カルストンライトオ 単語


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カルストンライトオ

8.1千文字の記事

カルストンライトオとは、1998年生まれのJRA(日本中央競馬会)所属の元競走馬。「」「直線番長」「直線競馬の申し子」などの異名を持つ。

長らく日本競馬史上最速のという称号を保持し続けたである。何をもって「最速」なのかは後述。

な勝ち
2002年:アイビスサマーダッシュ(GIII)
2004年:スプリンターズステークス(GI)、アイビスサマーダッシュ(GIII)

曖昧さ回避 この記事では実在競走馬について記述しています。
このを元にした『ウマ娘 プリティーダービー』に登場するウマ娘については
カルストンライトオ(ウマ娘)」を参照して下さい。

概要

:ウォーニング
:オオシマルチ
:クリスタルグリッターズ

1998年5月3日大島牧場にて生を受ける。日本国内では数少ないサラブレッド三大始祖の一頭ゴドルフィンアラビアンの直系にあたる、いわゆるマッチェム系に属する血統であり、希少性が高いとされる。

1999年サマーセールにて、清水氏に1890万円で落札される。

サマーセール・・・HBA日高種馬農業協同組合催する、競走馬のセリのひとつ。サマーセール出身の有名としてはモーリスダンツフレームマイネルホウオウマイネルレコルトラブミーチャンヒガシウィルウィンなどが名を連ねている。

馬名について

名についてであるが、なんとなく最後の「」が気になる方もいるかもしれない。名の英語表記は「Calstone Light O」であり、意味的な文節は「カルストン + ライト + オ」である。名の由来は、

カルストン 馬主清水の所有馬冠名清水氏の本業が「軽石」を扱っていることから、軽石⇒軽いストーン⇒「カルストン
ライト 馬主清水名前から、「ライト)」
「王(オー)」

という事で、本来は「カルストンライトオー」というニュアンスであるが、日本競走馬名には「カタカナ9文字」という制限があるため、それに対応して最後の伸ばし棒を省略して「カルストンライトオ」となった。

ちなみに同様の経緯で、清水氏所有の競走馬には末尾に「」が付いているウマが多数いる。(カルストントップオ、カルストンペースオ、カルストンヒットオ、カルストンソロンオ 、カルストングラスオ 、カルストンキングオ、カルストンダイナオ、 カルストンオースオ、カルストンテイクオ、 カルストンハードオ、etc...)

デビューから4歳まで

2000年11月デビュー。2歳デビューから逃げスタイルを貫き、芝1200mの新馬戦を6馬身差、そしてかえで賞を6馬身差と、圧倒的な速さで2連勝を飾る。

続いて挑戦したのは朝日杯3歳ステークス(GI。現・朝日杯フューチュリティステークス)。持ち前のスピード先手を奪うも直線坂下メジロベイリーをはじめとした後続に捕まり、10着に敗退した。

2001年では、葵ステークス(OP)や北九州距離S(OP)では逃げ切りが上手くハマり勝利する。しかし重賞レースではファルコンステークス(GIII)、アイビスサマーダッシュ(GIII)、セントウルステークス(GIII)と、いずれも1番人気に支持されながら惜敗が続いた。

2002年シーズンを休養に充て、6月に復帰。復帰2戦TUF杯を制し、オープン競走を2戦挟んだのち、アイビスサマーダッシュGIII)へ再び挑むこととなった。

駆け抜ける史上最速の閃光 2002年アイビスサマーダッシュ(GIII)

舞台は、2002年に開催された第2回アイビスサマーダッシュ(GIII)。


先にアイビスサマーダッシュについて説明しておくと、新潟競馬場・芝1000m(いわゆる「新潟千直」)の重賞競走である。2001年に創設された。特筆すべきはJRA重賞レースでは最も距離が短く、かつ日本国一の直線コースのみで行われる重賞競走であるということ。コーナーを回る等のスピードロスがほとんどないため、まさに競走馬たちの純な走力がものをいう電撃の短距離戦である。

・・・とは言いつつも、実際はこのレースにおいても番による有利不利が存在しており、おおむね「絶対有利」というのが定説である。内べて外使用頻度が少なく芝の傷みが小さいため、走りやすいとされている。ただし、このような定説が広まったのも「新潟千直」のレースが回を重ねることで判明していったに過ぎず、今回の舞台となる「2002年 アイビスサマーダッシュ」はまだ開催2回であったため、攻略法については参加者全員が手探りの状態であったことは補足しておく。

さてカルストンライトオであるが、今回は外812番と好位置でレースを進める。もともと彼は右にモタれるがあったが、番が功を奏して外ラチぴったりを爆走。抜群の加速力を生かし、飛ばしに飛ばしまくる。

残り400の標識通過! 外ラチいっぱい ファンの近いところをカルストンライトオ抜け出した! カルストンライトオ!そしてブレイクタイム馬場の中央から上がってくる! そしてタイキメビウス 残り200! タイムは43くらいをすでに通過している! さあ外ラチいっぱいカルストンライトオ! ブレイクタイムちょっと離れた!

カルストンライトオ2馬身ほどのリード
カルストンライトオです!!

去年の辱を果たしました カルストンライトオ!そしてブレイクタイムが2番手の入線!

そしてタイムをご注ください!タイム1000m「537」!レコード文字が上がりました!

実況鈴木秀喜アナウンサーNST新潟総合テレビ

見事に1位入線。直線1000mのタイムはなんと「53.7」。文句なしのレコードタイムアイビスサマーダッシュを制覇する。2002年に打ち立てられたこの記録は、その後23年間にわたって破られることなく、新潟1000mにおける大記録として残り続けた。2025年にはピューロマジックが53.7を記録してタイ記録立したものの、2026年には同が53.5を記録し、ついに更新された。

そしてラップタイムは[12.0-9.8-10.2-9.6-12.1]。なんと9台を2回もマークしており、まさに「2段階加速」ともいえるようなダッシュを見せたことが数字上でも確認できる。本レース史上でも、9台のラップが2回もマークされたのはこの時のみである。またこの時の200〜800m間の3ハロンタイム29.6(9.8-10.2-9.6)という驚異的な数字であり、さらに4ハロンマークしたラップ9.6は時速に換算すると75km/h出ていたことになる。(競走馬はだいたい時速60〜70kmで走るとされている。)

この驚異的な記録もあり、カルストンライトオは「時速75キロで走ったサラブレッド」として日本競馬史上最速のとも評されている。

その光は影を落とし

これで勢いに乗るかと思われたカルストンライトオだったが、毎日放送スワンS(GII)、セントウルS(GIII)に挑戦するも惜敗。また脚部不安もあり、休養に入ることになる。

復帰は2003年9月。そのため8月開催のアイビスサマーダッシュへの出走はわなかった。休養明け後も調子を取り戻すことはできず、結局2003年オープン特別のアンドロメダステークス1勝のみにとどまり、12月CBC賞(GII)のレース後から再び休養に入る。

再度きらめく閃光 2004年アイビスサマーダッシュ(GIII)

2004年に復帰。函館スプリントステークス(GIII)を3着とすると、2年ぶりにアイビスサマーダッシュ(GIII)に出走。前々年度の王者として1番人気を背負い、レースが始まる。

順は55番であったが、スタート直後から抜群のダッシュ力を発揮してハナを奪い、外ラチ沿いへとを寄せることに成功した。そこからは前回の走りを彷彿とさせるほどに、外ラチ沿いを力強く駆け抜ける展開となった。残り400mから追い出されると、後続との差を一気に広げ、3馬身差の圧勝を収めた。

3馬身差の勝利は、2006年のサチスイティーと並び、レース史上最大着差記録となっている。

なお余談であるが、当時現地にいたある競馬記者は、このレースをカルストンライトオのベストレースに挙げている。スタート直後の飛び出しによって外ラチ沿いを確保した結果、他もこれに追随して外側へ寄り、群は外ラチ沿いに集まる形となった。そのため、スタンド最前列の観客は、わずかな距離トップスピードで駆け抜けるサラブレッドたちを間近に観戦することができ、場内の盛り上がりは非常に大きかったとのこと。

行ってしまうぞ!行ってしまうぞ!スプリンターズステークス(GI)

アイビスサマーダッシュを制したカルストンライトオであったが、管理していた大根田裕之調教師は、当初スプリンターズステークス(GI)への出走に消極的であった。前年に15頭立ての13着という惨敗を喫していたためであり、大根田氏はむしろ直線コースGIレース香港スプリント(GI)魅力を感じていた。

2004年当時の香港スプリント(GI)は直線・芝1000m。2006年距離1200mに延長され、コーナーありのコースに変更された。

しかし、カルストンライトオがアイビスSDで見せた強さに方針を変更し、そのままスプリンターズステークス(GI)へ直行を決断する。高松宮記念を制したサニングデール、前年覇者デュランダルなど短距離猛者が顔をえる中、カルストンライトオは単勝8.5倍の5番人気にとどまっていた。また、この年のスプリンターズSが降り続いた不良馬場となっていた。

スタート直後から猛な加速力でハナを奪うと、不良馬場にもかかわらず前半3ハロンを336で飛ばしていった。4に入って後続を引き離すと、直線に向いても逃げ脚は衰えず、最終直線でもグングンと全速力で駆け抜けていく。

さあ逃げ体勢だカルストンライトオ、どこまで逃げられるかというところ。新潟2度のチャンピオン、さあカルストンライトオ逃げで400通過不良馬場最後の直線、スプリンターズステークス

むしろリードを開いている!さあラチ沿いに、大西直宏ダービージョッキーカルストンライトオ 逃がす逃がす!カルストンライトオ 逃がす!さあ問題は2番手!2番手外からデュランダル 帽子がやってきた!シーイズトウショウもやって来ている!2番手は横一線 大混戦!

かしこれは!
行ってしまうぞ!行ってしまうぞ!
カルストンライトオが逃げるぞ!!

2番手外からデュランダルだが!!
前とは離された!!

カルストンライトオー!!!

実況青嶋達也アナウンサーフジテレビ

2着のデュランダルに4馬身差をつける圧勝劇を見せつけて勝利する。4馬身差の勝利は、スプリンターズSGIに昇格した90年以降に限ると1991年ダイイチルビー1994年サクラバクシンオーと並び、またもレース史上最大となった。

また、アイビスサマーダッシュの勝ちGIを制した例は、2025年現在でもカルストンライトオのみである。

同年、香港スプリント(GI)に挑戦するが、14着に敗れている。

引退まで

2005年阪急杯2着、高松宮記念4着の後、4回アイビスサマーダッシュ(GIII)へ向かった。単勝1.8倍の断然人気を集めたが、59kgの斤量と内に泣き、4着に敗れた。自身が最も得意とした舞台であったが、出走機会3連勝とはならなかった。次走のスプリンターズステークス(GI)では、直線で一度は先頭に立ちながらも、最後に差されて10着に敗退した。

その後、右前脚球節炎を発症。2005年11月2日付けで競走馬登録を抹消、現役を引退することになった。通算成績36戦9勝(うち重賞3勝)。

引退後

競走馬引退後は2006年から北海道・静内町レックススタッドにて種牡馬となり、その後2010年11月に安町の橋本牧場へ移動。種牡馬としては、地方重賞勝ちを3頭出すもJRAではオープンが出せず、また2021年になってメイショウテンセイ(2014年生・7歳)が3勝クラスを勝ち上がり期待されたもののオープンでは勝てないまま引退。大きな結果は残せなかった。

2021年以降は種付けを行わないままとなり、2023年をもって種牡馬引退。日西牧場にて繋養されていたが、2024年2月7日に老衰により死亡したと牧場より発表された。享年26歳。

このため、2021年生まれの産駒(該当はカチヌキマリコの1頭のみ)がラストクロップとなった。また現役最後の産駒カサマツノライトオ(ピアッジーネ、サクラバクシンオー兵庫所属)2025年引退し、日本種牡馬として活動した後、なんと2027年からタイ種牡馬入りさせる計画が上がっている。(2025年現在。詳細は後述。)そのため、日本国内での系の存続はかなり厳しいものになることが予想される。

レーススタイル

1000mでは圧倒的な記録を残しながら、その他のレースでは果敢に逃げながらも直線で沈んでいくそのスタイルは、ファンからは1200mでも長い」と揶揄されるように語られている。実際、管理していた大根田裕之調教師は後年になって当について、「息継ぎなしで一気に走るタイプだった。スプリンターズSを勝ったけど、1000mがベストだった」とコメントしている。

スプリンターズS優勝はあるが、基本的にはコースで圧倒的なスピードを見せ付けるタイプだった。スタートしてからの驚異的な加速力、そして同じく驚異的なゴール前でのり込みでファンの支持を得ていた。大根田氏は「一歩はそれほど速くないけど、二歩からの加速がすごいゲート練習ではちょっと沈んだ構えから、あっという間に見えなくなった。ホーム通過する特急電車を見ている感じだった」と振り返る。

時代が進み、日本競馬レベルが年々上昇し、過去レコードが次々と塗り替えられている中で、同立した新潟直線1000mのレコードが破られるまでには24年の時を必要とした。語弊を恐れずに言えば、カルストンライトオは「日本で最も速い」の一頭であることを、その記録自体が明している。

余談

カルストンライトオが勝利した重賞アイビスSD 2回、スプリンターズS 1回)すべてに騎乗していた大西直宏2006年引退)は、2024年インタビュー新潟千直のレコードがいまだ破られていない件について、「当時、アイビスSDが行なわれたのは8週開催時の6週で、馬場が荒れてきた開催終盤だった。その時にマークしたレコード現在も破られずに残っているのは、非常に価値があると思う。今のアイビスSDの開幕週での開催。時計が出やすい条件なので、いつレコードが塗り替えられてもおかしくない。」と語っている。また、「カルストンライトオの記録を破られるのは寂しいですが、新たなスピードスターの登場を期待している自分もいます。」ともコメントしている。

また、大西直宏2024年インタビューで、なんとスマホの待ち受け画面を『ウマ娘』のキャラクターカルストンライトオ」にしていると明かしている。大西は『ウマ娘』のことは周囲から聞いていて、興味を持つようになったとのこと。キャラクターカルストンライトオ」については、「右後肢がいという特徴もしっかり反映されているのがうれしいですね」とコメントしている。

ちなみに、馬主息子である清水久詞氏はを受けてに携わる仕事に就いており、当時は浜田正厩舎の調教助手としてファレノプシスなどを担当していた。後に調教師として独立し、トウケイヘイローキタサンブラックメールドグラースなどを管理することになる。

余談・希少血統とカサマツノライトオについて

血統について繰り返すことになるが、カルストンライトオはゴドルフィンアラビアンバルブ)直系という、極めて希少な系に属していた。しかし2025年時点で、この血筋を日本国内に継ぐ競走馬は、当産駒カサマツノライトオが事実上最後の1頭となってている。(なお2025年初頭にはもう1頭クリノアバンスが存在していたが、同年引退し乗へと転用された。)

カサマツノライトオは2025年4月に現役を引退。競走成績面では大きな実績を残すには至らなかったものの、注されたのはその重な系を後世へとつなげる可性であった。そのため、カサマツノライトオの種牡馬入りをクラウドファンディングが立ち上がった。(当時の募集URLexit)(標金額は500万円。種牡馬自体の維持費および諸経費に加え、交配先の繁殖牝馬1頭の購入・維持費を含む。いずれも1年分想定。)

同年10月20日には初年度の結果が報告され、カサマツノライトオは2頭の繁殖牝馬に種付けを行ったが、受胎成績としては芳しいものではなかった。

そして2025年12月、ある計画が発表される。なんと「2027年からタイに移動して、タイ競馬にて種牡馬となる」というものである。今のところの大まかな予定としては「両国の関係者と協議の上、実現可性が担保され次第」クラウドファンディングを開始し、内でラスト種牡馬生活に臨むとのこと。もしこの計画どおり進行すれば、カサマツノライトオにとって内での種牡馬活動は2026年が最後となる。

ゴドルフィンアラビアン直系マッチェム系」の血脈が日本で存続するかどうかは、カサマツノライトオの2026年種牡馬活動にかかっている。日本競馬界において、その希少な血統が再び大物を輩出するかどうか、今後に注である。

血統表

*ウォーニング
1985 青鹿毛
Known Fact
1977 黒鹿毛
In Reality Intentionally
My Dear Girl
Tamerett Tim Tam
Mixed Marriage
Slightly Dangerous
1979 鹿毛
Roberto Hail to Reason
Bramalea
Where You Lead Raise a Native
Noblesse
オオシマルチ
1990 黒鹿毛
FNo.10-b
*クリスタルグリッターズ
1980 鹿毛
Blushing Groom Red God
Runaway Bride
Tales to Tell Donut King
Fleeting Doll
オオシマスズラ
1978 鹿毛
*カウアイキング Native Dancer
Sweep In
ネバージョオー *ネヴァービート
グンシン
競走馬の4代血統表

クロスNative Dancer 4×5(9.38%)

ウォーニングはイギリスを本拠地としてマイルを中心に走り14戦8勝(うちGI2勝)。産駒には短距離で活躍したカルストンライトオやサニングデールの他に、ヨーロッパで残した産駒としてカドラン賞(GI・4000m)を勝利したGive Noticeもいる。
オオシマルチアは日本の中央で18戦4勝。勝ちはすべて1600m~1800mである。
クリスタルグリッターズはフランスを本拠地としてイスパーン賞(GI1850m)連覇など17戦5勝。産駒菊花賞マチカネフクキタルなど。

本文中でも何度か話している通り、このマッチェム系である。7代Man o' Warである。

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アオシマバクシンオー本領発揮な高速実況も必聴である。

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