『ウルトラセブン』とは、円谷プロがウルトラシリーズ第3作(第1期ウルトラシリーズ最終作)として制作し、1967~1968年にかけてTBS系列にて放送された特撮番組、もしくはそれに登場するヒーローのことである。現在でも「ウルトラシリーズ最高峰」と賞賛する大きいお友達ファンも多い。
キリヤマ、ソウハオモワナイカ?
ウルトラセブンの歌 ファミコンヴァージョン |
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変身宇宙人ものとして『ウルトラマン』に続き、制作された特撮番組(直接の前番組は『キャプテンウルトラ』)。ウルトラマンとともに、第一次怪獣ブームを引き起こした。
『ウルトラセブン』とは「ウルトラ警備隊」の7番目の隊員、という意味を持つ。本来は戦闘員ではなく、恒点観測員という立場。地球での姿は最初に助けた地球人、薩摩次郎のものを借りている。
撮影開始時にはまだ『ウルトラセブン』という正式名称ではなく、『レッドマン』という仮タイトルであった。商標権の調査などが間に合っておらず、最初の数話では出演者の誰も「ウルトラセブン」と呼んでいない。本放送には晴れて『ウルトラセブン』の呼び名が正式に付いた。
前作『ウルトラマン』は、視聴率40%を超える大ヒットとなったが、1話の制作に10日から2週間もかかっており、やがて制作が放映に追いつかなくなることは明かであった。そのため『ウルトラマン』は打ち切られることとなり、円谷プロは制作方法の見直しをすることとなった。その後半年間の東映による『キャプテンウルトラ』の放送を経て、『ウルトラセブン』が発表された。
『ウルトラマン』よりも後の番組のため、それを見て成長した子供に合わせて対象年齢が引き上げられ、SF色・軍事色が強いものとなっており、オープニングで怪獣の名前も表示されない。主な敵役は宇宙人の侵略者、変身の時間制限(カラータイマー)がない、等身大での活躍が多いなど『ウルトラマン』と異なる点も多い。これは『ウルトラQ』『ウルトラマン』と同一の世界観にするつもりが無かったことも理由のひとつであり、現在となってはシリーズ中でも異色な作品である。
結局、視聴率的には『ウルトラマン』と比べれば苦戦し、途中でテコ入れが行われ時間制限が盛り込まれたり、予算的に厳しい回もあったものの、無事最終回を迎えた。本作の終了後は、円谷プロはひとまずウルトラシリーズとは決別し、より大人向けの『マイティジャック』や『怪奇大作戦』などを作っていく。海外SFやアメコミヒーローと同じように、日本の特撮作品も大人が普通に見る時代が来ると考えてのことだったが・・・。
ハードなSF要素や魅力的なメカニック描写等は後年のサブカルチャーにも影響を与えており、それ故か一部にコアなファンが多く、度々続編が作られている。1993年から2002年にかけて断続的に製作された『平成ウルトラセブン』シリーズがあり、これは他のウルトラシリーズとは世界観がつながらない設定になっている。また、2007年には異次元での活躍を描いた『ULTRASEVEN X』が発表されている。全く持って面倒な作品である。
12話については・・・。
M78星雲光の国の恒点観測員。恒点観測員とは要するに地図(航路図)を作る仕事で、日本では国土地理院の職員のようなもの(『平成ウルトラセブン』シリーズでは文明の監視者みたいな役割に変わっている)。後に宇宙警備隊に入り、ウルトラ兄弟の三男となる。17000歳(旧設定では19000歳)。超能力(ウルトラ念力)が得意であり、必殺技はエメリウム光線、ワイドショット、アイスラッガーなど。
父は勇士司令部部長、母は「ウルトラの母」の姉(故人)というエリートであるが、なぜ宇宙警備隊隊員ではなく恒点観測員をしていたのかは不明。兄と姉もいるが、後に兄の存在の設定は消滅した。普段は姉と二人暮らしらしい。恒点観測員であったため、エネルギー残量をはかるためのカラータイマーはなく、額のビームランプがその役割を補助している。
太陽系の恒点観測図を作るためにたまたま地球を覗いたところ、命を投げ出して仲間を救おうとした登山家、薩摩次郎を見て感動し、彼を助けた後その姿と魂をコピー(肖像権侵害の上、無断コピーなので著作権侵害)し、地球人のウルトラ警備隊隊員モロボシ・ダン(諸星弾)となった。ただし、中身までは完全にコピーできなかったらしい。
「アンヌ。僕は、僕はね、人間じゃないんだよ。M78星雲から来たウルトラセブンなんだ!」
「西の空に明けの明星が輝く頃、一つの光が宇宙へ飛んで行く、それが僕なんだよ。 さよならアンヌ!」
「アマギ隊員がピンチなんだよ!!」
そして、地球を守るために尽力するが、元々宇宙警備隊隊員ではなく恒点観測員であったために戦いになれていなかったのか、3分間の時間制限なども無く(ただし寒さには極端に弱い)戦っていたので徐々に疲弊し、最後は過労で倒れてしまう。そして、セブン上司に警告を受けてもぼろぼろになるまで戦い、地球を去った。
その数年後、ウルトラマンタロウが「地球人として生きていく」という宣言をしたため、ウルトラセブンとして、また宇宙パトロール隊MAC隊長モロボシ・ダンとして再び地球を守る任務に就くものの、ギラス兄弟に右足を折られ松葉杖生活を余儀なくされる。そのため、自分を助けてくれた同じ宇宙人のウルトラマンレオ=おおとりゲンを自分の代わりに地球防衛の任務に当たらせるため、ウルトラアイを念力で破損させて変身不能にし(なお、壊れたウルトラアイはウルトラマンジャックによって修理に出された)、レオを厳しく鍛え上げる鬼教官となる。その特訓は奇抜かつ過酷なものであり、中でもジープでの特訓は非常に有名である。その一方で、レオの勝利を真っ先に喜んだり、ゲンを含む他の隊員達にも慈悲深い一面があるなど、かつての優しさは相変わらずである。
その後、円盤生物シルバーブルーメの襲撃でMACは全滅し、セブンも行方不明になるが、レオの心の中で激励を飛ばしたりと存命をほのめかす演出がされている。しかし後年、ウルトラマンメビウスの作品解説書によるとウルトラの母によって回収され、セブンとしての能力も取り戻したということになっている。
その後もM78世界を含むいくつかのパラレルワールドでそれぞれ事情は異なるがまた復活し、地球を守り続けている。ウルトラ戦士中、地球に来た回数は最も多い、お人好しのいいやつである。
最近では子供も生まれていよいよ隠居する気なのか、どこぞの雀荘で舘ひろしや萩本欽一と雀卓を囲んでいたり、何故か人間大になって麒麟の川島と登山を楽しんでいる様子が目撃されている。
また、コーヒーのCMなのに、顔の形状のせいでコーヒーが飲めなかった。
なお、「ウルトラマンセブン」ではないので注意すること。この言葉が許されるのはせいぜい幼稚園の年少組ぐらいまでである。
現在は欠番となっている12話『遊星より愛をこめて』にはゲスト出演者として、『ウルトラマン』でフジ隊員を演じた桜井浩子が、スペル星人の恋人役(地球人)として出演していた。
8話『狙われた街』と対を成す構成のドラマ展開であり(戦闘シーンも夕日をバックにして、モーションストップが入ったりする)、8話が「地球人同士まったく信じあっていない」とシニカルに結ぶのに対し、12話は「いつか地球人と宇宙人も愛し合える」と、結んでいる。これがダメであれば「ギエロン星獣」も登場不可能にならないだろうか。
まったく被爆者を差別・揶揄するような表現は無く、本放送時にも広島・長崎の被爆者団体による抗議等も無く、刺激していなかったが、1970年、小学館雑誌付録である「かいじゅうけっせんカード」にスペル星人の写真が使われ、そのキャプションに「ひばくせい人」という一文がついていた。これに気づいた子供の親が小学館雑誌に抗議文を送り、朝日新聞に投書を行った。その為円谷プロの発表を待たず各報道機関が報道し抗議活動が全国的に広まってしまった。
円谷プロはスペル星人に関する資料公開を中止し、12話は永久欠番に追い込まれることになった。
この経緯を特集する同人誌や書籍等が発売されている。
2001年には、朝日新聞に特集記事が組まれ、
等が掲載されたが、現代でも円谷プロは公開に踏み切っていない。
尚、「被爆星人」の呼称はニコニコ動画において小学館が勝手に付けたと誤解されがちであるが、初出は1968年秋田書店刊『怪獣ウルトラ図鑑』である。これを含んだ各雑誌や怪獣本の記事を元に、ある中学生のSFマニアが怪獣データベースを作成、円谷プロが買い上げた上で各出版社に販売しており、小学館はこれから拾って出版してしまったというわけである。
つまり、どこが欠番騒動の火種になってもおかしくない状況にあったわけである。
これらの経緯は安藤健二著『封印作品の謎』の第一章「闇に消えた怪獣」において、実相寺監督や当時の抗議者など各関係者へのインタビューとともに纏められているので、詳しく知りたい向きには一読をお勧めする。
なお筆者は90年代後半に某同人イベントにて16mmフィルムを鑑賞した事があるが、作品の質的にはぶっちゃけアレであった。ネット全盛の現代、12話自体は八方手を尽くせば観れなくもないが見つけても動画自体は100%著作権法違反である事、欠番=名作ではないという事を十分理解して頂きたい。
話数 | サブタイトル | 初回放映日 | 脚本 | 監督 | 特撮監督 | 登場宇宙人・怪獣 |
1話 | 太陽エネルギー作戦 | 1994年3月21日 | 右田昌万 | 神澤信一 | ピット星人(2代目) エレキング(3代目) |
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2話 | 地球星人の大地 | 10月10日 | メトロン星人(3代目) 恐竜 |
話数 | サブタイトル | 初回放映日 | 脚本 | 監督 | 特撮監督 | 登場宇宙人・怪獣 |
1話 | 失われた記憶 | 1998年6月5日 | 神澤信一 | ヴァリエル星人 | ||
2話 | 地球より永遠に | 7月5日 | 武上純希 | 神澤信一 | ガッツ星人(2代目)(3代目) サルファス |
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3話 | 太陽の背信 | 8月5日 | 右田昌万 | 高野敏幸 | 神澤信一 | バンデラス |
話数 | サブタイトル | 初回放映日 | 脚本 | 監督 | 特撮監督 | 登場宇宙人・怪獣 |
1話 | 栄光と伝説 | 1999年7月7日 | 神澤信一 武上純希 |
神澤信一 | ヴァルキューレ星人 | |
2話 | 空飛ぶ大鉄塊 | 8月5日 | 神澤信一 お〜いとしのぶ |
神澤信一 | 満留浩昌 | キュルウ星人 ガロ星人 大鉄塊 |
3話 | 果実が熟す日 | 9月5日 | 右田昌万 | 高野敏幸 | レモジョ星系人 ボラジョ ウインダム |
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4話 | 約束の果て | 11月5日 | 太田愛 | 神澤信一 | 大龍海 | |
5話 | 模造された男 | 12月5日 | 右田昌万 原案:秋廣泰生 |
高野敏幸 | 満留浩昌 | キングジョーII |
6話 | わたしは地球人 | 12月31日 | 武上純希 | 神澤信一 | ノンマルト ザバンギ ウインダム ミクラス |
話数 | サブタイトル | 初回放映日 | 脚本 | 監督 | 特撮監督 | 登場宇宙人・怪獣 |
1話 | EPISODE:4 イノセント | 2002年5月22日 | 武上純希 神戸一彦 |
高野敏幸 | 高野敏幸 | 植物生命体 ネオパンドン |
2話 | EPISODE:1 ダーク・サイド | 6月21日 | 神戸一彦 | 小原直樹 | ペガッサ星人 | |
3話 | EPISODE:2 パーフェクト・ワールド | 7月24日 | 吉田伸 | ゴドラ星人 | ||
4話 | EPISODE:3 ネバーランド | 8月21日 | 武上純希 | ガルト星人 ネオパンドン |
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5話 | EPISODE:5 アカシックレコード | 9月25日 | 高野敏幸 | 植物生命体 ガルト星人 ガイモス |
掲示板
416 ななしのよっしん
2024/05/13(月) 22:31:31 ID: xp3elxgUS2
剣道の有段者だった上西浩次のアイスラッガー捌きが実にかっこいい。
上西浩次の演技力の高さも最終回が名作とされる要因の一つだろう。
417 ななしのよっしん
2024/08/11(日) 08:00:43 ID: R8ur9TtgG7
ウルトラブレスレットを直接渡しに来たのはセブンだが、実は開発そのものにも関わってるのではないかという説が自分の頭の中で渦巻いてるんだがどうだろう。おそらく超能力で操るのであろうコンパクトな宇宙金属製アイテムというのがアイスラッガーと共通しているし、初陣のベムスター戦で初めて登場した決まり手が、アイスラッガーそっくりの光る刃が飛び回るウルトラスパークだというのも意味深に感じる。
418 417
2024/08/11(日) 08:11:05 ID: R8ur9TtgG7
セブンのTV本編でも地球内外の様々なSF技術が登場したし、ダンもそういった事情にかなり詳しいように見えるから、科学や工学技術にも詳しいとしてもおかしくない。ここから完全に自分の妄想の範囲だが、セブンが自分の経験から簡易アイスラッガーのようなコンセプトのコンパクトツールとして開発側にアイディア提供したのが始まりではないか…なんて想像してみたりする。
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最終更新:2024/12/05(木) 10:00
最終更新:2024/12/05(木) 10:00
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