「ロリータ」が社会に与えた衝撃は大きく、その後「ロリータ」は「ロリータ・コンプレックス」をはじめ様々な概念・用語に派生していくこととなる。
小説としての「ロリータ」は最初は独特の複雑な言い回しにとっつきにくさを感じるが、読みなれてくると何回で婉曲な表現のうちに特有の妄執とフェティシズムが浮かび上がってくる。
その詩的な生々しさは、我々が知る二次元のフィルタを通した「ロリコン」とは一線を画すものと言えよう。
また「ロ、ロリなんて興味ないんだからなっ!!」という人のためには、
「中年のハンバートをヨーロッパに、若いロリータをアメリカに置き換えて、文化的対立のメタファーとして読む」
という逃げ道も残してくれている。
まことにナボコフ先生は偉大である。
詳細な作品リストはウィキペディアの当該項目を参照されたし。
近隣の図書館で「ロシア文学」の棚を探せば見つかることも多いだろう。
また、ナボコフは「ロリータ」に先立つ1939年に構想した作品「魅惑者」において、既に思春期少女への妄執を吐露する中年男性というプロットを用いている。
掲示板
27 ななしのよっしん
2014/02/21(金) 00:51:56 ID: MqIK3XPj07
ロリータにおいて、
ハンバートは少年時に恋した少女が亡くなってしまったからこそ
少女(ニンフェット)に面影を重ねているという節がある
だから、ニンフェットという幻を追い駆けていたからこそ
ドロレスを見失ってしまったんだと思う
全てを語っているナボコフ(=ヴィヴィアン・ダークブルーム)の
言葉に真実があると思うんだが、俺には難し過ぎた
ただ、ナボコフの作全般でのフロイト批判はおもしろい
偶に小便している最中にご加護の話を思い出してニヤニヤしてる
28 ななしのよっしん
2014/11/17(月) 14:25:00 ID: 7PuG2EhC3O
単純に双方のすれ違いの物語とも読める。
亡き恋人の面影を重ねたハンバートと父親の姿を求めたドロレス、
お互いに求めるものが実体とかけ離れていたからこその悲劇だと思う。
29 ななしのよっしん
2020/01/03(金) 20:57:16 ID: Y24gmDE90L
『ロシア文学講義』で『罪と罰』について、〈いかに雄弁の弾みであろうと、汚らわしい殺人者とただの不運な街娼を一緒くたに並べてはならない〉って批判してるのほんと好き
おまえなんでそんな高潔な精神で『ロリータ』とか書けんねんって笑ってしまう
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最終更新:2024/04/20(土) 11:00
最終更新:2024/04/20(土) 11:00
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