エイシンフェンサー(A Shin Fencer)とは、2020年生まれの日本の競走馬。黒鹿毛の牝馬。
主な勝ち鞍
2025年:シルクロードステークス(GⅢ)
父ファインニードル、母エーシンパナギア、母父エイシンサンディという血統。
……えっ、母父エイシンサンディ?
父はアドマイヤムーン産駒で、2018年の春秋スプリント制覇を果たしたゴドルフィンのスプリンター。エイシンフェンサーはその初年度産駒の1頭である。
母はダートの短距離を走り中央で3勝、その後園田と佐賀で走り佐賀で1勝を挙げた。エイシンフェンサーは第5仔。
母父はサンデーサイレンスの2世代目の産駒で、不出走のまま父の代替として種牡馬入りし、地方向けの格安サンデー後継としてミツアキサイレンスやセイクリムズンを輩出し成功を収めた。とはいえこの令和に母父としての産駒を中央で見掛けるのはなかなかレアである。
1歳上の半姉に、スピーディキックが勝った2021年のエーデルワイス賞3着のエイシンヌプリ(父*パイロ)がいる。
2020年4月29日、新ひだか町の木田牧場(主な生産馬にエイシンヒカリ、アサカリジェント、スマイルカナなど)で誕生。牧場曰く、母は性格的にキツいところがあり、その気性は産駒にも受け継がれがちだが、エイシンフェンサーは比較的扱いやすい性格だったとのこと。
オーナーは母および母父と同じく、「エイシン」「エーシン」冠でおなじみ栄進堂。
同冠のエイシンスポッターが所属する、栗東・吉村圭司厩舎に入厩。2022年12月28日、阪神・芝1600mの新馬戦にて団野大成を鞍上にデビュー、2番人気に支持されたが、2番手で先行するも4角でもう手応えが怪しく直線伸びず5着。
明けて3歳となり、距離短縮して中京・芝1400mの未勝利戦に岩田望来を迎えて臨むと、9番人気に評価を落としたが、好位から良い脚を見せて2着。続いてダートに切り替えて阪神・ダート1200mの未勝利戦に向かうと、2番手から直線抜け出して押し切り勝ち上がる。
しかし団野大成に戻してそのまま同条件の平場1勝クラスを使うが、中団前目から直線伸びきれず5着、出遅れて後方から追い込むも5着と、いまいち決め手に欠ける感じの結果に。
そんなわけで芝に戻ることになり、新たに鞍上に迎えることになったのが、フリーながら厩舎の調教をずっと手伝っていた川又賢治騎手であった。川又騎手はこのときデビュー7年目、2年目に44勝を挙げるもその後は徐々に乗鞍が減ってきていたところに、前年の6月に落馬して鎖骨を骨折、幸いすぐ復帰できたが、怪我後はますます乗鞍が減少して苦しんでいた。
6月の函館・芝1200mの平場1勝クラスで初コンビを組んだ川又騎手とエイシンフェンサーは、2番手先行から直線抜け出し押し切りで見事一発回答。以後、川又騎手が主戦として固定されることとなった。
しかしこれでトントン拍子に勝ち上がれたわけでもなく、2勝クラスこそ昇級2戦目、札幌・芝1200mのHBC賞(2勝クラス)で突破したものの、3勝クラスで壁にぶつかる。キビタキステークス3着、吉田隼人が騎乗したカウントダウンステークスは10着撃沈。4歳となって川又に戻ったが下関ステークス3着、淀屋橋ステークス3着。エイシンフェンサーはゲートも操縦性も悪くないが勝負どころでの加速力に難があり、また先頭に立つとフワッと怖がるところがあるそうで、好位で進めて4角から川又騎手の鞭が入り、直線では伸びそうに見えるんだけどなかなか伸びず結局届かない……というレースが続いた。
福島のやまびこステークスでダートに戻してみるも10着に沈み、得意の北海道に渡って函館のTVh杯でクビ差2着。続く札幌のTVh賞でようやく半馬身捉えきって4勝目、オープン昇格を果たした。
昇級初戦のUHB賞(OP)は4着とますまずの内容だったが、使い詰めだったので4ヶ月の休養を挟み、年内ラストのタンザナイトステークス(OP)では馬群の中で掛かり散らしていた他馬と3角で接触する不利を受けて13着に撃沈。4歳シーズンを終える。
さて明けて5歳となったエイシンフェンサー。牝馬なので頭打ちとなればそろそろ繁殖入りを考える頃合いである。前走の大敗もあって、陣営は繁殖入りを優先して引退を決定。ラストランとして中山のカーバンクルステークス(OP)を使うことにした。しかしフルゲート16頭に対して出走順は18番目。どうにか回避が出て出走が叶ったものの、単勝41.2倍の11番人気と全くの人気薄であった。
だが、かつての弾けきれなさを克服していたエイシンフェンサーは、3番手の好位先行から直線鋭く伸びて押し切り完勝。強い内容、時計もこれまでの持ち時計を大きく更新する1:07.4でオープン初勝利を挙げる。
ラストランのはずが一転、この勝利でエイシンフェンサーは現役続行が決定。オープン入りした頃から「オープンでも通用する」と言っていた川又騎手は、担当厩務員(レース前日は寂しくて眠れなかったそうな)と2人でこの決定を喜びあったそうである。
というわけで、中1週で初の重賞となるシルクロードステークス(GⅢ)へ。前走は好内容での勝利とはいえ関東輸送からの中1週、前走の相手関係もあまり……という感じだったので、ここでも27.4倍の9番人気に留まった。
人気馬ソンシが発走直前に除外となったり、セントメモリーズがゲートを破壊して外枠発走になったりとトラブル続きの中始まったレース。今回も好スタートからすんなりと3番手で先行したエイシンフェンサーは、直線では力強く脚を伸ばして前を捕まえ、後続の追撃を悠々押し切って1馬身半差で完勝。引退予定を蹴っ飛ばしての現役続行が見事に実を結び、相棒・川又賢治に9年目での嬉しい重賞初勝利をプレゼントした。勝ち時計1:08.2も稍重では京都の改修後最速の時計で、前走が単なるフロックではなかったことを証明した。
晴れて重賞馬となったエイシンフェンサーは、フリーから3月付で吉村厩舎所属となった川又賢治とともに堂々高松宮記念(GⅠ)に参戦。26.1倍の8番人気だったが、5番手の好位から直線でもあわや抜け出すかという見せ場を作り、最後はサトノレーヴらの末脚に薙ぎ払われたものの5着で掲示板確保。1月には引退予定のオープン特別で11番人気だった馬が2ヶ月後にGⅠで自分の競馬をして賞金を持ち帰っているのだから立派なものと言うべきだろう。
この好走で香港からチェアマンズスプリントプライズ(G1)の招待が届き、受諾。サトノレーヴらとともに香港遠征に向かうことになった。鞍上は川又騎手継続とはならず、クレイグ・ウィリアムズに乗り替わり。レースは最内枠から中団の好位で進めたものの、直線に入ると隣にいたカーインライジングに一瞬で置いていかれ、あとは余力なくブービー12着。さすがにちょっと家賃が高かったか。
| ファインニードル 2013 鹿毛 |
アドマイヤムーン 2003 鹿毛 |
*エンドスウィープ | *フォーティナイナー |
| Broom Dance | |||
| マイケイティーズ | *サンデーサイレンス | ||
| *ケイティーズファースト | |||
| *ニードルクラフト 2002 栗毛 |
Mark of Esteem | Darshaan | |
| Homage | |||
| Sharp Point | *ロイヤルアカデミーII | ||
| Nice Point | |||
| エーシンパナギア 2008 青毛 FNo.A13 |
エイシンサンディ 1993 鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo |
| Wishing Well | |||
| エイシンウイザード | *ノーザリー | ||
| シルバーナイキ | |||
| *サンタマリアガール 2002 鹿毛 |
High Yield | Storm Cat | |
| Scoop the Gold | |||
| *エイシンマリアンナ | Gone West | ||
| Dramatic Joy |
クロス:*サンデーサイレンス 4×3(18.75%)、*フォーティナイナー 4×5(9.38%)、Mr. Prospector 5×5(6.25%)
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最終更新:2025/12/08(月) 05:00
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