稲妻の衝撃、再び。
復帰するだけでも奇跡、そんな重傷から返り咲いた勇者がいた。
かつて極めた砂の頂上決戦で、華麗なる復活を遂げてみせる。
若き日に呼ばれた「砂のディープインパクト」という称号。
鮮烈な稲妻の魂は、最強の輝きとともにその名声を証明してくれた。
カネヒキリ(Kane Hekili)とは、2002年生まれの日本の競走馬・種牡馬である。
馬名は、ハワイ神話の雷神カネヒキリから。
父フジキセキ、母ライフアウトゼア、母の父デピュティミニスター、母の兄は種牡馬として成功したシルヴァーデピュティという良血である。
デビューから二戦は芝のレースを使うが二連敗。しかしダートを使うと水を得た魚のごとく未勝利500万下を連勝。
気を良くした陣営は芝路線に再挑戦させたがもちろん完敗。甘くないよね。
これで完全に芝への未練を断ち切り、先人が切り開いたダート街道をまっしぐらに進む。4連勝で重賞3勝GⅠ2勝。どれも隙のない完勝で、ダートの新星降臨!と話題になった。
でも、馬主が同じだからって砂のディープインパクトはちょっと安直過ぎ。
しかし武蔵野ステークスで出遅れて2着に敗れる。ちなみに敗れた相手は同じ3歳馬サンライズバッカスであった。
この世代、ディープインパクトにボコボコにされぺんぺん草も生えない有り様だった芝組と違いダート組は強いのなんのである。
次走ジャパンカップダートではスタートを決めると古馬との叩き合いを制し、古馬も征服してみせた。おお、強い強い。
明けて4歳(2006年)、ドバイワールドカップ遠征を表明し臨んだフェブラリーステークスを圧勝。
ディープインパクトやハーツクライらも海外遠征を表明する中、彼も大きな期待を背負って挑んだが…勝ち馬からちぎられた5着という日本馬の定位置に落ち着いた。
2着に入ったブラスハットが違反薬物使用で失格になり、4着に繰り上がったが賞金が増えた以外は何も嬉しくない出来事であった。
帰国後、帝王賞で逃げる地元の星アジュディミツオーと追う王者カネヒキリの激戦となったが差し切れず2着。
秋は南部杯を目標に調整されたが屈腱炎を発症。引退も考えられたが休養し現役続行となった。ダート馬の悲しさよ。
5歳(2007年)の秋に復帰すべく帰厩したが、屈腱炎が再発。芝のエース級なら間違いなく引退になった怪我だが…
幹細胞移植手術という手術を施し、現役続行となった。一見すると高度な手術受けられて恵まれてると思われそうだが…
彼ほどの実績を残しながら二度目の屈腱炎でも引退出来なかったのは、実績に見合わない種牡馬入りオファーしかなかったとしか思えない。無茶して現役に戻り、価値を高めるしか未来を切り開けないと判断されたのである...
6歳(2008年)の秋、武蔵野ステークスから始動するが終始かかりっぱなしな上、前が詰まりに詰まり動けず9着に敗れた。
記念すべき復帰戦だったが無事に回って来られただけよしとしないとやってられない内容であった。
次走はGⅠジャパンカップダート。この年から阪神1800mに変更されることになっていた。彼が元気だった頃からすると様変わりしたものである。
そんなこのレースで、彼がいない内に王者となっていたヴァーミリアンを撃破。再び王者に返り咲いて見せた。凄まじい根性である。
さらに年末の風物詩東京大賞典では再びヴァーミリアンと戦いこれをまた撃破。王者はお前じゃない、俺だ!と満天下に宣言したのである。
7歳(2009年)は川崎記念から始動。アジュディミツオーに変わって南関東の王者として君臨するフリオーソを振り切り当時最多タイのGⅠ7勝目を挙げる。
しかしフェブラリーステークスでGⅠ8勝目を狙ったがサクセスブロッケン・カジノドライヴといった若い力に敗れ3着、
そして船橋のかしわ記念で再びGⅠ8勝目を狙ったがエスポワールシチーのスピードに敗れ2着、挙句の果てにレース後骨折でまた休養生活となってしまった。もう引退させてやれよ。
8歳(2010年)の夏にようやく復帰、当初はキツい斤量でも仕方ないからプロキオンステークスに行くつもりだったが、大井競馬場が彼のためのピンポイント特例を作り適用、帝王賞出走となった。
しかしフリオーソの激走に置いて行かれ2着。次走盛岡のマーキュリーカップで勝利を収めたが、門別のブリーダーズゴールドカップでシルクメビウスにちぎられ2着に敗れる。確実に力は落ち込んでいた。
そして日本テレビ盃へ向け調整されていたが今度は両前脚に屈腱炎発症。さすがに引退させることになった。遅くね?
紆余曲折、挫折と栄光、王者として一時代を築いたとは思えない扱いを受けたり色々あったがようやく種牡馬として優駿スタリオンステーションで暮らすことになった。
ノーザンファーム生まれのGⅠ7勝馬なのに社台スタリオンステーションちゃうんかい。
同じ年に向こうはゆかりの血統でGⅠ9勝したとはいえ、カネヒキリに全く歯が立たなかったヴァーミリアンを受け入れたというのに。
ちなみにヴァーミリアンも早々に社台スタリオンステーションからはじき出されてしまっている。生産頭数も年々減っているし世間は厳しいのだった。
しかし、日高では不屈の闘志とその良血っぷり、ダートで安定した強さを発揮したことから大人気で2年連続BOOKFULLとなるなど、フジキセキの後継者として奮闘…していたのだが、2016年に種付け中の事故で予後不良となってしまった。
現役時代比喩対象だったディープインパクトなら申し込みの時点でハネられるような蹴りグセのある牝馬に当たり蹴っ飛ばされたのが致命傷と言われる。諸行無常。
産駒はダート馬が殆どで、得意のダートでも1600万~OPの辺りで壁に突き当たる感じがあった。
が、歴代でも強い方と言ったり言われなかったりしている2016年クラシック世代の一頭、ロンドンタウンが4歳になって1番人気に応えて交流重賞佐賀記念を制し、ついに交流重賞級は出すことに成功。その後同馬の1歳上のミツバが7歳になって川崎記念を勝ち、産駒初の交流GⅠ制覇を挙げた。
フジキセキ 1992 青鹿毛 |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
Cosmah | |||
Wishing Well | Understanding | ||
Mountain Flower | |||
*ミルレーサー 1983 鹿毛 |
Le Fabuleux | Wild Risk | |
Anguar | |||
Marston's Mill | In Reality | ||
Millcent | |||
*ライフアウトゼア 1992 栗毛 FNo.2-s |
Deputy Minister 1979 黒鹿毛 |
Vice Regent | Northern Dancer |
Victoria Regina | |||
Mint Copy | Bunty's Flight | ||
Shakney | |||
Silver Valley 1979 栗毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native | |
Gold Digger | |||
Seven Valleys | Road At Sea | ||
Proud Pied |
掲示板
急上昇ワード改
最終更新:2023/03/27(月) 00:00
最終更新:2023/03/27(月) 00:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。