オゾン単語

オゾン

1.7千文字の記事
  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • LINE

オゾンOzone)とは、酸素原子3つから構成される分子。

概要

同素体
オゾン
オゾン
基本情報
英名 Ozone
化学 O3
分子量 48.00
同素体テンプレート

オゾンは、酸素原子3つからなる酸素同素体であり、分子式ではO3と表記される。折れ線形の分子構造をもち、極限構造式ではO=O+-Oと表記されるが、両端の酸素原子は等価であり、中心の酸素原子と両端の酸素原子との間の2つの結合も等価である。常温常圧ではややみがかった色の気体。特有の臭気があり、生臭いのような臭いなどと表現されることもある。雨上がりの匂い(ペトリコール)の原因物質の一つとも考えられている。

熱力学的に不安定であり、反応性が高い。大気中では分子同士、あるいは他の分子と反応して分解しやすい。とくに有機化合物中の炭素二重結合に対しては反応速度く、その性質を利用して漂や脱臭、殺菌などに利用されている。また、この性質のため、炭素二重結合を持つゴム劣化させることでも知られる。高濃度のオゾンは人体への性が強いので、直接嗅がないように。

生成方法

保存がきかないため、酸素ガスへの紫外線照射や放電によって発生させる方法が一般的である。大気中にも約2割の酸素が含まれており、空気成分である窒素アルゴンは反応しにくいので、空気をそのまま原料として用いることもある。

同じように、電気配線の故障などで漏電や放電が起こっていると、周囲にオゾン臭が漂う場合がある。また、直流モーターは整流子を用いているため火が発生し、結果オゾンができるため作動時にはオゾン臭が漂う。ゴムが侵されるため、タイヤ電気機器に近づけてはいけない。

オゾン層とオゾンホール

オゾンは工業的に有用なだけでなく、地球上のすべての生物に多大な貢献をしている物質でもある。地表付近にはわずかしか存在しないが、上約15〜35kmに一定の濃度で層を形成しており、これがオゾン層と呼ばれている。オゾンには紫外線(とくに生物に有な波長280nm以下のUVC)を吸収する性質があり、太陽からの強い紫外線大地に降り注ぐのを防いでいる。進化の過程で動物深海から陸に上がってこられたのはオゾン層のおかげ、と言えるかもしれない。

それだけ重なオゾン層であるが、20世紀末南極だけ濃度が極端に低くなるという現が発見され、大きな問題となった。図示するとまるでポッカリと開いたのように見えるため、オゾンホールと呼ばれる。とくに南極から初に当たる9~10月で多く見られる。日本においても札幌などで似た現が観測されている。 

このな原因は、当時工業製品の洗浄やクーラーの冷媒に用いられていたフロンとされる。フロンは安定な物質だが、その安定さゆえに長期間大気中にとどまる。また厄介なことに紫外線によって分解され、ほかの物質と反応しやすい塩素ラジカルを放出するという性質がある。気流によって上まで運ばれたフロンが、ちょうどオゾン層付近で紫外線を浴びて分解塩素ラジカルを放出し、それがオゾンと反応して分解するという過程である。フロンのほか、ハロン、四炭素、1,1,1-トリクロロエタン、臭化メチルなども同様の機構を持つ原因物質とされる。

問題が発覚してから、期に先進国フロンの使用を規制した結果、現在大気中の塩素量は減少傾向にある。しかし南極のオゾンホールについては必ずしも減少に転じているとはいえず、近年は北極でも観測されている。 

1985年には基本的な取り組みとして、オゾン層保護のためのウィーン条約が締結され、原因物質の具体的な規制スケジュールを定めたモントリオール議定書が1987年に採択された。わがにおいても1988年には原因物質の全を定めたオゾン層保護法が、2001年にはフロン類の回収、破壊処理を定めたフロン回収破壊法が定められている。 

関連商品

関連項目

この記事を編集する

掲示板

おすすめトレンド

急上昇ワード改

最終更新:2024/03/29(金) 14:00

ほめられた記事

最終更新:2024/03/29(金) 14:00

ウォッチリストに追加しました!

すでにウォッチリストに
入っています。

OK

追加に失敗しました。

OK

追加にはログインが必要です。

           

ほめた!

すでにほめています。

すでにほめています。

ほめるを取消しました。

OK

ほめるに失敗しました。

OK

ほめるの取消しに失敗しました。

OK

ほめるにはログインが必要です。

タグ編集にはログインが必要です。

タグ編集には利用規約の同意が必要です。

TOP