エッチな夏休みとは、高橋邦子が生み出した痛いRPGゲームである。
高橋邦子ゲーム第16作品目にあたるRPGで氏の代表作とされる。
正確な完成日時は不明だが、2009年7月時点でマスターアップを完了しており、2009年7月26日午後17時32分に高橋の兄によってニコニコ動画にプレイ動画がアップロードされたことで陽の目を見ることとなった作品。
兄の説明文を読んだ限りでは、高橋は1998年ごろからツクール系ソフトでゲーム製作を始めたようだが、2009年時点でも特に公開しているホームページなどは見当たらず、何故10作以上ものゲームを10年以上作り続けていたのかという理由は明らかにされていない。友人に見せるためだったのか、単なる趣味だったのか、それとも動画投稿サイトへのアップロードを最初から想定していたのか・・・・
RPG作品としては11作品目にあたり、アップロード時点では『エミリーの大冒険』以来21日ぶりに公開されたRPG作品だった。また、高橋はRPG第10作の『エロタワー』で試験的にRPGツクールVX導入し、前作エミリー~では再度2000へ製作環境を戻しているが、本作以降VX作品を主流としている。それまでのRPG作品の製作ツールにはRPGツクール3かRPGツクール2000を用いており、本作はRPGツクールVXが使用された第2の作品でもある。
そのためか、旧作のBGMにあたる「BATTLE3」(邦子のテーマ)をはじめとするいつもの楽曲の多くが未使用となっており、おなじみのタイトルバックでの爆発も無いため、実は作品全体的に見ると若干ながら異色作ともなっている。但し、タイトルドカンの演出は第19のRPG『超エロRPG』(厳密にはこの作品の難易度選択画面)と中期以降に多様されるようになったもので、本作時点ではまだこの演出が使われた作品は無い。
楽曲の多くはクラシックから引用されており、ゲームオーバー時にはヨハネス・ブラームスの「ハンガリー舞曲第5番ト短調」のピアノバージョンが流れるほか、旅行編のエンディングではアメリカの大衆歌謡曲「オーラ・リー」(若しくはエルビス・プレスリーの「Love Me Tender」か?)が流れ、そのストーリーの終焉に華を添えている。
また、RPGを銘打ってはいるが、公開された動画内ではコマンド選択方式のノベルディゲームに近いものとなっていて、一般に理解される「戦闘を行う」「主人公がフィールドを自由に動き回る」「名前をつけた自分の分身が行動する」といった要素はほぼ皆無で、主人公は選択肢を一歩でも間違えば即死というシャドウゲイトやファミコン版AKIRAを髣髴とさせる死にゲーともなっている。
ゲームは最初の選択肢でストーリーが分岐し、動画内では「自宅編」「宝探し編」「旅行編」の一部が見られる。少なくともあと一つ存在するが(おそらく冬休みの選択から「教会編」と思われるもの)、それが何かは今のところ闘会議でプレイした諸君しか知らない。先述のとおり「旅行編」では正式なエンディングが存在し、きちんと話が完結することがわかっているが、ほかの章にもそれぞれにエンディングが存在しているのかはわからない。
それまでの高橋作品は特に注目されるようなものでもなかったが、そのタイトルに釣られた視聴者が多かったのか、このゲームの動画が公開されるとたちまちその不条理ぶりから人気となり、2015年2月現在で再生回数は200万回を超えている。これはニコニコ動画で発掘されたゲームとしては2007年の『チーターマン』や翌2008年の『呪いの館』にも匹敵、或いは投稿からの期間を考えれば、それら以上の人気を得たとも言える。丁度この時期のニコニコはこういったクソゲームービーが全盛期でもあった。
そしてこの作品の大ヒットによって、高橋邦子の作品、即ち過去のゲームそのものも見直され、X JAPANもビックリなサイケデリックな人物のビジュアル、映画「時計じかけのオレンジ」も真っ青なバイオレンスな展開、随所に蔓延る血と殺戮のショッキングで笑える描写などの独特すぎる世界観に注目が集まり、無名のクリエーターだった彼女が一躍新作ゲームの動画がアップロードされる度にランキング上位を記録する人気作家へと変貌を遂げた。
新作は今も製作が続いている模様で、2015年2月に至るまで新作ゲームのプレイ動画が兄の手でアップロードされている。但し、高橋邦子本人がそれを知っているか否かは定かではない。(闘会議に本作が出品されていることから、ある程度兄妹間での話し合いは付いていると思われる)
2015年1月29日午後18時56分に高橋作品史上最長のブランクで3年69日ぶりに投稿された『エッチな冬休み』はタイトルこそ本作のセルフパロディだが、最初の選択でストーリー分岐があること以外はゲーム性が大きく異なるほか、登場人物もまったく違う。但し、主人公は同じである。続編というよりは「フランケンシュタイン対地底怪獣」と「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」のような姉妹編と捉えるのが妥当だろう。さらにその次回作『エロビアンナイト』では本作の主人公のその後が明かされる。
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最終更新:2024/04/26(金) 04:00
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