カツカレー理論 単語

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カツカレーリロン

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カツカレー理論とは、「好きなもの × 好きなもの = すごく好きなもの!」という理論である。

概要

カレー:おいしい

トンカツ:おいしい

じゃあカレートンカツを乗せたものなんて、きっとすごくおいしいよね!

 

……だいたいこういった感じの単純な発想に基づく理論

ちょっとあたまわるそうですって? 邪気とか爛漫とか言ってください。

 

自分が「好きなもの」と「好きなもの」を組み合わせたアイディア創作物を提示するときに、「カツカレー理論」に基づいた発想であるとして言及されることが多い。上記のようにひどくシンプルゴリ押し的な理論ではあるので、照れ笑い代わりのような、少し自虐的な感じで引き合いに出されるのだろう。

名称にある「カツカレー」と同じく食べ物の組み合わせに対して使われることもあるが、それだけではなく広く「好きなもの」の組み合わせに関して使われる。

作者が好きな2つ(またはそれ以上)のものを組み合わせることによって生まれ、結果として多くのファンを集める人気作品になった創作の例も少なくない。単純な発想とは言え馬鹿にしたものでもないんですよ。

 

実例:

 

もちろん、「好きなもの」「おいしいもの」にも「持ち味」や「相性」があり、実際には「好きなもの × 好きなもの = すごく好きなもの!」とはならないことも多いだろう。たとえば「チョコアイスおいしくて大好き!」「親子丼おいしくて大好き!」「だから親子丼チョコアイスをぶちまけよう!」というアイディアに賛同する人はあんまりいないんじゃない?

また「カツカレーは確かにおいしいが、『単体で食べておいしいカレー』や『単体で食べておいしいトンカツ』は、『カツカレーにしておいしいカレートンカツ』と全に同じではない」といった点にも注したい。単純に組み合わせるだけでもおいしいかもしれないが、さらにおいしくするためには調和するための一工夫を加えたりすることも大事ってことですね。

ちなみに、カツカレーの発祥とも言われる洋食屋「グリルスイス」がカツカレーを産み出したきっかけは、常連だった野球選手「千葉茂」の「別々に食べるのは面倒だからカレーライスの上にトンカツを乗せてくれ」という要望だったそう。つまり「合わせればすごくおいしくなる」という発想から産まれた料理というわけでもないようだ。ただしトンカツカレーライス千葉茂さんの好物だったそうで、「好物と好物を合わせた」という点は間違いない。[1]

発祥

19901991年ごろの旭化成の賃貸住宅用建築プラン広告が発祥ではないか?と推定される。

Googleブックスにて「カツカレー理論」を調べたexitところ、1990年1991年新聞縮刷版が3件ヒットした(2020年6月28日時点の検索結果)。ただし読売新聞朝日新聞日本経済新聞新聞はそれぞれバラバラだが。

OCRによる自動読み取りのためか順や漢字が3件で微妙に異なっているが、おそらく元の文章はいずれも同じ

その山田慶太の「カツカレー理論」に賛同した設計セクションは、遅くまで共に検討を重ねた末、基本プラン完成させた。

というものだったかと思われる。バラバラの3つの新聞で同じ文章が掲載されるということは、広告内の文章であったのかもしれない。

また、国立国会図書館デジタルコレクションで「カツカレー理論」を調べるとexit広告に関する専門雑誌『宣伝会議』の1991年3月号に、とある広告が以下のように紹介されていたらしいことが確認できる。

カ,カレーおまちどう![2]」とか「これはうちじゃなきゃ出せないプランだ!」とかの文字をチラッチラッとの片隅に入れながら、最初のコマを移すと······「ここまでのあらすじ」とある。そこには、こう記してある。「旭化成の営業マン山田慶太は、施小川氏の賃貸マンションのプラン提案に行き詰まっていた。土地の広さに制限がある。『全6戸、駐スペース2台分』という今のプランでは、採算性がイマイチだし、第一アピールに欠ける。

々と悩んでいた彼は、ふと食を取っていないことに気づき、通じのかり[3]カレー屋へ入った。

と、次に「カツカレーおまちどう!」の1マ[4]。そのカツカレーを見た営業マン山田慶太は「これだ!!全戸駐車場付の賃貸だ」とく、さきほどの大きなコマに続く。そして次のコマミソ。(胸ポケットから取り出した手帳に)カツカレーの絵を描き、そこにレー=住居スペース」「カツ=縦置きの駐スペース。ヘーベルメゾンなら全戸分とれる!」と、書く。もうお分かりであろう。「全戸駐車場付の賃貸」と、最も庶民的なもの「カツカレー」との相関関係が······これをこの広告では、ツカレー理論」と記している。

そして、この広告について「「カツカレー理論」に絞り込んで面く、分かりやすく。」「旭化成·ヘーベルメゾンプラネックス」「3コマ割りされた劇画チック広告」などの文章が続いている。

要するに、当時の旭化成の賃貸住宅用建築プラン「ヘーベルメゾン プラネックス」の広告において「カツカレー理論」という言葉が使用されていたらしいことがわかる。

さらに遡る他の例が発見されない限り、おそらくこの旭化成広告が「カツカレー理論」の発祥とみてよいのではないかと思われる。

関連項目

脚注

  1. *グリルスイスの「カツカレー」 - 日経BP セカンドステージexit(消滅済みのためインターネットアーカイブ
  2. *国立国会図書館デジタルコレクションは印刷物を自動読み取りでテキストデータ化しているが、時折読み取りミスしていることがある。「カ,カレーおまちどう」は「カツカレーおまちどう」の誤読み取りではないかと思われる。
  3. *同じく、「通じのかり」は「通りがかり」の誤読み取りではないかと思われる。」
  4. *同じく、「1マ」は「1コマ」の読み取りミスかと思われる。
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